Gomei

漢字	平仮名	Pronunciation	Meaning	意味
1月 January
若水	わかみず	wakamizu	First water drawn at dawn on New Year’s Day	元旦早朝に汲む清水をいう。茶杓後銘として古くから用例あり。
初夢	はつゆめ	hatsuyume	First dream of the year	正月二日の夜に見る夢を吉凶占いとした。
初日の出	はつひので	hatsuhinode	First sunrise of the year	元旦に遥拝する日の出。
歳旦	さいたん	saitan	New Year’s morning	歳旦祭など宮中儀礼に由来。
元旦	がんたん	gantan	New Year’s Day at dawn	元日の朝を表す語。
御慶	ぎょけい	gyokei	New Year felicitation	年賀状の賀詞としても用いられる。
門松	かどまつ	kadomatsu	New Year pine decorations	歳神を迎える依り代。
松飾	まつかざり	matsukazari	General term for New Year greenery decos	松飾りとも表記。
注連飾	しめかざり	shimekazari	Shimenawa New Year decoration	神域を示す注連縄を家の入口に飾る。
鏡餅	かがみもち	kagamimochi	Stacked rice–cake offering	円鏡を模す二段の餅。
餅花	もちばな	mochibana	Rice-cake blossoms	柳枝に餅を付け花に見立てる正月飾り。
大福茶	おおぶくちゃ	obukucha	“Good-fortune tea” drunk at New Year	平安時代・空也上人に由来。
御屠蘇	おとそ	otoso	Spiced New Year sake	邪気を祓う薬酒。
若菜	わかな	wakana	Young greens of the season	七草粥の材料。
七草	ななくさ	nanakusa	The “seven herbs” of spring	人日の行事。
若松	わかまつ	wakamatsu	Fresh young pine	門松用の若い松。
松竹梅	しょうちくばい	shōchikubai	Pine-bamboo-plum celebratory trio	吉祥の象徴三つ組。
鶴亀	つるかめ	tsurukame	Crane & turtle emblem of longevity	長寿を象徴。
宝船	たからぶね	takarabune	“Treasure ship” of the Seven Gods	初夢の絵に描く縁起物。
万歳	ばんざい	banzai	Traditional comic congratulation performance	正月門付芸。
万歳楽	まんざいらく	manzairaku	Ancient court dance tune	雅楽曲名。祝儀で用いる。
福寿	ふくじゅ	fukuju	Felicitous longevity	福と寿の吉語。
福寿草	ふくじゅそう	fukujusō	Adonis flower blooming in snow	“元日草”とも。雪中に咲く。
歳徳神	としとくじん	toshitokujin	Deity of the year’s direction	恵方を司る女神。
恵方	えほう	ehō	Lucky compass direction for the year	歳徳神の在する方角。
恵方巻	えほうまき	ehōmaki	Sushi roll eaten facing lucky direction	大阪商人の販促から全国化。
初詣	はつもうで	hatsumōde	First shrine/temple visit of the year	明治以降一般化。
初湯	はつゆ	hatsuyu	First bath of the year	江戸時代の風習。
初笑	はつわらい	hatsuwarai	First laughter	年の初めに笑い福を招く。
初句	はつく	hatsuku	First haiku composed in the year	俳諧の年初行事。
初凧	はつだこ	hatsudako	First kite flown in the year	男児成長祈願。
凧	たこ	tako	Kite	正月遊びの代表。
羽子板	はごいた	hagoita	Battledore (wooden paddle)	羽根突きに用いる。
羽根	はね	hane	Shuttlecock for hanetsuki	ムクロジの実に紙を付ける。
羽根突	はねつき	hanetsuki	New Year badminton-like game	羽子板で羽根を打つ遊び。
独楽	こま	koma	Spinning top	正月玩具の定番。
双六	すごろく	sugoroku	Board game of dice	年始娯楽として流行。
歌留多	かるた	karuta	Japanese playing cards	小倉百人一首競技かるたも含む。
書初め	かきぞめ	kakizome	First calligraphy of the year	元日または二日に書く習わし。
舞初	まいぞめ	maizome	First dance performance	芸能者が年頭に舞う。
扇始	おうぎはじめ	ōgihajime	First opening of folding fans at court	宮中儀礼から茶席銘へ。
御年玉	おとしだま	otoshidama	New Year gift money	室町期は品物だった。
初春	はつはる	hatsuharu	Early spring/New Year	立春前でも新春を祝す語。
初茜	はつあかね	hatsuakane	First red dawn of year	元旦の東雲の赤み。
御来光	ごらいこう	goraikō	Sacred sunrise viewed from heights	富士登山者の習慣など。
初霞	はつがすみ	hatsugasumi	First haze of the year	新春の大気の霞。
瑞雲	ずいうん	zuiun	Auspicious clouds	吉兆を示す雲。
瑞鶴	ずいかく	zuikaku	Mythical “auspicious crane”	瑞祥の象徴として文献多し。
初景色	はつけしき	hatsukeshiki	First scenic view of the year	年の初めに愛でる景観。
初春風	はつはるかぜ	hatsuharukaze	First spring breeze	新春を告げる風。
初雪	はつゆき	hatsuyuki	First snow of the year	年頭に降る初めの雪。
寒梅	かんばい	kanbai	Winter-blooming plum	寒中に香る梅。
白梅	はくばい	hakubai	White plum blossoms	清楚な白花の梅。
寒紅梅	かんこうばい	kankōbai	Red winter plum	寒中に咲く紅梅。
寒椿	かんつばき	kantsubaki	Winter camellia	冬咲きの椿。
寒牡丹	かんぼたん	kanbotan	Winter peony	藁囲いの中で咲く牡丹。
薄氷	うすらい	usurai	Thin ice	春の兆しの薄い氷。
霜柱	しもばしら	shimobashira	Frost columns	地面に立つ氷結柱。
初空	はつぞら	hatsuzora	First sky of the year	元旦に仰ぐ青空。
初風	はつかぜ	hatsukaze	First breeze of the year	年の始めの風。
初声	はつごえ	hatsugoe	First bird-call (usually rooster)	元旦の鶏の声。
初鶯	はつうぐいす	hatsuuguisu	First warbler song	“春告鳥”とも呼ばれる。
初日影	はつひかげ	hatsuhikage	First sunlight of the year	元旦の陽光。
初日	はつひ	hatsuhi	First sun	年頭の太陽。
初暦	はつごよみ	hatsugoyomi	First calendar opened in New Year	新しい暦を初めて開く。
初富士	はつふじ	hatsufuji	First view of Mt. Fuji	元旦に眺める富士。
初松	はつまつ	hatsumatsu	First pine viewed in year	年初に見る松の翠。
千両	せんりょう	senryō	Sarcandra berry symbolising wealth	正月飾りに用いられる赤い実。
万両	まんりょう	manryō	Ardisia with red berries	千両より実が多く縁起良し。
千歳	ちとせ	chitose	“A thousand years” – longevity wish	賀詞「千歳楽」由来。
春告鳥	はるつげどり	harutsugedori	Warbler heralding spring	鶯の別称。
早梅	そうばい	sōbai	Early-blooming plum	正月頃に咲く梅。
早春	そうしゅん	sōshun	Early spring	立春前後の季語。
正月	しょうがつ	shōgatsu	The New Year period	元日の別称。
御正月	ごしょうがつ	goshōgatsu	Honourific term for New Year	古式ゆかしい表現。
年迎え	としむかえ	toshimukae	Welcoming the new year	大晦日から元旦にかけての行事。
歳旦祭	さいたんさい	saitansai	Imperial New Year rite	宮中三殿で行う祭祀。
四方拝	しほうはい	shihōhai	Emperor’s New Year prayer to four quarters	宮中歳旦祭前に行う拝礼。
舞鶴	まいつる	maitsuru	Dancing crane	瑞鳥としてめでたい。
初市	はついち	hatsuichi	First market of the year	各地の初売り市。
初旅	はつたび	hatsutabi	First trip of the year	新年に出かける旅。
初手紙	はつてがみ	hatsutegami	First letter written in the year	年始状を書くこと。
初便り	はつだより	hatsudayori	First news/message received	年頭の便り。
年賀状	ねんがじょう	nengajō	New Year greeting card	郵便制度と共に普及。
年始	ねんし	nenshi	New Year visits/calls	年始客を迎える行事。
年酒	としざけ	toshizake	First sake of the year	屠蘇とは別に用語あり。
年玉	としだま	toshidama	Old word for New Year gift	“御年玉”の古形。
初酒	はつざけ	hatsuzake	First sake tasted in year	新酒を祝して飲む。
初日記	はつにっき	hatsunikki	First diary entry	年の計を書き記す。
三が日	さんがにち	sanganichi	First three days of New Year	元日から三日まで。
松の内	まつのうち	matsunouchi	Period when pine decorations stay	一月七日までなど地域差。
御節料理	おせちりょうり	osechirōri	Traditional New Year dishes	重箱に詰める祝い料理。
笑門	しょうもん	shōmon	“Laughing gate” bringing fortune	「笑門来福」の略。
迎春	げいしゅん	geishun	Welcoming spring	賀詞として広用。
瑞光	ずいこう	zuikō	Auspicious light	吉兆の光。
屠蘇器	とそき	tosoki	Set of cups for otoso	屠蘇を注ぐ酒器。
若潮	わかしお	wakashio	“Young tide” of early year	新年最初の潮。
若菜摘	わかなつみ	wakanatsumi	Picking young greens	七草前後の行事。
初霜	はつしも	hatsushimo	First frost of the year	年初に降りる霜。
雑煮椀	ぞうにわん	zōniwan	Bowl for New Year soup	雑煮を盛る漆椀。
黒豆	くろまめ	kuromame	Sweet simmered black soybeans	御節料理の一品。
数の子	かずのこ	kazunoko	Herring roe for New Year dishes	子孫繁栄を願う縁起物。
田作	たづくり	tazukuri	Dried baby sardines dish	豊作祈願を表す。
紅白	こうはく	kōhaku	Red & white auspicious colours	祝い事の配色。
福笑い	ふくわらい	fukuwarai	“Lucky-laugh” face-making game	目隠しで顔を作る遊び。
金銀	きんぎん	kingin	Gold and silver	めでたい貴金属の対。
曙	あけぼの	akebono	Daybreak	元旦の夜明け、初日の出の情景を指す。新しい年の始まりを表すおめでたい銘。
翁	おきな	okina	Venerable Old Man	能楽の演目「翁」から。天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈る神聖な演目で、正月の初釜に最もふさわしい銘の一つ。
千歳	ちとせ	chitose	A Thousand Years	「鶴は千年、亀は万年」から。長寿を祝う言葉で、松の常緑にも掛ける。新年を祝う席で多用される。
老松	おいまつ	oimatsu	Old Pine Tree	風雪に耐え、常に緑を保つ松は長寿や不変の節操の象徴。特に年を経た松は威厳があり、新年にふさわしい。
高砂	たかさご	takasago	Takasago	相生の松の伝説を題材にした能楽「高砂」から。夫婦の長寿と和合を祝い、新年や婚礼の席で喜ばれる。
羽衣	はごろも	hagoromo	Feather Robe	天女の羽衣伝説を題材にした能楽「羽衣」から。清らかで優美、そしておめでたいイメージから新年に用いられる。
初音	はつね	hatsune	First Song (of the year)	その年に鶯が初めて鳴く声。春の訪れを告げる喜ばしい声として、新年に使われる。源氏物語の巻名でもある。
福寿	ふくじゅ	fukuju	Good Fortune and Longevity	幸福と長寿を願う言葉。また、正月に咲く縁起の良い花、福寿草にも掛かっている。
相生	あいおい	aioi	Growing Together	相生の松（雌株と雄株の松が同じ根から生え出たもの）に由来し、夫婦円満や長寿の象徴。祝賀の席に。
鏡開	かがみびらき	kagamibiraki	Mirror Opening	正月に神仏に供えた鏡餅を下げて、割って食べること。武家社会の風習に由来し、年の初めの行事。
七草	ななくさ	nanakusa	Seven Grasses	1月7日の人日の節句に、無病息災を願って七草粥を食べる風習から。
宝船	たからぶね	takarabune	Treasure Ship	七福神が乗る、宝物を積んだ帆船。初夢で見ると縁起が良いとされる。
丹頂	たんちょう	tanchō	Red-crowned Crane	鶴は長寿の象徴であり、特に頭頂部が赤い丹頂鶴は、その姿の美しさから特にめでたい鳥とされる。
亀齢	きれい	kirei	Tortoise's Age	長寿の象徴である亀の年齢を意味する言葉。鶴齢（かくれい）と対で使われることも多い。
神楽	かぐら	kagura	Sacred Dance	神社の祭礼で神に奉納される音楽や舞。新年には多くの神社で奉納され、厳かで晴れやかな雰囲気を持つ。
結び柳	むすびやなぎ	musubi yanagi	Knotted Willow	柳の長い枝を輪に結んだもので、正月の床飾り。生命力の強い柳を結ぶことで、長寿や縁結びを願う。
羽子板	はごいた	hagoita	Battledore	羽子板市で年の瀬に求め、正月に羽根つきをして遊ぶ。厄除けや女児の成長を願う縁起物。
瑞雲	ずいうん	zuiun	Auspicious Cloud	めでたいことの起こる前兆として現れる、紫や五色の雲。新年の幕開けにふさわしい。
長生	ちょうせい	chōsei	Long Life	長生きすること。不老長寿を祝う、簡潔で力強い銘。
千年翠	せんねんのみどり	sennen no midori	Green for a Thousand Years	松の緑が千年も変わらないことを指す禅語。不変の真理や長寿を表し、新年の清々しい決意を示す。
和光	わこう	wagō	Gentle Light / Harmony	「和光同塵」から。自らの才知の光を和らげ、世俗の塵に交わること。謙虚な姿勢と調和を表す。新年の心構えとして。
旭	あさひ	asahi	Rising Sun	元旦の朝日、初日の出のこと。一年で最も神聖で力強い光とされる。
初凪	はつなぎ	hatsunagi	First Calm of the Year	正月の、風がやみ波が穏やかになった海。平穏な一年の始まりを象徴する。
子日	ねのひ	nenohi	Day of the Rat	正月初めの子の日に行われた宮中行事「子の日遊び」から。野に出て小松を引き、若菜を摘んで長寿を祈った。
書初	かきぞめ	kakizome	First Calligraphy of the Year	年が明けて初めて毛筆で文字や絵を書くこと。一年の抱負などを記す、新春の行事。
破魔矢	はまや	hamaya	Demon-quelling Arrow	正月に神社などで授与される縁起物の矢。魔を破り、幸運を射止めるという意味が込められている。
福引	ふくびき	fukubiki	Fortune Lottery	新年会や祭りで景品が当たるくじ引き。一年の福を占う楽しい行事。
埋火	うずみび	uzumibi	Banked Fire	灰の中に埋めて、火種を絶やさないようにした炭火。冬の季語。厳寒の中にも残る温かさ、命の繋がりを表す。
薄氷	うすごおり	usugōri	Thin Ice	冬の終わりに張る薄い氷。寒さの中にも、やがて来る春の気配を感じさせる繊細な美しさがある。
氷柱	つらら	tsurara	Icicle	軒先などから水が滴りながら凍ってできる氷の柱。冬の寒さの厳しさを象徴する景物。
寒月	かんげつ	kangetsu	Winter Moon	冬の夜空に冴え冴えと輝く月。空気が澄んでいるため、ことさらに美しく見える。
雪晴	ゆきばれ	yukibare	Clear Weather After Snow	雪が降った後に空が晴れ渡ること。雪の白さと空の青の対比が美しい。
細雪	ささめゆき	sasameyuki	Light Snowfall	細やかに降る雪。谷崎潤一郎の小説名としても有名。はかなく美しい冬の情景。
松の雪	まつのゆき	matsu no yuki	Snow on Pine	常緑の松の葉に雪が積もった景色。色の対比が美しく、吉祥の象徴である松と雪が組み合わさっておめでたい。
霜柱	しもばしら	shimobashira	Frost Columns	地中の水分が凍って、土を押し上げながら柱状に伸びたもの。冬の朝に見られる厳しい冷え込みの象徴。
水仙	すいせん	suisen	Narcissus	冬の寒さの中で清らかな香りと共に咲く花。別名「雪中花」とも。凛とした姿が新年の空気に合う。
福寿草	ふくじゅそう	fukujusō	Amur Adonis	旧暦の正月に咲き始めることから「元日草」とも呼ばれる縁起の良い花。「福寿」と重なる。
寒椿	かんつばき	kantsubaki	Winter Camellia	冬に花を咲かせる椿。花の少ない時期に彩りを添える、健気で力強い存在。
寒牡丹	かんぼたん	kanbotan	Winter Peony	藁の霜囲いの中で、冬に咲くよう手入れされた牡丹。雪の中、凛と咲く姿は格別の風情がある。
鴛鴦	おしどり	oshidori	Mandarin Duck	冬鳥であり、いつも雌雄が寄り添っている姿から夫婦仲の象徴とされる。美しい羽の色も特徴。
都鳥	みやこどり	miyakodori	Black-headed Gull (lit. Capital Bird)	冬に日本へ渡ってくるユリカモメのこと。在原業平が伊勢物語で詠んだことで有名。
銀世界	ぎんせかい	ginsekai	Silver World	一面に雪が積もって、あたりが銀色に輝いて見える景色のこと。
風花	かざはな	kazahana	Snow Flurry in a Clear Sky	晴れた日に、風に舞ってちらちらと降る雪。はかなく美しい冬の風物詩。
霧氷	むひょう	muhyō	Rime Ice / Air Hoar	霧や水蒸気が樹木などに凍りついて白く見える現象。樹氷もこれに含まれる。幻想的な冬の景色。
冴ゆる	さゆる	saeru	Piercingly Clear and Cold	冬の寒さで、空気や光、音などが澄みきって感じられる様子。研ぎ澄まされた感覚を表す。
松風	まつかぜ	matsukaze	Wind in the Pines	松の梢を吹き渡る風の音。寂びた風情がありながらも、常盤の松の力強さも感じさせる。能の演目にもある。
君が代	きみがよ	kimigayo	His Majesty's Reign	日本の国歌。君主の治世が千代に八千代に続くようにとの願いが込められており、究極のおめでたい銘。
大黒	だいこく	daikoku	Daikoku	七福神の一柱で、財宝、福徳開運の神。打ち出の小槌を持ち、米俵に乗る姿が知られる。
栄	さかえ	sakae	Prosperity / Glory	繁栄すること。シンプルで力強く、新しい年の発展を願う銘。
初夢	はつゆめ	hatsuyume	First Dream of the Year	新年になって最初に見る夢。「一富士、二鷹、三茄子」が縁起が良いとされる。
有明	ありあけ	ariake	Dawn Moon	夜が明けてもまだ空に残っている月。冬の澄んだ空には、特に趣がある。
三友	さんゆう	sanyū	Three Friends	「歳寒三友」（松竹梅）を指す。新年にふさわしい吉祥の言葉。
不老	ふろう	furō	Immortality / Eternal Youth	老いないこと。長寿を願う言葉として、蓬莱などと共に使われる。
慶雲	けいうん	keiun	Celebratory Cloud	瑞雲と同じく、めでたいことの兆しとされる雲。日本の元号にも使われたことがある。
太平	たいへい	taihei	Great Peace	世の中がよく治まり穏やかなこと。新年の平和を願う。
豊年	ほうねん	hōnen	Bountiful Year	穀物が豊かに実ること。その年の豊作を祈願する言葉。
鶴齢	かくれい	kakurei	Crane's Age	鶴の寿命のように長い年月。長寿を祝う言葉。亀齢（きれい）と対で使われる。
寒梅	かんばい	kanbai	Winter Plum	他の花に先駆けて、冬の寒い時期に咲く梅。その気高さや清香が尊ばれる。
寒菊	かんぎく	kangiku	Winter Chrysanthemum	初冬から真冬にかけて咲く菊。冬の庭を彩る貴重な花。
枯野	かれの	kareno	Withered Field	草木が枯れた冬の野原。寂しい景色だが、生命が内に籠る力強さや、春を待つ姿と捉える。
玉椿	たまつばき	tamatsubaki	Jewel Camellia	美しい椿を「玉」にたとえた言葉。冬に咲く椿への美称。
常盤	ときわ	tokiwa	Evergreen	常緑樹のように、常に変わらないこと。松などが代表例。不変や長寿を意味する吉祥語。
日の出	ひので	hinode	Sunrise	特に元旦の日の出「初日の出」を指す。一年の始まりを告げる神聖な光景。
福笑	ふくわらい	fukuwarai	Lucky Laugh Game	正月の遊びの一つ。目隠しをして、顔の輪郭が描かれた紙に、眉・目・鼻・口のパーツを並べる。
静寂	せいじゃく	seijaku	Silence/Tranquility	静まりかえっていること。雪が音を吸収し、静まり返った冬の夜や朝の情景。
暁	あかつき	akatsuki	Dawn/Daybreak	夜が明け始める頃の、まだ暗さが残る時間帯。元旦の、初日を待つ神聖な時間を指す。
延年	えんねん	ennen	Longevity (lit. Extend Years)	長生き。また、寺院の法会の後に行われた長寿を祝う芸能「延年の舞」にも由来する。
吉兆	きっちょう	kitchō	Good Omen	良いことが起こる前触れ。新年が良い年になることへの願いを込める。
祥雲	しょううん	shōun	Auspicious Cloud	瑞雲と同じ。めでたい雲。良いことの兆し。
綵鳳	さいほう	saihou	Colorful Phoenix	五色の羽を持つ伝説の鳥、鳳凰のこと。めでたい時に現れるとされ、最高の吉祥を示す。
朝雪	あさゆき	asayuki	Morning Snow	朝に降る雪、または朝に積もっている雪。清浄で新たな始まりを感じさせる景色。
寒光	かんこう	kankō	Winter Light	冬の寒々とした光。または、冬の澄んだ空気の中で、星や月が放つ冴えた光。
霜夜	しもよ	shimoyo	Frosty Night	霜が降りる寒い夜。静寂と厳しい冷たさが感じられる。
真如	しんにょ	shinnyo	Thusness / Suchness (Tathātā)	仏教用語で、ありのままの真実の姿、万物の本体のこと。新年に心を新たにする意味合いで。
無事	ぶじ	buji	Nothing / No Incident	禅語。「無事是貴人」から。求めず、飾らず、あるがままでいることが尊いという教え。一年間の平穏無事を願う。
妙	たえ	tae	Exquisite / Wondrous	言葉では言い尽くせないほど優れていること。新年の清らかさや、自然の造形の美しさを讃える。
春待	はるまち	harumachi	Waiting for Spring	まだ寒さは厳しいが、心は春の訪れを待ち望んでいる様子。
魁	さきがけ	sakigake	Forerunner / Pioneer	他に先駆けて物事を行うこと。冬の寒さの中、他の花に先駆けて咲く梅などを指す。
萬歳	ばんぜい	banzei	Banzai (Ten Thousand Years)	長寿や喜びを祝う言葉。めでたさをストレートに表現する。
蓬莱島	ほうらいじま	hōraijima	Hōrai Island	蓬莱と同じく、仙人が住むとされる理想郷の島。
長楽	ちょうらく	chōraku	Everlasting Joy	長く続く楽しみ。新年が喜びの多い年になるようにとの願い。
福海	ふくかい	fukukai	Sea of Fortune	「福聚海無量」から。福が集まることは、海の如く無限であるということ。広大なおめでたさを表す。
好日	こうじつ	kōjitsu	A Good Day	禅語「日々是好日」から。毎日が良い日であるという意味。新年を迎え、毎日を大切に生きるという心構え。
龍門	りゅうもん	ryūmon	Dragon Gate	黄河上流の急流「龍門」を登りきった鯉は龍になるという中国の伝説から。立身出世の関門を意味する。その年の干支が辰（龍）の時や、立身出世を願う席で。
昇龍	しょうりゅう	shōryū	Ascending Dragon	天に昇る龍。勢いが盛んで、運気が上昇していく様を表す。干支が辰の年の新年に特にふさわしい。
佳日	かじつ	kajitsu	Fine Day; Auspicious Day	天気が良い日。また、めでたい日。元旦や祝賀の茶会に。
氷上	ひょうじょう	hyōjō	On the Ice	凍った湖や池の上。冬の遊びや、静かで張り詰めた冬景色を連想させる。
瑞雪	ずいせつ	zuisetsu	Auspicious Snow	五穀豊穣の兆しとされる、元日や立春の日に降る雪。
玉兎	ぎょくと	gyokuto	Jade Rabbit	月の兎のこと。月が冴える冬の夜空から。干支が卯の年の新年に特に向くが、月に関連する銘として通年使える。
立春	りっしゅん	risshun	Beginning of Spring (Risshun)	二十四節気の一つで、春の始まり（2月4日頃）。暦の上では春となるため、1月下旬の茶会では春を待ち望む心で使われる。
迎春	げいしゅん	geishun	Welcoming Spring	新年を迎えること。年賀状などで使われる定型句。春という字が入るが、正月そのものを指す言葉。
若水	わかみず	wakamizu	First Water of the Year	元日の朝、その年初めて汲む水。邪気を除き、若返りの水とされる。茶の湯では初釜でこの水を使う。
蓬莱	ほうらい	hōrai	Hōrai (a mythical paradise)	古代中国の伝説にある仙人の住む不老不死の地、蓬莱山のこと。正月の飾り物にも使われるおめでたい言葉。
松竹梅	しょうちくばい	shōchikubai	Pine, Bamboo, and Plum	歳寒三友（さいかんのさんゆう）と呼ばれ、冬の寒さに耐えることからめでたいものの象徴とされる。
独楽	こま	koma	Spinning Top	正月の伝統的な遊び道具。「金が回る」「仕事が回る」など縁起の良い言葉に繋がり、おめでたい銘として使われる。
恵比寿	えびす	ebisu	Ebisu	七福神の一柱で、漁業と商売繁盛の神。にこやかな表情から「笑う門には福来る」に通ずる。
光琳	こうりん	kōrin	Kōrin	江戸時代の画家、尾形光琳のこと。紅白梅図屏風など、華やかでおめでたい画題を多く描いたことから。
初霜	はつしも	hatsushimo	First Frost (Late autumn kigo, but can represent the deep cold of Jan)	その冬初めて降りる霜。冬の訪れを告げる。12月の方がより適しているが、寒さの象徴として1月も可。
2月 February
立春	りっしゅん	risshun	Beginning of spring solar term	二十四節気の一つ。茶杓後銘としても古例多数。
雨水	うすい	usui	Rain-water solar term	二十四節気で雪が雨に変わる頃。
梅	うめ	ume	Plum blossoms	如月の代表花として古来愛好。
紅梅	こうばい	kōbai	Red plum	赤花の梅。春告げを象徴。
曙梅	あけぼのばい	akebonobai	Dawn plum	“曙色”の薄紅色の梅。
臥竜梅	がりゅうばい	garyūbai	Reclining-dragon plum	枝振りが龍の臥姿に似る名木。
探梅	たんばい	tanbai	Searching for plum blossoms	春を探し梅を訪ねる趣向。
鶯	うぐいす	uguisu	Japanese bush-warbler	“春告鳥”として梅に寄る鳥。
春告鳥	はるつげどり	harutsugedori	Spring-announcing bird	鶯の異名。
初音	はつね	hatsune	First song of bush-warbler	年明け後初めて聞く鶯の声。
香雪	こうせつ	kōsetsu	Fragrant snow (plum petals)	梅の花を雪にたとえた語。
飛梅	とびうめ	tobiume	Flying plum	菅原道真伝説より太宰府天満宮の梅。
白梅	はくばい	hakubai	White plum blossoms	純白の梅花。
寒香	かんこう	kankō	Chilly fragrance (of plum)	寒中に漂う梅の香。
香り梅	かおりうめ	kaoriume	Fragrant plum	特に香気高い品種を指す。
香梅	こうばい	kōbai2	Scented plum	“紅梅”と同字だが読みを変え区別。
観梅	かんばい	kanbai2	Plum-viewing	梅見の催し。
梅一輪	うめいちりん	umeichirin	Single plum blossom	早春まず一輪咲く風情。
梅匂	うめにおう	umeniou	Plum’s scent	“匂宮”の逸話にちなむ雅称。
見ぬ梅	みぬうめ	minuume	Unseen plum	“尋梅”で未だ見付けない梅を言う。
梅日和	うめびより	umebiyori	Perfect day for plum blossoms	観梅に最適の日和。
梅見月	うめみづき	umemizuki	“Plum-viewing month” (archaic)	如月の異称。
如月	きさらぎ	kisaragi	Traditional name of February	衣更着の語源説あり。
初午	はつうま	hatsuuma	First “horse day” festival	稲荷詣での縁日（2月初午）。
稲荷詣	いなりもうで	inarimōde	Inari shrine pilgrimage	初午行事として伏見稲荷など。
初午餅	はつうまもち	hatsuuma-mochi	Rice cakes offered on Hatsu-uma	稲荷神へ供える赤飯餅。
祈年祭	きねんさい	kinensai	Imperial “Harvest-prayer” rite	2月17日宮中祭祀。
雨水雛	うすいびな	usuibina	Dolls displayed at Usui solar term	雨水の日に雛を飾る習わし。
雛菓子	ひながし	hinagashi	Sweets for Hina dolls	桃の節句前に作る菓子。
雛道具	ひなどうぐ	hinadōgu	Miniature furnishings for Hina display	立春過ぎから飾り始める。
鶯餅	うぐいすもち	uguisumochi	Green-soybean mochi	“鶯色”の餅菓子。立春頃の茶菓。
煎り大豆	いりだいず	iridaizu	Roasted soybeans (Setsubun)	節分の豆撒きに用いる。
鬼打豆	おにうちまめ	oniuchimame	“Demon-beating beans”	節分の別称。
節分	せつぶん	setsubun	Day before Risshun	“季節を分ける”の意。追儺行事。
追儺	ついな	tsuina	Heian court demon-chasing rite	“鬼遣らい”行事の古称。
鬼やらい	おにやらい	oni-yarai	Expelling demons	追儺の民間語。
福は内	ふくはうち	fuku-wa-uchi	“Fortune in!” chant at Setsubun	豆撒きの掛声。
鬼は外	おにはそと	oni-wa-soto	“Devils out!” Setsubun chant	福は内と対を成す掛声。
恵方巻	えほうまき	ehōmaki	Sushi roll eaten facing lucky direction	立春前日の商家風習から普及。
立春大吉	りっしゅんだいきち	risshun-daikichi	“Great fortune at Risshun” talisman	禅寺で配る門札。
春一番	はるいちばん	haruichiban	First strong south wind of year	立春後最初の強風。
余寒	よかん	yokan	Lingering cold after Risshun	寒さが残る頃。
残寒	ざんかん	zankan	Remaining winter chill	余寒と同義。
春寒	しゅんかん	shunkan	Early-spring chill	“寒の戻り”を指す。
浅緋	あさあけ	asaake	Pale scarlet (plum bud colour)	梅の蕾の色名。
蕗の薹	ふきのとう	fukinotō	Butter-bur sprout	早春の山菜。
猫柳	ねこやなぎ	nekoyanagi	Pussy-willow	“猫の尾”に似る銀毛の芽。
雪割草	ゆきわりそう	yukiwari-sō	Snow-breaking flower	積雪を割って咲く花。
雪解	ゆきげ	yukige	Snow-melt	積雪が解ける頃。
光の春	ひかりのはる	hikari-no-haru	“Spring of light”	陽光の変化で春を感じる意。
東風	こち	kochi	East spring wind	春を呼ぶ風として万葉以来。
風光る	かぜひかる	kazehikaru	Wind shining (glittering air)	春の陽に風がきらめくさま。
霞	かすみ	kasumi	Haze	“春霞”とも。遠景をぼかす霞。
早霞	そうかすみ	sōkasumi	Early haze	春先早く現れる霞。
淡霞	あわがすみ	awagasumi	Pale haze	色薄い春霞。
春霞	はるがすみ	harugasumi	Spring haze	代表的な早春景。
薄氷	うすらい	usurai2	Thin ice	解け始める薄い氷。
余花	よか	yoka	Plum “left-over flowers”	梅の咲き残り。
着水雲	ちゃくすいうん	chakusui-un	Cloud touching water (mist)	早春の川霧。
春隣	はるとなり	harutonari	“Spring next door”	春が近いという心情。
雪間草	ゆきまぐさ	yukimagusa	Plants peeping through snow	雪間から芽吹く草。
草萌	くさもえ	kusamoe	First sprouting grass	地表に萌え出ずる草。
芽吹	めぶき	mebuki	Budding	木々が芽を吹き始める。
早蕨	さわらび	sawarabi	Early bracken fiddleheads	山野に出る若蕨。
蕨餅	わらびもち	warabimochi	Bracken-starch jelly	“雛茶”菓子として用例あり。
柳の芽	やなぎのめ	yanaginome	Willow buds	柳が黄緑に芽吹く頃。
水温む	みずぬるむ	mizunurumu	Water becomes lukewarm	川や池の水温上昇。
余光	よこう	yokō	Lingering winter sunlight	冬の名残りの薄い光。
春待月	はるまちづき	harumachizuki	“Month waiting for spring”	如月の別称。
紅梅香	こうばいこう	kōbaikō	Scent of red plum	“臘梅香”とも表記。
月待	つきまち	tsukimachi	Waiting for the moon	寒月を待つ茶席趣向。
寒月	かんげつ	kangetsu	Cold moon	澄んだ冬の終わりの月。
朧月	おぼろづき	oborozuki	Hazy moon	“霞月”として早春の月。
望春	ぼうしゅん	bōshun	Anticipating spring	春を待望する意。
向春	こうしゅん	kōshun	Toward spring	春へ向かう頃の季語。
東雲	しののめ	shinonome	Dawn glow	“春暁”の古語。
早春賦	そうしゅんふ	sōshunfu	“Early-spring air” (song title)	吉丸一昌作詞の唱歌から転用。
冴返る	さえかえる	saekaeru	Cold snaps back	“余寒”と同意。
春待鳥	はるまちどり	harumachidori	“Bird waiting for spring”	まだ声を出さぬ鶯を指す。
木の芽風	このめかぜ	konomekaze	Wind over budding trees	新芽を揺らす柔らかい風。
早桃	さもも	samomo	Early peach buds	桃の節句前にほころぶ蕾。
上巳	じょうし	jōshi	Third day of third month (Hina)	旧暦では春二月の行事。
桃花水	とうかすい	tōkasui	Water tinted by peach blossoms	桃の花びら浮かぶ酒水。
畦焼	あぜやき	azeyaki	Burning field ridges	春の農事の火入れ。
鶯宿梅	おうしゅくばい	ōshukubai	“Bush-warbler resting plum”	御所伝来の名梅。
早梅	そうばい	sōbai2	Early-blooming plum	正月後すぐ咲く種。
青柳	あおやぎ	aoyagi	Young green willow	“青柳の糸”と称される細枝。
小糠雨	こぬかあめ	konuka-ame	Fine drizzling rain	“春霧雨”とも。
甘酒	あまざけ	amazake	Sweet fermented rice drink	寒の仕込み甘酒を茶菓子に供す。
寒紅	かんべに	kanbeni	Cold-season rouge	紅花染めを寒中に練る紅。
雪中梅	せっちゅうばい	setchūbai	Plum in snow	雪をかぶった梅。
春光	しゅんこう	shunkō	Spring light	柔らかな早春の日差し。
春昼	しゅんちゅう	shunchū	Spring daytime	穏やかな昼の景。
春浅し	はるあさし	haruasashi	“Spring still shallow”	まだ寒さ残る早春。
芳春	ほうしゅん	hōshun	Fragrant spring	“芳しい春”の意。
麗らか	うららか	uraraka	Bright and calm (spring sky)	安らかな陽気。
桃始笑	ももはじめてさく	momo-hajimete-saku	“Peach first smiles” (72 micro-season)	七十二候・啓蟄次候。
霞始靆	かすみはじめてたなびく	kasumi-hajimete-tanabiku	“Haze starts to drift” (72候)	立春次候。
魚上氷	うおこおりをいずる	uo-kōri-wo-izuru	“Fish rise up through ice” (72候)	雨水初候。
梅花雪	ばいかのゆき	baika-no-yuki	Plum-petal snow	梅花を雪に見立てる比喩。
雪柳	ゆきやなぎ	yukiyanagi	Spiraea with white blossoms	柳状の枝に白花。
早桜	そうおう	sōō	Early cherry	“寒桜”とも。2月に咲く桜。
寒桜	かんざくら	kanzakura	Winter cherry	冬に咲く系統の桜。
河津桜	かわづざくら	kawaduzakura	Kawazu early cherry	静岡県河津町原産の早咲き桜。
香雪蘭	こうせつらん	kōsetsuran	Freesia	“石蒜”科の早春花。
風仄	かぜほのか	kazehonoka	Faint spring breeze	かすかな春風。
白魚	しらうお	shirauo	Icefish	早春に旬を迎える小魚。
若布	わかめ	wakame	New wakame seaweed	新物が出回る頃。
磯開	いそびらき	isobiraki	Opening of shore for harvesting	若布・海苔漁開始。
初鮎	はつあゆ	hatsuayu	First ayu sweetfish (in tank)	禁漁解禁に合わせて出荷。
寒鰆	かんさわら	kansawara	Winter Spanish mackerel	脂が乗る寒の鰆。
雪洞	ぼんぼり	bonbori	Paper lamps for Hina dolls	雛壇を照らす小灯籠。
雛灯	ひなび	hinabi	Doll-festival lights	雪洞の古称。
桃符	とうふ	tōfu	Peach-wood talisman	上巳に邪気除けとして門に掛ける。
桃花香	とうかこう	tōkakō	Incense of peach blossoms	上巳の宴に焚くとされた香。
長閑	のどか	nodoka	Tranquil early-spring day	“長閑やか”の語源。
雪崩梅	なだればい	nadarebai	Plum avalanche (mass bloom)	一斉に咲く梅を雪崩に喩え。
雫石	しずくいし	shizukuishi	Dripping water stone	雪解けの滴が穿つ石。
氷解	ひょうかい	hyōkai	Ice breakup	“結氷が解ける”景。
解氷	かいひょう	kaihyō	Ice thaw	“氷解”同義。春の川面。
雪消	ゆきげし	yukigeshi	Disappearance of snow	雪が消えて土が現れる。
芽柳	めやなぎ	meyanagi	Sprouting willow	“柳の芽”同義。
春泥	しゅんでい	shundei	Spring mud	雪解け後のぬかるみ。
初雷	はつらい	hatsurai	First thunder of the year	春先の遠雷。
余雪	よせつ	yosetsu	Remaining snow patches	所々に残る雪。
雪解風	ゆきげかぜ	yukigekaze	Wind that melts snow	暖かい南風。
薄紅	うすくれない	usukurenai	Light crimson (plum petal hue)	淡い紅色。
桃色	ももいろ	momoiro	Peach pink	“桃の花の色”を示す。
香春	かはる	kawaru	Fragrant spring	花の香に包まれる春。
柳青めく	やなぎあおめく	yanagiaomeku	Willows turning green	柳の芽が色づく様。
初雲雀	はつひばり	hatsuhibari	First skylark song	春を告げる雲雀の声。
雲雀上がる	ひばりあがる	hibariagaru	Skylark ascending	高く舞い上がり囀る姿。
陽炎	かげろう	kagerō	Heat shimmer	“春の陽炎”地表にゆらぐ気流。
早燕	さつばめ	satsubame	Early-returning swallow	三月より前に来る燕。
余暖	よだん	yodan	Left-over warmth	日差しの暖かさが残る頃。
立春	りっしゅん	risshun	First Day of Spring	二十四節気の一つ。暦の上で春が始まる日で、節分の翌日（2月4日頃）。寒さの中にも春の気配が感じられる。
節分	せつぶん	setsubun	Setsubun (Seasonal Division)	立春の前日。豆をまいて鬼を払い、福を招く行事が行われる。春を迎えるための重要な節目。
梅	うめ	ume	Plum Blossom	早春、百花に先駆けて咲く花。高潔な香りと姿が尊ばれる。春の訪れを告げる代表的な花。
鶯	うぐいす	uguisu	Japanese Bush Warbler	春を告げる鳥。梅の木に鶯がとまる「梅に鶯」は、春の美しい取り合わせとして好まれる。
福は内	ふくはうち	fuku wa uchi	Fortune In!	節分の豆まきの際の掛け声。福を家の中に招き入れる願いを込める。
鬼は外	おにはそと	oni wa soto	Demons Out!	節分の豆まきの際の掛け声。災いや邪気を鬼に見立てて、家の外へ追い払う。
立春大吉	りっしゅんだいきち	risshun daikichi	Great Luck on the First Day of Spring	立春の日に、禅寺などで門に貼られるお札の言葉。一年間の厄除けを願う。
残雪	ざんせつ	zansetsu	Lingering Snow	春が近づいても、まだ消えずに残っている雪。冬の名残と春の兆しの両方を感じさせる。
好文木	こうぶんぼく	kōbunboku	Tree that Favors Literature	梅の木の異名。晋の武帝が学問に親しむと梅が咲き、怠ると咲かなかったという故事から。
氷解	ひょうかい	hyōkai	Ice Melts	春の兆しで、川や湖の氷が解け始めること。春が訪れたことを実感させる。
探梅	たんばい	tanbai	Searching for Plum Blossoms	まだ寒い中、咲き始めた梅の花を探して野山を訪ねる風流な遊び。
春立つ	はるたつ	haru tatsu	Spring Begins	立春のこと。暦の上で春が始まることを詩的に表現した言葉。
猫柳	ねこやなぎ	nekoyanagi	Pussy Willow	早春、他の木々に先駆けて、銀色のふわふわした花穂をつける。その質感が猫の毛に似ていることから。
豆	まめ	mame	Bean	節分にまく大豆。魔を滅する「魔滅（まめ）」に通じ、健康・達者である「まめ」にも通じる縁起物。
余寒	よかん	yokan	Lingering Cold	立春を過ぎてもなお残る寒さのこと。「寒の戻り」。
枡	ます	masu	Measuring Box	節分の豆まきで、豆を入れる器として使われる四角い木製の升。"
追儺	ついな	tsuina	Demon-Quelling Ceremony	大晦日や節分に行われる、鬼を追い払う儀式。宮中行事が起源。豆まきの元になった。
如月	きさらぎ	kisaragi	Kisaragi (Poetic month name)	旧暦2月のこと。寒さが厳しく、衣をさらに着る「衣更着」が語源とされる。
寒明	かんあけ	kan'ake	End of the Cold Season	寒の期間が終わること。立春と同じ日を指す。厳しい寒さが終わった安堵感。
柊鰯	ひいらぎいわし	hīragi iwashi	Holly and Sardine	節分に、魔除けとして玄関に飾る。鬼は柊の棘と鰯の臭いが嫌いという言い伝えから。
下萌	したもえ	shitahoe	Green Shoots Below	枯草の下から、春の新しい草が萌え出ている様。見えないところで育つ生命力。
飛梅	とびうめ	tobiume	The Flying Plum	菅原道真を慕って、京から太宰府まで一夜で飛んでいったという伝説の梅の木。太宰府天満宮の神木。
雪間	ゆきま	yukima	Rift in the Snow	積もった雪が解けて、地面が見えている部分。春の兆しを感じさせる景色。
水温む	みずぬるむ	mizu nurumu	The Water Warms	春になり、水が冷たさを失い、ぬるんでくること。季節の微細な変化。
春告草	はるつげぐさ	harutsugesō	Spring-Heralding Plant	春の到来を告げる花、特に梅の別名。
鬼	おに	oni	Demon / Ogre	節分で追い払われる、邪気や災いの象徴。
福	ふく	fuku	Good Fortune	節分で招き入れられる、幸運や幸福。
年男	としおとこ	toshiotoko	Man of the Year	その年の干支と同じ干支を持つ男性。節分で豆をまく役を担うことが多い。
魁	さきがけ	sakigake	Forerunner / Pioneer	他の花に先駆けて咲くこと。梅の花が百花に先駆けて咲く様を指す。
解氷	かいひょう	kaihyō	Thawing Ice	氷が解けること。氷解と同じ。春の気配。
献灯	けんとう	kentō	Offering a Light	神仏に灯明を捧げること。奈良の春日大社などでは2月の節分に万灯籠が行われる。
早梅	そうばい	sōbai	Early Plum	他の梅よりも早く、まだ寒い時期に咲き始める梅。
寒梅	かんばい	kanbai	Winter Plum	寒い季節に咲く梅。厳しい環境に耐えて咲く姿に、強い精神性を見る。
紅梅	こうばい	kōbai	Red Plum Blossom	紅色の花を咲かせる梅。白梅との対比が美しい。
白梅	はくばい	hakubai	White Plum Blossom	白い花を咲かせる梅。清らかさや高潔さの象徴。
鶯宿梅	おうしゅくばい	ōshukubai	Warbler's Lodging Plum	村上天皇の時代、清涼殿の前にあった梅に鶯が巣を作ったという故事。梅と鶯の密接な関係を示す。
建国記念日	けんこくきねんび	kenkoku kinenbi	National Foundation Day	2月11日。日本の建国を祝う国民の祝日。
針供養	はりくよう	harikuyō	Memorial for Needles	折れたり古くなったりした縫い針を、豆腐やこんにゃくに刺して供養し、裁縫の上達を願う行事。2月8日に行われることが多い。
雪折	ゆきおれ	yukiore	Broken by Snow	積もった雪の重みで、木の枝などが折れること。冬の厳しさを物語る。
報春	ほうしゅん	hōshun	Heralding Spring	春の訪れを知らせること。梅の花など、春を告げるもの全般を指す。
春の兆し	はるのきざし	haru no kizashi	Signs of Spring	春が近づいていることを感じさせる、わずかな変化。雪解けや草の芽など。
笑門来福	しょうもんらいふく	shōmon raifuku	Fortune Comes to a Laughing Gate	笑いの絶えない家には、自然と幸福がやってくるという意味。節分で福を招く心に通じる。
淡雪	あわゆき	awayuki	Light Snow	春先に降る、すぐに消えてしまうような淡い雪。春の雪。
氷の鏡	こおりのかがみ	kōri no kagami	Mirror of Ice	凍った水面が鏡のように見える様。冬の澄んだ景色。
薄氷	うすごおり	usugōri	Thin Ice	春先に、薄く張った氷。割れやすく、はかない美しさがある。
雪解	ゆきげ	yukige	Snow Thaw	春の暖かさで雪が解け始めること。「雪解け水」は春の季語。
御水取り	おみずとり	omizutori	Water-Drawing Ceremony	奈良東大寺二月堂の修二会。3月に行われるが、準備は2月から始まるため、この時期の銘とされることもある。
祈年祭	きねんさい	kinensai	Prayer for a Bountiful Year	2月17日に宮中や全国の神社で行われる、その年の五穀豊穣を祈る祭り。
雪割草	ゆきわりそう	yukiwarisō	Hepatica / Snow-breaking Plant	雪を割るようにして咲く、早春の花。小さく可憐だが、力強い生命力を持つ。
春の雪	はるのゆき	haru no yuki	Spring Snow	立春以降に降る雪。重く湿っており、すぐに解けることが多い。冬の雪とは趣が異なる。
梅暦	うめごよみ	umegoyomi	Plum Calendar	梅の開花で春の訪れを知ること。梅の開花予想。
木芽	きのめ	kinome	Tree Buds	冬の間に固く閉じていた木々の芽が、春の気配を感じて膨らみ始める様。
梅月	ばいげつ	baigetsu	Plum Moon	梅の花が咲く頃の月。または、旧暦二月の異名。
早春	そうしゅん	sōshun	Early Spring	春の初めの頃。まだ寒さが残るが、日差しなどに春の気配が感じられる時期。
春寒	しゅんかん	shunkan	Spring Cold	春になったにもかかわらず、まだ寒さが感じられること。余寒。
国見	くにみ	kunimi	Land Viewing	天皇が高い場所から国土を望み、豊穣を祈る古代の儀式。建国記念日にちなむ。
未開紅	みかいこう	mikaikō	Unopened Crimson	まだ開いていない梅の赤い蕾。これから開く期待感を込める。
雪中花	せっちゅうか	setchūka	Flower in the Snow	雪の中でも咲く、梅や福寿草などの花。逆境に負けない強さの象徴。
天満宮	てんまんぐう	tenmangū	Tenmangū Shrine	菅原道真を祀る神社。梅を愛した道真にちなみ、2月は梅花祭などが行われる。
一陽	いちよう	ichiyō	One Yang	「一陽来復」の略。冬が極まり、春（陽）の気が戻ってくること。
梅一輪	うめいちりん	ume ichirin	A Single Plum Blossom	広い庭や野の中に、たった一輪だけ咲いている梅の花。その一輪から春が始まるという感動。
野梅	やばい	yabai	Wild Plum	山野に自生する梅。栽培種とは異なる、素朴で力強い趣がある。
初花	はつはな	hatsuhana	First Flower	その年に初めて咲いた花。特に、梅の初花を指すことが多い。
寒雀	かんすずめ	kan suzume	Winter Sparrow	冬の雀。寒さで羽毛を膨らませて丸くなっている姿が愛らしい。
梅香	ばいか	baika	Plum Fragrance	梅の花の香り。甘く清らかな香りは、春の訪れを知らせる。
暁天	ぎょうてん	gyōten	Dawn Sky	夜明けの空。春の暁は、一日一日と明るくなるのが早くなる。
銀嶺	ぎんれい	ginrei	Silver Peak	雪を頂いた山の峰。朝日を浴びて銀色に輝く様。
恵方	えほう	ehō	Auspicious Direction	その年の福を司る歳徳神のいる方角。節分に恵方巻を食べる風習がある。
巻寿司	まきずし	makizushi	Rolled Sushi	節分に、恵方を向いて無言で食べると縁起が良いとされる太巻き寿司。「恵方巻」。
鬼打豆	おにうちまめ	oniuchimame	Demon-striking Beans	節分で鬼を追い払うために使われる豆のこと。
春待つ	はるまつ	haru matsu	Waiting for Spring	厳しい寒さの中、春の訪れを心待ちにすること。
東風解凍	はるかぜこおりをとく	harukaze kōri o toku	East Wind Melts the Ice	七十二候の一つ（立春の初候）。春風が川や湖の氷を解かし始める頃。
氷紋	ひょうもん	hyōmon	Ice Patterns	凍った水面にできる、様々な美しい模様。
日脚伸ぶ	ひあしのぶ	hiashi nobu	The Days Lengthen	冬至を過ぎて、日中の時間が少しずつ長くなっていくこと。春の訪れを感じさせる変化。
梅見	うめみ	umemi	Plum Blossom Viewing	梅の花を観賞すること。春の行楽の一つ。
春の息吹	はるのいぶき	haru no ibuki	Breath of Spring	春の生命力や気配そのもの。
黄鶯	こうおう	kōō	Golden Oriole / Yellow Warbler	鶯の美称。美しい鶯。
若水	わかみず	wakamizu	First Water of the Year	元日の朝に初めて汲む水。一年の邪気を払うと信じられる。立春を年の初めと捉え、銘として使う。
光の春	ひかりのはる	hikari no haru	Spring of Light	気温はまだ低いが、日差しだけは春らしくなってきた頃。
雪晴	ゆきばれ	yukibare	Clearing After Snow	雪がやんで、空が晴れ渡ること。雪景色が日に映えて美しい。
臘梅	ろうばい	rōbai	Wintersweet	1月から2月にかけて咲く、半透明で蝋細工のような黄色の花。強い甘い香りがする。
寒紅	かんべに	kanbeni	Winter Crimson	寒い季節に咲く、紅梅の紅色。
春は来ぬ	はるはきぬ	haru wa kinu	Spring Has Come	「春は来にけり」と同じ。春がやってきたという喜び。
春兆	しゅんちょう	shunchō	Omen of Spring	春の兆しのこと。漢語的な表現。
歳徳神	としとくじん	toshitokujin	God of the Year's Virtue	その年の福徳を司る神様。恵方におられるとされる。
不香花	ふこうげ	fukōge	Scentless Flower	涅槃会に供えられる花。釈迦の死を悼み、香りのない花を選ぶ。
愛	あい	ai	Love	バレンタインデーにちなむ。近年、茶道でも季節の言葉として使われることがある。
福寿草	ふくじゅそう	fukujusō	Adonis amurensis	早春、雪の間から顔を出す黄金色の花。「福」と「寿」という名がめでたい。元日草とも。
冴返る	さえかえる	saekaeru	Return of the Cold	春めいてきたところに、冬のような寒さがぶり返すこと。三寒四温の気候。
東風	こち	kochi	East Wind	春先に吹く東風。春の訪れを告げる風として、和歌に多く詠まれる。
涅槃会	ねはんえ	nehan'e	Nirvana Day Ceremony	釈迦の入滅した日（2月15日）に行われる法要。釈迦の最後の様子を描いた「涅槃図」が掲げられる。
3月 March
弥生	やよい	yayoi	Traditional name of the third lunar month	旧暦三月の異称。「草木弥生い茂る」に由来。
啓蟄	けいちつ	keichitsu	Insects awaken solar term	二十四節気。土中の虫が戸を開く頃。
春分	しゅんぶん	shunbun	Vernal equinox	昼夜等分となる節気。
春社	しゅんしゃ	shunsha	Rite for the earth-gods	“社日”とも。春分に近い戊の日の祭。
花見	はなみ	hanami	Cherry-blossom viewing	平安貴族の宴が起源。
観桜	かんおう	kanō	Viewing cherry blossoms	“観桜会”の語源。
夜桜	よざくら	yozakura	Nighttime cherry blossoms	提灯を灯し夜間鑑賞。
初桜	はつざくら	hatsuzakura	First cherry seen in the year	その年最初に開花した桜。
山桜	やまざくら	yamazakura	Wild mountain cherry	野生種の桜。吉野に多し。
桜花	おうか	ōka	Cherry flowers	漢語的雅称。
吉野山	よしのやま	yoshinoyama	Mount Yoshino famed for blossoms	吉野の万本桜。
吉野	よしの	yoshino	Yoshino district itself	桜の名所の代名詞。
染井吉野	そめいよしの	someiyoshino	Somei-yoshino cultivar	江戸末期に生まれた園芸種。
花吹雪	はなふぶき	hanafubuki	Blossom blizzard	散る花びらが吹雪の如し。
花筏	はないかだ	hanaikada	Blossom rafts	川面を流れる花びら。
花嵐	はなあらし	hanaarashi	Blossom storm	強風で桜が散るさま。
花吹	はなふき	hanafuki	Petal gust	“吹桜”とも書く。
花曇	はなぐもり	hanagumori	Blossom haze	桜時季のうす曇り空。
花冷	はなびえ	hanabie	Chill in blossom season	開花期にぶり返す冷え込み。
花篝	はなかがり	hanakagari	Torch-lit blossoms	篝火で桜を照らす趣向。
花明り	はなあかり	hanaakari	Petal glow at dusk	花の白さで宵が明るい。
花時	はなどき	hanadoki	Blossom season	桜の盛りの頃。
花籠	はなかご	hanakago	Flower basket	花見に携える籠。
花屑	はなくず	hanakuzu	Petal fragments	“花屑掃く”などの俳句語。
花見酒	はなみざけ	hanamizake	Sake for blossom viewing	花宴で飲む酒。
花衣	はなごろも	hanagoromo	Blossom-patterned robe	桜吹雪を浴びた衣の譬え。
花道具	はなどうぐ	hanadōgu	Utensils for blossom season	花見点前で用いる道具。
花見舟	はなみぶね	hanamibune	Blossom-viewing boat	川岸の桜を舟から愛でる。
桜餅	さくらもち	sakuramochi	Cherry-leaf wrapped sweet	隅田川の長命寺餅に始まる。
桜湯	さくらゆ	sakurayu	Hot water with salted blossoms	婚礼や茶菓に供す。
桜蘂降	さくらしべふる	sakurashibe-furu	Stamens falling like rain	花後に蘂が降り敷く。
桜狩	さくらがり	sakuragari	Searching for best blossoms	名所を巡る桜狩り。
桜影	さくらかげ	sakurakage	Shadow of cherry blooms	月明かりに映る花影。
桜貝	さくらがい	sakuragai	Pink tellin shells	“桜色”の小貝。
桜鯛	さくらだい	sakuradai	Sea-bream caught in blossom season	桜色に婚姻色が付く鯛。
花の宴	はなのえん	hana-no-en	Florid banquet under blossoms	古今和歌集序詞。
雛祭	ひなまつり	hinamatsuri	Girls’ Doll Festival (3 Mar)	上巳の節句の現代名。
雛壇	ひなだん	hinadan	Multi-tier doll stand	雛人形を飾る段飾り。
桃の節句	もものせっく	momono-sekku	Peach Blossom Festival	雛祭の別称。
牡丹餅	ぼたもち	botamochi	Spring rice-cake with azuki	“春彼岸”に供える菓子。
彼岸	ひがん	higan	Equinox Buddhist week	春分を中心とした七日間。
彼岸桜	ひがんざくら	higanzakura	Equinox-blooming cherry	三月中旬に咲く小型種。
彼岸会	ひがんえ	higane	Equinox Buddhist ceremony	寺院で先祖供養を行う。
道明寺	どうみょうじ	dōmyōji	Dōmyō-ji style sakuramochi	大阪道明寺粉を使う牡丹餅。
山笑う	やまわらう	yamawarau	“Hills laugh” with fresh green	芽吹きで山肌が明るむ景。
駘蕩	たいとう	taitō	Mild and languid spring warmth	うららかでのどかな気候。
花霞	はながすみ	hanagasumi	Blossom haze	桜の遠景が霞むさま。
春嵐	はるあらし	haruarashi	Spring gale	早春に吹く強風。
春疾風	はるはやて	haruhayate	Sudden spring squall	突風を伴う春の早風。
春雨	はるさめ	harusame	Soft spring rain	糸のように細い長雨。
春宵	しゅんしょう	shunshō	Spring evening	穏やかな春の宵。
春眠	しゅんみん	shunmin	Spring slumber	“春眠暁を覚えず”由来。
春灯	しゅんとう	shuntō	Spring lamp	柔らかな灯の趣。
春水	しゅんすい	shunsui	Springtime water	雪解けで増す流水。
菜の花	なのはな	nanohana	Canola blossoms	黄色の油菜花。
油菜	あぶらな	aburana	Rapeseed	“菜の花”の別称。
菜種梅雨	なたねづゆ	natane-zuyu	Canola-rain drizzle	三月下旬の長雨。
黄蝶	きちょう	kichō	Yellow butterfly	菜の花の上を舞う蝶。
初蝶	はつちょう	hatsuchō	Season’s first butterfly	その年初めて見る蝶。
浅黄蝶	あさぎちょう	asagichō	Pale-yellow swallowtail	淡黄の早春蝶。
帰燕	きえん	kien	Swallows returning	越冬地から燕が帰る頃。
燕来る	つばめくる	tsubame-kuru	Swallows arrive	“帰燕”と同義だが口語形。
雲雀囀	ひばりさえずる	hibari-saezuru	Skylark warbling	高空で囀る雲雀。
踏青	とうせい	tōsei	Spring grass ramble (treading green)	若草を踏んで野遊び。
草若葉	くさわかば	kusawakaba	Fresh green grass leaves	萌え立つ草の新葉。
若草	わかくさ	wakakusa	Young grass	芽吹いたばかりの草。
椿	つばき	tsubaki	Camellia	春を代表する花木。
紅椿	べにつばき	benitsubaki	Red camellia	深紅の八重椿。
侘助	わびすけ	wabisuke	Wabisuke camellia cultivar	利休好みの小輪椿。
乙女椿	おとめつばき	otome-tsubaki	Otome camellia cultivar	淡桃色の千重咲。
沈丁花	じんちょうげ	jinchōge	Winter-daphne fragrance	“香りの春”を告げる花。
木瓜	ぼけ	boke	Flowering quince	朱紅の早春花。
花蘇芳	はなずおう	hanazuō	Eastern redbud blossom	紫紅色の豆科花。
馬酔木	あしび	ashibi	Andromeda shrub	“足痛木”とも書く早春白花。
梨花	りか	rika	Pear blossom	白い小花を盛り付ける。
春雷	しゅんらい	shunrai	First strong spring thunder	大気不安定の兆し。
淡雪	あわゆき	awayuki	Light melting snow	“沫雪”とも。春の淡い雪。
流し雛	ながしびな	nagashibina	Dolls floated on water	災厄を川に流す儀礼。
糸柳	いとやなぎ	itoyanagi	Slender-stem willow	“糸の如き細枝の柳”。
柳絮	りゅうじょ	ryujo	Willow fluff	“柳雪”とも。柳の綿毛。
修二会	しゅにえ	shunie	Tōdai-ji repentance rite	“お水取り”で知られる行事。
御水取	おみずとり	omizutori	Water-drawing rite	修二会中の聖水汲み。
籠松明	かごたいまつ	kagotaimatsu	Giant basket torches	修二会で焚く大松明。
菜虫化蝶	なむしちょうとなる	namushi-chō-to-naru	“Caterpillars turn to butterflies” micro-season	七十二候・啓蟄次候。
雀始巣	すずめはじめてすくう	suzume-hajimete-suku	“Sparrows start nesting” micro-season	七十二候・春分初候。
桜始開	さくらはじめてひらく	sakura-hajimete-hiraku	“Cherry begins to open” micro-season	七十二候・春分次候。
雷乃発声	かみなりすなわちこえをはっす	kaminari-sunawachi-koe-wo-hassu	“Thunder begins to sound” micro-season	七十二候・春分末候。
木の芽	きのめ	kinome	Tree buds	山菜としても賞味。
雪解川	ゆきげがわ	yukigegawa	Snow-melt stream	雪解け水の増す川。
初鰹	はつがつお	hatsugatsuo	Season’s first bonito	“目には青葉…初鰹”俳句で名高し。
桜鱒	さくらます	sakuramasu	Cherry salmon	遡上期に身が桜色。
桜海老	さくらえび	sakuraebi	Sakura shrimp	駿河湾特産の春漁。
菜花	なばな	nabana	Edible flower shoots	花芽を食する葉菜。
蒲公英	たんぽぽ	tanpopo	Dandelion	早春の黄色い花。
三椏	みつまた	mitsumata	Paperbush bloom	製紙原料・淡黄花。
卒業	そつぎょう	sotsugyō	Graduation	学び舎を巣立つ式典。
旅立	たびだち	tabidachi	Setting out on a journey	卒業や異動の旅立ち。
別れ雪	わかれゆき	wakareyuki	Parting snow	最後に降る名残雪。
名残雪	なごりゆき	nagoriyuki	Lingering snow	“別れ雪”同義。
春日影	はるひかげ	haruhikage	Spring sunlight	“日影”は日差しの古語。
浅蜊	あさり	asari	Short-neck clam	春に旬を迎える貝。
花時雨	はなしぐれ	hanashigure	Petal shower	“時雨”に似た散花。
若草山	わかくさやま	wakakusayama	Mount Wakakusa in Nara	山焼き後の若草が芽吹く山。
涅槃会	ねはんえ	nehan-e	Buddha’s Nirvana service (15 Feb lunar)	三月に営む寺も多い法会。
雪解水	ゆきげみず	yukigemizu	Snow-melt water	山から流れ下る雪融け水。
雛祭り	ひなまつり	hinamatsuri	Hina Doll Festival	3月3日に行われる女の子の節句。雛人形を飾り、桃の花や菱餅を供えて、健やかな成長を願う。上巳の節句。
桃	もも	momo	Peach	雛祭りで飾られる、春を代表する花。中国では邪気を払う仙木とされた。
東大寺	とうだいじ	tōdaiji	Tōdai-ji Temple	奈良にある華厳宗の大本山。3月1日から14日にかけて「お水取り（修二会）」が行われることで有名。
彼岸	ひがん	higan	Higan (Equinox Week)	春分の日を中日とする前後7日間。先祖の墓参りをし、仏道に精進する期間。寒さ暑さも彼岸まで。
引汐	ひきしお	hiki-shio	Ebbing Tide	潮が引いていくこと。3月は「潮干狩り」の季節であることから。
土筆	つくし	tsukushi	Horsetail Shoots	杉菜の胞子茎。春の野に、筆のような形をして顔を出す。春の味覚の一つ。
白酒	しろざけ	shirozake	White Sake	雛祭りで飲まれる、白く甘い酒。蒸したもち米にみりんや焼酎、麹を混ぜて熟成させる。
菱餅	ひしもち	hishimochi	Diamond-shaped Mochi	雛祭りに供える、赤（桃色）、白、緑の三色を菱形に重ねた餅。
内裏雛	だいりびな	dairibina	Imperial Couple Hina Dolls	雛人形の中心となる、男雛と女雛の一対。天皇と皇后を模している。
弥生	やよい	yayoi	Yayoi (Poetic month name)	旧暦3月のこと。木草弥生い茂る（きくさいやおいしげる）月が詰まったもの。
雛あられ	ひなあられ	hina-arare	Hina Doll Rice Crackers	雛祭りで食べる、色とりどりの小さなあられ。関東と関西では形や味が異なる。
若草	わかくさ	wakakusa	Young Grass	春になって芽生えたばかりの、柔らかい草。
貝合わせ	かいあわせ	kai-awase	Shell-Matching Game	平安時代の貴族の遊び。蛤の貝殻の内側に絵を描き、対になる貝を探す。雛道具の一つでもある。
お松明	おたいまつ	otaimatsu	Great Torch	東大寺二月堂のお水取りで、毎夜僧侶の道明かりとして灯される大きな松明。火の粉を浴びると無病息災という。
ぼた餅	ぼたもち	botamochi	Botamochi Rice Ball	春の彼岸に供える、もち米をあんこで包んだ和菓子。春に咲く牡丹にちなんで「牡丹餅」という。
春分	しゅんぶん	shunbun	Vernal Equinox	二十四節気の一つ。昼と夜の長さがほぼ同じになる日（3月20日頃）。この日を境に昼が長くなる。
桜	さくら	sakura	Cherry Blossom	日本を象徴する花。3月下旬から咲き始め、春の訪れを華やかに告げる。開花前や咲き始めの期待感を込めて。
朧	おぼろ	oboro	Hazy / Dim	春の夜、月や景色が霞んで柔らかく見える様。
卒業	そつぎょう	sotsugyō	Graduation	3月は学校の卒業式シーズン。別れと、新たな門出を象徴する言葉。
菜の花	なのはな	nanohana	Rapeseed Blossoms	早春、野原や土手を黄色く染めるアブラナ科の花。春らしいのどかな風景。
五人囃子	ごにんばやし	gonin-bayashi	Five Court Musicians	雛人形の一組で、能の囃子方を模した五体の人形。楽を奏でて内裏雛の結婚を祝う。
曲水	きょくすい	kyokusui	Winding Stream	庭園などに作られた、曲がりくねった小川。上巳の節句に、この流れに杯を浮かべて歌を詠む「曲水の宴」が行われた。
初桜	はつざくら	hatsuzakura	First Cherry Blossoms of the Season	その年初めて咲いた桜。春の喜びを感じさせる。
春暁	しゅんぎょう	shungyō	Spring Dawn	春の夜明け方。心地よい眠りのため、夜が明けたのに気づかない風情。
潮干狩り	しおひがり	shiohigari	Shell Gathering	潮が引いた海岸で、アサリやハマグリなどの貝を掘って採ること。春の行楽。
木の芽	このめ	konome	Tree Sprouts	山椒の若芽。独特の香りと鮮やかな緑が、春の到来を感じさせる。
三人官女	さんにんかんじょ	sannin-kanjo	Three Court Ladies	内裏雛に仕える三人の女官の雛人形。中央の官女は眉を剃りお歯黒をつけている。
流し雛	ながしびな	nagashi-bina	Floating Hina Dolls	人の形をしたもので体の穢れを祓い、川に流した古代中国の風習が起源。雛祭りの原型。
雪柳	ゆきやなぎ	yukiyanagi	Thunberg's Meadowsweet	春、柳の枝のようにしなやかな枝に、雪が積もったように白い小花をたくさん咲かせる。
春光	しゅんこう	shunkō	Spring Light	春ののどかで明るい日差し。
遠山	とおやま	tōyama	Distant Mountains	春霞によって、遠くの山がぼんやりと見える様。
蜆	しじみ	shijimi	Freshwater Clam	春に旬を迎える貝。
胡蝶	こちょう	kochō	Butterfly	蝶の雅な呼び方。春の野を舞う姿は、のどかな春の象徴。
すみれ	すみれ	sumire	Violet	春の野に咲く、紫色の可憐な花。
佐保姫	さほひめ	sahohime	Goddess of Spring	春を司る女神。春霞や花の美しさは、この女神の仕業とされる。秋の竜田姫と対をなす。
蛤	はまぐり	hamaguri	Clam	貝殻が対でぴったりと合うことから、夫婦和合の象徴として雛祭りの膳に出される。
春一番	はるいちばん	haru ichiban	First Gale of Spring	立春から春分の間に初めて吹く、強い南風。春の訪れを告げる。
蓬餅	よもぎもち	yomogi-mochi	Mugwort Mochi	雛祭りで食べる草餅。蓬の緑が、春の生命力を象徴する。
白魚	しらうお	shirauo	Icefish	春に旬を迎える、体が透き通った小さな魚。春の訪れを告げる味覚。
陽炎	かげろう	kagerō	Heat Haze	晴れた春の日、地面からゆらゆらと炎のように立ち上る空気の層。
桃の節句	もものせっく	momo no sekku	Peach Festival	雛祭りの別名。桃の花が咲く季節の節句であることから。
野焼き	のやき	noyaki	Field Burning	春の若草の芽生えを促すために、冬の枯草を焼くこと。阿蘇などが有名。
だるま	だるま	daruma	Daruma Doll	禅宗の開祖、達磨大師を模した置物。東大寺のお水取りでは「達陀（だったん）」という火の行が行われることからの連想。
初蝶	はつちょう	hatsuchō	First Butterfly of the Season	その年に初めて見る蝶。春の訪れを実感させる。
たんぽぽ	たんぽぽ	tanpopo	Dandelion	春の野原や道端に咲く、黄色い親しみやすい花。
桃源郷	とうげんきょう	tōgenkyō	Peach Blossom Spring / Paradise	桃の花が咲き乱れる理想郷。中国の詩人、陶淵明の「桃花源記」に由来する。
片栗	かたくり	katakuri	Katakuri (Dogtooth Violet)	早春、林の中に薄紫色のうつむき加減の花を咲かせる。昔、この根から片栗粉を作った。
啓蟄	けいちつ	keichitsu	Insects Awaken	二十四節気の一つ（3月5日頃）。冬ごもりしていた虫が、土の中から這い出してくる頃。
春の水	はるのみず	haru no mizu	Spring Water	雪解け水で増え、ぬるんで、豊かに流れる春先の水。
雀の子	すずめのこ	suzume no ko	Sparrow Chick	春に生まれる雀の雛。親鳥に餌をねだる、可愛らしい姿。
左近の桜	さこんのさくら	sakon no sakura	Cherry Tree on the Left	京都御所の紫宸殿の南庭、左側（東側）に植えられた桜の木。雛壇飾りでも、男雛から見て左に飾られる。
連翹	れんぎょう	rengyō	Forsythia	早春、葉が出る前に、鮮やかな黄色の花を枝いっぱいに咲かせる。
山笑う	やまわらう	yama warau	The Mountains Smile	春、木々が芽吹き、花が咲き始めた山の様子を、笑っているかのように表現した言葉。
春風	しゅんぷう / はるかぜ	shunpū / harukaze	Spring Breeze	春に吹く、穏やかで心地よい風。
利休忌	りきゅうき	rikyūki	Rikyū Memorial	千利休の命日である2月28日（旧暦）に行われる追善茶会。月遅れの3月に行うことが多い。
二月堂	にがつどう	nigatsudō	Nigatsu-dō Hall	東大寺の堂の一つ。旧暦2月に修二会（お水取り）が行われたことからこの名がある。
若狭井	わかさい	wakasi	Wakasa Well	東大寺二月堂の下にある井戸。お水取りでは、この井戸から観音様にお供えする香水を汲む。
旅立ち	たびだち	tabidachi	Departure / Setting Off	卒業や転勤など、別れと新しい生活の始まりが多い3月の季節感。
木蓮	もくれん	mokuren	Lily Magnolia	春、葉に先立って、紫や白の大きな花を上向きに咲かせる。
春雨	はるさめ	harusame	Spring Rain	春にしとしとと静かに降る、細い雨。
芽吹き	めぶき	mebuki	Sprouting / Budding	冬を越した草木が、新しい芽を出すこと。生命の始まり。
麗か	うららか	uraraka	Bright and Balmy	春の日差しが明るく、空がのどかに晴れ渡っている様。
雲雀	ひばり	hibari	Skylark	春の空高くさえずりながら舞い上がる鳥。春の到来を告げる。
春蘭	しゅんらん	shunran	Cymbidium goeringii	春に咲く、控えめで気品のある蘭。日本各地の野山に自生する。
花の雲	はなのくも	hana no kumo	Clouds of Blossoms	満開の桜が、遠くから見ると白い雲のように見える様。
花の雨	はなのあめ	hana no ame	Rain on the Blossoms	桜の咲く頃に降る雨。
花明り	はなあかり	hana akari	Glow of Blossoms	満開の桜で、夜でもあたりがほのかに明るく感じられること。
花見	はなみ	hanami	Flower Viewing	主に桜の花を眺めて楽しむこと。春の代表的な行楽。
花筏	はないかだ	hanaikada_gomei	Flower Raft	散った桜が水面に帯状に浮かんで流れる様。
西行忌	さいぎょうき	saigyōki	Saigyō Memorial	平安末期の歌人、西行法師の命日。旧暦2月16日だが、桜を愛したことから桜の時期に偲ばれる。
夢	ゆめ	yume	Dream	儚く美しいものの例え。春の夜の夢のように、桜の季節の儚さを表す。
忘れ貝	わすれがい	wasuregai	Forgotten Shell	貝合わせなどで対を失った片方の貝殻。または、身につけると物忘れを治すという伝説の貝。春の磯遊びに因む。
風光る	かぜひかる	kaze hikaru	The Wind Glistens	春のきらきらした日差しの中を、風が吹き渡る様。春の景色の輝き。
磯遊び	いそあそび	isoasobi	Beach-combing / Playing on the Shore	春の干潮時に、岩場の生物を観察したり、貝を拾ったりして遊ぶこと。
紅椿	べにつばき	benitsubaki	Red Camellia	鮮やかな紅色の椿。3月頃が見頃の種類も多い。
鳥帰る	とりかえる	tori kaeru	Birds Return	冬を日本で過ごした雁や白鳥などの渡り鳥が、北の繁殖地へ帰っていくこと。
春泥	しゅんでい	shundei	Spring Mud	雪解けや春雨でぬかるんだ道。豊かな水分を含み、生命を育む土。
燕来る	つばめくる	tsubame kuru	Swallows Arrive	春、南からツバメが渡ってくること。燕は5月の銘としても強いが、到来は3月頃。
芹	せり	seri	Japanese Parsley	春の七草の一つだが、水辺に自生し、春に若葉が盛んに育つ。
蕨	わらび	warabi	Bracken Fern	春に、先端が丸まった若芽を出すシダ植物。山菜として親しまれる。
田起し	たおこし	taokoshi	Plowing the Paddy	田植えに備えて、春先に田を耕すこと。農作業の始まり。
霞	かすみ	kasumi	Haze / Mist	春、遠くの景色がぼんやりと見える現象。春の風情を象徴する言葉で、夜のものは「朧」という。
春眠	しゅんみん	shunmin	Spring Sleep	春の夜の、心地よい眠り。「春眠暁を覚えず」という漢詩から。
右近の橘	うこんのたちばな	ukon no tachibana	Tachibana Orange on the Right	京都御所の紫宸殿の南庭、右側（西側）に植えられた橘の木。雛壇飾りにも対応する位置にある。左近の桜と対。
4月 April
卯月	うづき	uzuki	Old lunar name of April	旧暦四月の異称。
清明	せいめい	seimei	Clear-bright solar term	二十四節気の一つ。
穀雨	こくう	kokū	Grain-rain solar term	作物を潤す春雨の頃。
花祭	はなまつり	hanamatsuri	Buddha’s Birthday festival	四月八日の潅仏会。
灌仏	かんぶつ	kanbutsu	Bathing-Buddha rite	花祭で甘茶を灌ぐ儀式。
甘茶	あまちゃ	amacha	Sweet hydrangea tea	灌仏会で用いる茶。
八十八夜	はちじゅうはちや	hachijū-hachi-ya	88th night from Risshun	新茶摘み始めの候。
茶摘	ちゃつみ	chatsumi	Tea-leaf picking	新芽を手摘みする行事。
新茶	しんちゃ	shincha	First tea of the year	走りの若葉で製す。
初摘	はつづみ	hatsuzumi	First plucking	その年最初の茶摘。
若茶	わかちゃ	wakacha	Young tea	“新芽の茶”を指す。
若葉雨	わかばあめ	wakaba-ame	Rain on fresh leaves	柔らかな若葉を濡らす雨。
若葉風	わかばかぜ	wakabakaze	Breeze through fresh leaves	若葉を揺らす風。
若葉光	わかばひかり	wakabahi-kari	Light on young leaves	若葉が放つ瑞々しい光。
青葉	あおば	aoba	Fresh green leaves	芽吹いた木々の葉。
青葉闇	あおばやみ	aobayami	Deep shade of new foliage	茂った青葉で薄暗い様。
木漏日	こもれび	komorebi	Sunlight through leaves	葉間から洩れる日差し。
木下闇	こしたやみ	koshitayami	Gloom beneath trees	青葉が陽光を遮る暗がり。
緑雨	りょくう	ryoku-u	Green rain	若葉映す柔らかな雨。
緑風	りょくふう	ryokufū	Green wind	若葉を渡る風。
薫風	くんぷう	kunpū	Fragrant spring breeze	若葉の香を含む風。
青嵐	あおあらし	aoarashi	Blue-green gale	初夏前の強めの緑風。
新緑	しんりょく	shinryoku	Fresh verdure	目に染む若葉の緑。
山若葉	やまわかば	yamawakaba	Young mountain leaves	山肌を彩る新緑。
山滴緑	さんてきみどり	santekimidori	Mountains dripping green	翠滴る山の景。
萌木	もえぎ	moegi	Budding wood	萌え出た木の新芽。
若楓	わかかえで	wakakaede	Young maple leaves	赤子の如き薄緑。
萌黄色	もえぎいろ	moegiiro	Light yellow-green	若葉の代表色名。
初緑	はつみどり	hatsumidori	Season’s first green	春の最初の緑を愛でる語。
杜若	かきつばた	kakitsubata	Iris laevigata	水辺に咲く紫の花。
藤	ふじ	fuji	Wisteria blossoms	長く垂れる紫花。
藤波	ふじなみ	fujinami	Waves of wisteria	花房が波の如く揺れる。
藤棚	ふじだな	fujidana	Wisteria trellis	藤を這わせた棚。
藤房	ふさふじ	husafuji	Wisteria bunch	一本の長い花房。
藤色	ふじいろ	fujiiro	Wisteria purple	柔らかな紫色名。
紫藤	しとう	shitō	Purple wisteria	“紫藤”の漢語表記。
野田藤	のだふじ	nodafuji	Noda wisteria cultivar	大阪野田発祥の名品種。
山藤	やまふじ	yamafuji	Wild wisteria	山に自生する藤。
残花	ざんか	zanka	Late lingering blossoms	咲き残った花。
花水木	はなみずき	hanamizuki	Dogwood blossoms	アメリカ原産の白・紅花。
林檎花	りんごばな	ringobana	Apple blossoms	淡紅の五弁花。
紫雲英	げんげ	gengé	Chinese milk-vetch	“蓮華”とも。田圃に紫花。
躑躅	つつじ	tsutsuji	Azalea	“つつじ咲く野辺”。
霧島躑躅	きりしまつつじ	kirishima-tsutsuji	Kirishima azalea cultivar	真紅の小輪種。
山躑躅	やまつつじ	yamatsutsuji	Wild azalea	山野に自生する朱色の花。
山吹	やまぶき	yamabuki	Kerria blossoms	黄金色の五弁花。
山吹水	やまぶきみず	yamabukimizu	Water reflecting kerria	“山吹の里”伝説由来。
竹の秋	たけのあき	takenoaki	“Bamboo autumn” (yellow leaves)	春に黄変する竹葉をいう。
筍	たけのこ	takenoko	Bamboo shoot	地中から伸びる若竹。
若竹	わかたけ	wakatake	Young bamboo	“青々とした細竹”。
緑竹	みどりたけ	midoritake	Green bamboo	瑞々しい竹の色。
卯の花	うのはな	unohana	Deutzia blossom	白い小花が垣に咲く。
卯波	うなみ	unami	Ripples of deutzia	“卯月波”の略表現。
卯の香	うのか	unoka	Scent of deutzia	卯の花の香をいう。
牡丹	ぼたん	botan	Peony	“百花の王”と称される大輪。
牡丹華	ぼたんはなさく	botan-hanasaku	“Peonies bloom” micro-season	七十二候・穀雨末候。
芍薬	しゃくやく	shakuyaku	Chinese peony	端正な花姿。
苗代	なわしろ	nawashiro	Rice-seedling bed	田植前に苗を育てる田。
代掻	しろかき	shirokaki	Ploughing seedbed	“苗代”をならす作業。
一葉	いちよう	ichiyō	Ichiyō late cherry cultivar	花が一片残す姿。
松月	しょうげつ	shōgetsu	Shōgetsu cherry cultivar	白八重の遅咲き桜。
普賢象	ふげんぞう	fugenzō	Fugen-zō cherry cultivar	花中に二葉状雄しべ。
関山	かんざん	kanzan	Kanzan double cherry	濃紅八重の代表種。
御衣黄	ぎょいこう	gyoikō	Gyoikō green cherry	淡緑色の珍種。
楊貴妃	ようきひ	yōkihi	Yōkihi cherry cultivar	薄桃色で豊満な花容。
陽光桜	ようこうざくら	yōkō-zakura	Yōkō cherry cultivar	戦後作出の一重早咲き。
鬱金	うこん	ukon	Ukon yellow cherry	“鬱金花”とも。黄緑色花。
鎌足	かまたり	kamatari	Kamatari cherry cultivar	花芯が紅を差す大輪。
瑞雨	ずいう	zui-u	Auspicious spring rain	慈雨として万物を潤す雨。
惜春	せきしゅん	seki-shun	Lamenting end of spring	過ぎゆく春を惜しむ心。
葭始生	よしはじめてしょうず	yoshi-hajimete-shōzu	“Reeds first sprout” micro-season	清明末候。
霜止出苗	しもやみてなえいずる	shima-yamite-nae-izuru	“Frost ends	seedlings emerge”
玄鳥至	げんちょういたる	genchō-itaru	“Swallows arrive” micro-season	清明初候。
鴻雁北	こうがんきたす	kōgan-kitasu	“Wild geese fly north”	清明次候。
虹始見	にじはじめてあらわる	niji-hajimete-arawaru	“First rainbow appears”	清明末候。
蚯蚓出	みみずいずる	mimizu-izuru	“Earth-worms surface”	穀雨次候。
蝌蚪	かと	kato	Tadpoles	“おたまじゃくし”の古名。
若芝	わかしば	wakashiba	New lawn grass	春に芽吹く芝。
木々芽	きぎめ	kigime	Buds on every tree	一斉に芽吹く木々。
青柳雨	あおやなぎあめ	aoyanagi-ame	Rain on green willows	柳の新芽を濡らす雨。
柳絮	りゅうじょ	ryūjo	Willow fluff	綿毛が空に舞う。
柳緑	りゅうりょく	ryūryoku	Willow green	“青柳”の色名。
柳堤	りゅうてい	ryūtei	Willow-lined bank	川堤に柳並ぶ景。
菫	すみれ	sumire	Violet	春の野に咲く紫花。
桐花	とうか	tōka	Purple paulownia bloom	香高い淡紫の花。
青麦	あおむぎ	aomugi	Green barley ears	麦畑が青く波打つ頃。
新樹光	しんじゅこう	shinjukō	Light on fresh trees	若葉に反射する光。
日永	ひなが	hinaga	Lengthening days	昼の時間が伸びる頃。
風薫	かぜかおる	kazekaoru	Wind carrying fragrance	薫風と同意。
麦笛	むぎぶえ	mugibue	Barley-leaf whistle	青麦で作る口笛。
苺花	いちごばな	ichigobana	Strawberry blossoms	白い五弁花が咲く頃。
花疲れ	はなづかれ	hanazukare	Fatigue after blossom viewing	花見続きで感じる倦怠。
花信風	かしんふう	kashinfū	Wind heralding flowers	次々と花期を運ぶ風。
笹鳴	ささなき	sasanaki	Sparrow-like warbler call	笹やぶで囀る鶯の声。
蓬摘	よもぎつみ	yomogitsumi	Picking mugwort leaves	柏餅用に摘む行事。
青梅	あおうめ	aoume	Green unripe plums	梅が肥り始めた頃。
蜜蜂	みつばち	mitsubachi	Worker honey-bee	“蜂起こし”の頃に飛ぶ。
瑞花	ずいか	zuika	Auspicious falling snow-flakes of petals	花びらを瑞雪に見立てた語。
燕子花	かきつばた	kakitsubata2	Alternate name for iris	“杜若”と同花の別名。
蛙始鳴	かえるはじめてなく	kaeru-hajimete-naku	“Frogs first croak” micro-season	穀雨末候。
鯉幟	こいのぼり	koinobori	Carp streamer	端午前に揚げ始める。
薄桜	うすざくら	usuzakura	Pale cherry blossoms	淡い色の遅咲き桜。
飛花	ひか	hika	Scattered flying petals	風に舞う花びら。
花吹雪	はなふぶき	hanafubuki	Blizzard of Blossoms	満開の桜が風で一斉に散る様子。その美しさと儚さを、吹雪にたとえた言葉。
灌仏会	かんぶつえ	kanbutsu-e	Buddha's Birthday Ceremony	4月8日の釈迦の誕生を祝う仏教行事。「花祭り」ともいう。花御堂の誕生仏に甘茶をかける。
花祭り	はなまつり	hanamatsuri	Flower Festival	灌仏会の別名。花で飾ったお堂（花御堂）を設けることから。
甘茶	あまちゃ	amacha	Sweet Tea (Hydrangea Tea)	灌仏会で、誕生仏にかける、また参拝者が飲む甘いお茶。アジサイ科の植物の葉から作られる。
清明	せいめい	seimei	Clear and Bright	二十四節気の一つ（4月5日頃）。すべてのものが清らかで生き生きとする頃。
穀雨	こくう	kokuu	Grain Rains	二十四節気の一つ（4月20日頃）。春の雨が百穀を潤す頃。この時期から雨量が増え、苗の成長を助ける。
惜春	せきしゅん	sekishun	Regret for Passing Spring	過ぎ去っていく春を惜しむ気持ち。桜が散り、春の終わりを感じる頃の心境。
行く春	ゆくはる	yuku haru	The Passing Spring	過ぎ去っていく春。季節の移ろいに対する、しみじみとした感慨。
爛漫	らんまん	ranman	In Full Bloom / Glorious	花が咲き乱れ、光り輝くような様。特に、満開の桜の景色を指す。
桜狩	さくらがり	sakuragari	Cherry Blossom Hunting	桜の名所を訪ねて、花を見て回ること。平安貴族の風流な遊び。
花の宴	はなのえん	hana no en	Blossom Banquet	桜の花の下で開かれる宴会。花見の宴。源氏物語の巻名。
蝶の舞	ちょうのまい	chō no mai	Dance of the Butterfly	蝶がひらひらと舞うように飛ぶ様。春ののどかな陽気を感じさせる。
花筏	はないかだ	hanaikada	Flower Raft	散った桜の花びらが水面に帯状に浮かんで流れていく様子。散り際の美しさ。
葉桜	はざくら	hazakura	Leafy Cherry Tree	花が散り、若葉が出始めた頃の桜の木。花の後の、また別の趣き。
山吹	やまぶき	yamabuki	Kerria Japonica	春、鮮やかな黄色の花を咲かせる。井手（京都）や吉野（奈良）が名所として知られる。
花の陰	はなのかげ	hana no kage	Beneath the Blossoms	桜の木の下。花見の席や、花の下で憩うこと。
入学	にゅうがく	nyūgaku	School Entrance	4月は学校の入学式のシーズン。希望に満ちた新たな始まり。
げんげ	げんげ	genge	Chinese Milkvetch	春の田畑に咲く、赤紫色の花。レンゲソウのこと。緑肥として利用された。
都忘れ	みやこわすれ	miyakowasure	Gymnaster savatieri	春に、紫やピンクの素朴で可憐な花を咲かせる。承久の乱で佐渡に流された順徳上皇が、この花を見ると都への思いを忘れられると語ったとか。
朧月	おぼろづき	oborozuki	Hazy Moon	春の夜、霞や水蒸気によって、ぼんやりと潤んだように見える月。
花曇	はなぐもり	hanagumori	Overcast Cherry Blossom Weather	桜の咲く頃の、薄く曇った天気。花の色が柔らかく見え、かえって趣がある。
桜川	さくらがわ	sakuragawa	Cherry Blossom River	川面に花びらが散り敷いて、花が流れているかのように見える川。
花御堂	はなみどう	hanamidō	Flower Hall	花祭りの際に、様々な花で飾られ、誕生仏を安置する小さなお堂。
誕生仏	たんじょうぶつ	tanjōbutsu	Infant Buddha Statue	釈迦の誕生時の姿をかたどった像。右手で天を、左手で地を指す「天上天下唯我独尊」のポーズ。
海棠	かいどう	kaidō	Flowering Crabapple	春、淡い紅色の美しい花を咲かせる。「睡花」とも呼ばれ、楊貴妃が眠りから覚めた姿にたとえられた。
蛙	かわず	kawazu	Frog	春、冬眠から覚めた蛙。古語的な響きがあり、和歌にもよく登場する。
花篝	はなかがり	hanakagari	Blossom Bonfire	夜桜を見るために焚く篝火。篝火に照らされた夜桜は幻想的。
卯月	うづき	uzuki	Fourth Lunar Month	旧暦4月のこと。「卯の花月」の略。卯の花が咲く月。現代の4月下旬から5月頃。
春の宵	はるのよい	haru no yoi	Spring Evening	春の宵。日没後、まだ夜が更けない時間。穏やかで過ごしやすい。
遅桜	おそざくら	osozakura	Late-blooming Cherry Tree	ソメイヨシノなどが散った後に、遅れて咲く桜。八重桜など。
八重桜	やえざくら	yaezakura	Double-flowered Cherry	花びらが幾重にも重なって咲く、豪華な桜。ソメイヨシノより遅れて咲く。
長閑	のどか	nodoka	Tranquil / Peaceful	静かで、落ち着いている様。春の穏やかな気候や風景。
春昼	しゅんちゅう	shunchū	Spring Daytime	春の昼間。うららかで、どことなく眠気をもよおすような昼下がり。
一期一会	いちごいちえ	ichigo ichie	Once in a Lifetime Encounter	茶会の出会いは、一生に一度のものと心得て、誠意を尽くすという心構え。桜との出会いの儚さに重ねて使う。
花の雫	はなのしずく	hana no shizuku	Dewdrop on a Blossom	花の上に乗った、朝露や雨の雫。桜の花びらの上の雫は特に美しい。
残花	ざんか	zanka	Remaining Blossoms	多くの花が散った後も、まだ枝に残っている桜の花。名残を惜しむ気持ち。
花片	はなびら	hanabira	Petal	桜の花びら一枚一枚。風に舞う花びらや、水に浮かぶ花びら。
壷菫	つぼすみれ	tsubosumire	a type of Violet	春に咲くスミレの一種。小さく愛らしい姿。
松の花	まつのはな	matsu no hana	Pine Flower	松の木に咲く、雄花と雌花。派手さはないが、春の季語。
亀	かめ	kame	Turtle	長寿の象徴。春、暖かくなり、亀が活動を始めることから。
田螺	たにし	tanishi	River Snail	春、水田や小川に多く見られる。水がぬるむ季節の生き物。
蝌蚪	かと	kato	Tadpole	蛙の子。春、水たまりなどで見られる。生命の始まり。
イースター	イースター	īsutā	Easter	キリストの復活を祝う祭り。春分後の最初の満月の次の日曜日に行われるため、4月になることが多い。「復活祭」。
復活祭	ふっかつさい	fukkatsusai	Easter Feast	イースターの和名。
フリージア	フリージア	furījia	Freesia	春に咲く、甘く強い香りの花。黄、白、紫など色も豊富。
チューリップ	チューリップ	chūrippu	Tulip	春を代表する球根植物。色とりどりの花が咲き、春の庭を彩る。
春駒	はるこま	harukoma	Spring Colt	春の若々しく元気な仔馬。また、正月の門付け芸の一つ。
桜餅	さくらもち	sakuramochi	Sakura Mochi	塩漬けの桜の葉で、あん入りの餅を包んだ和菓子。春の香り。
花冷え	はなびえ	hanabie	Spring Chill During Blossom Season	桜が咲く頃に、一時的に寒さが戻ること。
吉野山	よしのやま	yoshinoyama	Mount Yoshino	奈良県にある桜の名所。古来より、山全体が桜で覆われる壮大な景色で知られる。
枝垂桜	しだれざくら	shidarezakura	Weeping Cherry	枝が柳のように垂れ下がった桜の総称。優美な姿が美しい。
花の雪	はなのゆき	hana no yuki	Snow of Blossoms	満開の桜が雪のように見える様、または、桜の花びらが雪のように舞い散る様。
常盤	ときわ	tokiwa	Evergreen	常に変わらない緑色。春、多くの木々が芽吹く中で、松などの常磐木の変わらない力強さを思う。
春の野	はるのの	haru no no	Spring Field	若草や春の花で彩られた春の野原。
春の海	はるのうみ	haru no umi	Spring Sea	春の、霞がかかったように穏やかな海。
桜鯛	さくらだい	sakuradai	Cherry Blossom Sea Bream	春、産卵期で脂が乗り、体色が美しいピンク色になる真鯛。桜の咲く頃に旬を迎える。
日々是好日	ひびこれこうじつ	hibi kore kōjitsu	Every Day is a Good Day	禅語。天気が良くても悪くても、その日一日をありのままに受け入れれば、毎日が素晴らしい日であるということ。春のうららかな日に。
花守	はなもり	hanamori	Blossom Guardian	桜の花が散らないように見守る人。または、花を管理する人。花を慈しむ心。
花紅	はなくれない	hana kurenai	Crimson Blossom	桜の花の、深い紅色。特に八重桜などの濃い色を指す。
春の月	はるのつき	haru no tsuki	Spring Moon	春の夜の月。朧月とほぼ同義だが、より一般的な表現。
春の暮	はるのくれ	haru no kure	Spring Dusk	春の日の暮れ方。一日が長く感じられ、ゆったりとした時間。
百花	ひゃっか	hyakka	A Hundred Flowers	さまざまな種類の花。春、多くの花が一斉に咲きそろう様子。
梨の花	なしのはな	nashi no hana	Pear Blossom	桜に少し遅れて咲く、白い清楚な花。
林檎の花	りんごのはな	ringo no hana	Apple Blossom	白や薄紅色の、可憐な花。桜が終わる頃に咲き始める。
忘れな草	わすれなぐさ	wasurenagusa	Forget-me-not	春から初夏にかけ、青や紫の小さな花を咲かせる。
パンジー	パンジー	panjī	Pansy	春の花壇を彩る代表的な花。三色菫（さんしきすみれ）。
マーガレット	マーガレット	māgaretto	Marguerite	春に咲く、白い花びらが清楚なキク科の花。木春菊。
耕鳥	こうちょう	kōchō	Plowing Bird	田起こしの頃、耕された土の虫などをついばみに来るセキレイなどの鳥。
春の川	はるのかわ	haru no kawa	Spring River	雪解け水で水量が増し、ゆったりと流れる春の川。
麦燕	むぎつばめ	mugi-tsubame	Barley Swallow	麦が穂を出す頃に渡ってくるツバメ。
蛙の合戦	かわずのかっせん	kawazu no kassen	Battle of Frogs	繁殖期に、蛙たちが騒がしく鳴き交わす様子を合戦に見立てた言葉。
春の田	はるのた	haru no ta	Spring Paddy	田起こしが終わり、水を引く準備ができた春の田んぼ。
春塵	しゅんじん	shunjin	Spring Dust	春、風に乗って舞う土埃。西からの黄砂を指すこともある。
馬酔木の花	あせびのはな	asebi no hana	Andromeda Blossom	春、壺形の白い小花を鈴なりに咲かせる。
磯巾着	いそぎんちゃく	isoginchaku	Sea Anemone	春の磯遊びで見られる、花のような姿の海洋生物。
春雷	しゅんらい	shunrai	Spring Thunder	春に鳴る雷。啓蟄の頃、虫たちを目覚めさせるとも言われる。
若鮎	わかあゆ	waka-ayu_april	Young Ayu Sweetfish	鮎の稚魚。4月頃から川を遡上し始める。5月の銘でもあるが、走りとして。
花筏（植物）	はないかだ（しょくぶつ）	hanaikada (shokubutsu)	Helwingia japonica (plant)	葉の中央に花が咲く、珍しい植物。その様が筏に乗る人に見えることから。
花明り	はなあかり	hana akari	Glow of Blossoms	満開の桜で、夜でもあたりがほのかに明るく感じられること。重複を避けるため再掲。
桜人	さくらびと	sakurabito	Cherry Blossom Person	桜を愛でる人。花見客のこと。
花便り	はなだより	hanadayori	Flower News	桜の開花や見頃を知らせる便り。開花予報。
十三参り	じゅうさんまいり	jūsan-mairi	Thirteen-Year-Old Shrine Visit	数え年13歳になった少年少女が、福徳と知恵を授かるために虚空蔵菩薩に参詣する行事。4月13日に行われることが多い。
清水	しみず	shimizu_april	Pure Spring Water	春、雪解け水が地中でろ過され、清らかな水となって湧き出る様子。
春の日	はるのひ	haru no hi	A Spring Day	春の一日。穏やかで、のどかな日。
花の露	はなのつゆ	hana no tsuyu	Dew on the Blossom	花に宿る露。花の雫と同じ。儚さと美しさ。
踏青	とうせい	tōsei	Treading on the Green	春の野原を散策すること。古代中国の風習で、春の野遊びのこと。
春色	しゅんしょく	shunshoku	The Colors of Spring	春らしい景色や色彩。
花筵	はなむしろ	hanamushiro	Flower Mat	桜の花びらが地面一面に敷き詰められた様を、筵（むしろ）に見立てた言葉。
若緑	わかみどり	wakamidori_april	Young Green	芽吹いたばかりの草木のような、若々しい緑色。4月から5月にかけての言葉。
藤の蕾	ふじのつぼみ	fuji no tsubomi	Wisteria Bud	5月に咲く藤の、開花前の蕾。季節の移り変わりと期待感。
神武天皇祭	じんむてんのうさい	jinmu tennō sai	Emperor Jinmu Festival	初代天皇とされる神武天皇の命日（4月3日）に行われる祭祀。
白雲	はくうん	hakuun	White Clouds	春の青空に浮かぶ白い雲。清明の候の情景。
柳緑花紅	りゅうりょくかこう	ryūryoku kakō	Willows are Green, Flowers are Red	禅語。柳は緑、花は紅、というように、ありのままの自然の姿が真理であるということ。春の美しい景色。
5月 May
皐月	さつき	satsuki	Old lunar name for May	旧暦五月の月名。「早苗月」が転じたとされる。
五月	ごがつ/gogatsu	satsuki	Modern name of the month	新暦での第五の月。
五月晴	さつきばれ	satsukibare	Clear sky after early-summer rain	梅雨前の晴れ間を指す語。
五月雨	さみだれ	samidare	Early-summer long rain	“五月”は旧暦で梅雨の頃の雨。
五月闇	さつきやみ	satsukiyami	Dark rainy-season nights	長雨で闇深く感じる夜。
立夏	りっか	rikka	Beginning of summer solar term	二十四節気の夏の始まり。
小満	しょうまん	shōman	“Grain Full” solar term	万物が次第に満ちる頃。
夏立つ	なつたつ	natsutatsu	Summer sets in	“立夏”と同意の季語。
初夏	しょか	shoka	Early summer	夏のはしり。
薄暑	はくしょ	hakusho	Light early-summer heat	真夏前のうす暑さ。
麦秋	ばくしゅう	bakushū	“Barley autumn” harvest time	麦の穂が色づく季節。
麦秋至	ばくしゅういたる	bakushū-itaru	“Barley harvest arrives” micro-season	七十二候・小満末候。
竹笋生	たけのこしょうず	takenoko-shōzu	“Bamboo shoots sprout” micro-season	七十二候・立夏末候。
蚕起食桑	かいこおきてくわをはむ	kaiko-okite-kuwa-wo-hamu	“Silkworms wake and eat mulberry” micro-season	七十二候・小満次候。
紅花栄	べにばなさかう	benibana-sakau	“Safflowers flourish” micro-season	七十二候・小満初候。
梅子黄	うめのみきばむ	umenomi-kibamu	“Green plums turn yellow” micro-season	芒種初候に先立つ候。
蟷螂生	かまきりしょうず	kamakiri-shōzu	“Praying mantis hatches” micro-season	芒種次候の前触れ。
葵祭	あおいまつり	aoi-matsuri	Aoi Festival at Kyoto	五月十五日賀茂社例祭。
青柏祭	せいはくさい	seihakusai	Seihakusai in Nanao	巨大な曳山で知られる祭礼。
神田祭	かんだまつり	kanda-matsuri	Kanda Festival	江戸三大祭の一つ。
三社祭	さんじゃまつり	sanjamatsuri	Sanja Festival of Asakusa	浅草寺の氏子祭。
端午	たんご	tango	Boys’ Day Festival (5 May)	五節句の一つ。
菖蒲	しょうぶ	shōbu	Sweet-flag iris	端午に厄除けとして用いる。
花菖蒲	はなしょうぶ	hanashōbu	Japanese iris in bloom	観賞用に改良された品種群。
菖蒲湯	しょうぶゆ	shōbuyu	Bath with iris leaves	端午の夜に浴する風習。
菖蒲枕	しょうぶまくら	shōbumakura	Pillow stuffed with iris leaves	邪気を祓う寝具。
菖蒲刀	しょうぶがたな	shōbugatana	Toy sword made of iris	“勝負”に通じる縁起物。
菖蒲酒	しょうぶざけ	shōbuzake	Spiced sake with iris root	端午に飲む薬酒。
菖蒲葺	しょうぶぶき	shōbubuki	Thatched with iris leaves	屋根・門に菖蒲を差す風習。
柏餅	かしわもち	kashiwamochi	Oak-leaf wrapped sweet	端午の祝い菓子。
粽	ちまき	chimaki	Steamed rice wrapped in leaves	中国由来の節句食。
早苗	さなえ	sanae	Rice seedlings	田植え前の若苗。
田植	たうえ	taue	Rice-planting	苗を田に植える作業。
早乙女	さおとめ	saotome	Planting maidens	田植えする乙女たち。
早苗田	さなえだ	sanaeda	Paddy with seedlings	苗が植わったばかりの田。
田植歌	たうえうた	taue-uta	Rice-planting chants	田植え作業歌。
田植笠	たうえがさ	taue-gasa	Planting straw hat	早乙女がかぶる笠。
田植踊	たうえおどり	taue-odori	Rice-planting dance	豊作祈願の踊り。
田水張	たみずはる	tamizuharu	Paddies filled with water	植え付け前に張る水。
御田植祭	おたうえさい	otauesai	Shrine rice-planting rite	神社で行う豊穣祈願の祭。
麦刈	むぎかり	mugikari	Barley reaping	麦秋期の刈取り。
麦飯	むぎめし	mugimeshi	Barley-rice dish	麦が主役の初夏食。
麦茶	むぎちゃ	mugicha	Roasted-barley tea	初夏から飲む冷茶。
若鮎	わかあゆ	wakaayu	Young ayu sweet-fish	清流で獲れる初夏の魚。
香魚	こうぎょ	kōgyo	Fragrant-fish (ayu)	鮎の雅称。
青楓	あおかえで	aokaede	Fresh-green maple leaves	青く透ける楓の若葉。
葛若葉	くずわかば	kuzuwakaba	Young kudzu leaves	柔らかい葛の新芽。
蚊始生	かはじめてしょうず	ka-hajimete-shōzu	“Mosquitoes first appear” micro-season	芒種末候の前触れとして記載。
潮干狩	しおひがり	shiohigari	Tidal-flat shell gathering	大潮の日に貝を掘る行楽。
青鷺	あおさぎ	aosagi	Grey heron in fresh green	“青”は若葉背景の意。
時鳥	ほととぎす	hototogisu	First lesser cuckoo song	五月に渡来し鳴き始める。
初杜鵑	はつほととぎす	hatsu-hototogisu	Season’s first cuckoo	初鳴きを聞く喜び。
鈴蘭	すずらん	suzuran	Lily-of-the-valley	白い釣鐘形の花。
虞美人草	ぐびじんそう	gubijinsō	Red corn poppy	“虞美人”伝説に由来の名。
雛罌粟	ひなげし	hinageshi	Papaver rhoeas poppy	赤橙色の可憐な花。
白詰草	しろつめくさ	shirotsumekusa	White clover	“詰草”は緩衝材の意から。
立葵	たちあおい	tachiaoi	Hollyhock spikes	茎を伸ばし花序をつける。
枇杷実	びわみ	biwami	Loquat fruit	橙色に熟す初夏の果実。
桜桃	おうとう	ōtō	Cherry fruit	赤く熟す実桜。
鯉旗	こいばた	koibata	Carp streamer banner	鯉幟の別称。
薫草	くんそう	kunsō	Fragrant early-summer grass	刈りたて草の香り。
走り茶	はしりちゃ	hashiri-cha	Very first new tea	“走り”は初物の意。
夏木立	なつこだち	natsukodachi	Fresh-leafed grove	青葉繁る木立。
山滴る	やましたたる	yamashitataru	Mountains dripping green	“山滴翠”の故事成語。
皐月雷	さつきらい	satsukirai	Early-summer thunder	五月に鳴る遠雷。
竹笛	たけぶえ	takebue	Bamboo flute played outdoors	青葉の頃の野遊びに吹く笛。
卯の花腐し	うのはなくたし	unohanakubushi	Prolonged rain spoiling deutzia	“卯の花腐し”と呼ぶ長雨。
初蛍	はつほたる	hatsuhotaru	Season’s first firefly	川辺に初めて光る蛍。
青梅雨	あおつゆ	aotsuyu	Pre-rainy-season moisture	梅雨入り前の湿気。
青葉木菟	あおばずく	aobazuku	Brown hawk-owl arrival	夏鳥として五月に渡来。
青田風	あおたかぜ	aotakaze	Breeze over green rice fields	植え終えた田をわたる風。
青田	あおた	aota	Fresh-green rice paddies	植えられた稲が青々と茂る田。
金鳳花	きんぽうげ	kinpōge	Buttercup	“立金花”とも。黄金色の花。
花橘	はなたちばな	hanatachibana	Blossoms of tachibana orange	“古今和歌集”にも詠まれる香花。
橘花	きっか	kikka	Tachibana flower (Sino-Jpn)	橘の漢語的表現。
石楠花	しゃくなげ	shakunage	Rhododendron	“深山躑躅”とも呼ばれる高山花。
文目	あやめ	ayame	Iris japonica	池畔に咲く紫花。
釣鐘草	つりがねそう	tsuriganesō	Campanula (bellflower)	釣鐘形の青紫花。
豆御飯	まめごはん	mame-gohan	Rice with green peas	旬の青豆を炊き込む飯。
空豆	そらまめ	soramame	Broad beans in season	塩ゆでにして茶菓にも供す。
夏蝶	なつちょう	natsuchō	Early-summer butterflies	田園を舞う色鮮やかな蝶。
水馬	あめんぼ	amenbo	Water strider	“水黽”とも書く水面昆虫。
蛙交	かわずまじわる	kawazumajiwaru	Frogs mate noisily	田植え前の夜に合唱。
青蛙	あおがえる	aogaeru	Green tree frog	若葉に紛れる緑の蛙。
時鳥笛	ほととぎすぶえ	hototogisubue	Cuckoo-whistle toy	竹製の鳥笛を吹く遊び。
緑雨	りょくう	ryoku-u	Soft rain on greenery	若葉を深く濡らす雨。
緑風	りょくふう	ryokufū	Breeze over fresh leaves	“薫風”と同意の早夏風。
木漏日	こもれび	komorebi	Sunlight filtering through leaves	青葉を透す斑の光。
青嵐音	あおあらしおと	aoarashi-oto	Sound of the green gale	若葉を揺らす強い風音。
山若葉	やまわかば	yamawakaba2	Mountain fresh leaves (late)	山全体が一層濃緑となる頃。
若楮	わかこうぞ	wakakōzo	Young paper-mulberry shoots	和紙原料の新芽。
竹落雫	たけおちしずく	takeochi-shizuku	Drips from bamboo leaves	青竹の葉先から滴る水。
青蛍	あおぼたる	aobotaru	Green fireflies at rivers	源氏蛍より早く出る種。
薄暑風	はくしょかぜ	hakusho-kaze	Breeze in the first heat	薄暑を和らげる風。
夕立雲	ゆうだちぐも	yūdachigumo	Clouds portending evening shower	初夏の短い雷雨を呼ぶ雲。
青時雨	あおしぐれ	aoshigure	Brief shower amid greenery	青葉を通し冷たく降る驟雨。
薄紅薔薇	うすべにばら	usubenibara	Pale-pink roses	五月に咲く淡紅の薔薇。
薔薇園	ばらえん	baraen	Rose garden in bloom	各地で公開される薔薇苑。
薔薇香	ばらこう	barakō	Fragrance of roses	薔薇の芳香を愛でる語。
蜂起	はちおこし	hachiokoshi	First honey-bee flight	“蜂起こし”は越冬後初活動。
蜜蜂	みつばち	mitsubachi2	Worker honey-bee	花蜜を集める蜂。
花蜜	はなみつ	hanamitsu	Nectar in abundance	花と蜂を結ぶ甘露。
苗香	なえが	naega	Scent of wet seedlings	植えたて稲の青い匂い。
青蛙声	あおがえるこえ	aogaeru-koe	Chorus of green frogs	夜田に響く合唱。
風光る	かぜひかる	kazehikaru2	Wind glitters through leaves	若葉の中を光走る風。
緑陰	りょくいん	ryokuin	Green shade	“木陰”の季語的雅称。
飛花落花	ひからっか	hikarakka	Petals still drifting	“花吹雪”後に舞う残花。
薄花桜	うすはなざくら	usuhanazakura	Very late pale cherry	“遅桜”の一種。
飛花	ひか	hika2	Scattered petals on the wind	風に乗り残花飛ぶさま。
杜鵑	ほととぎす	hototogisu	Lesser Cuckoo	初夏に渡来し、鳴き始める鳥。その鋭い鳴き声は夏の到来を告げ、古来より和歌に多く詠まれてきた。
卯の花	うのはな	unohana	Deutzia Flower	旧暦4月（卯月）頃に咲く白い花。空木（うつぎ）の花のこと。初夏の到来を象徴する。
牡丹	ぼたん	botan	Peony	「花の王」と称される、豪華で大輪の花。初夏に咲き、富貴の象徴とされる。
菖蒲	しょうぶ / あやめ	shōbu / ayame	Iris	5月5日の端午の節句に、邪気を払うために軒先に飾ったり、菖蒲湯として風呂に入れたりする。尚武（武道を尊ぶ）にも通じる。
燕	つばめ	tsubame	Swallow	春に南から渡ってきて、人家に巣を作る夏鳥。すいすいと空を飛ぶ姿が、初夏の爽やかさを感じさせる。
薫風	くんぷう	kunpū	Fragrant Breeze	初夏、青葉の香りを乗せて吹く、爽やかな風のこと。
若葉	わかば	wakaba	Young Leaves	芽吹いたばかりの、みずみずしい緑色の葉。生命力にあふれ、初夏の景色を象徴する。
八十八夜	はちじゅうはちや	hachijūhachi-ya	88th Night	立春から数えて88日目（5月2日頃）。この日に摘んだお茶は、上等で縁起が良いとされる。茶摘みの最盛期。
藤	ふじ	fuji	Wisteria	初夏に、紫色の美しい花穂を垂れ下げて咲かせる。棚から垂れる様は特に風情がある。
鯉のぼり	こいのぼり	koinobori	Carp Streamers	端午の節句に、男の子の健やかな成長と立身出世を願って、庭先に立てる鯉の形をした吹き流し。
兜	かぶと	kabuto	Samurai Helmet	端午の節句に飾られる五月人形の一つ。男の子を災厄から守り、強くたくましく育つようにとの願いが込められる。
早苗	さなえ	sanae	Young Rice Plants	田植えのために、苗代で育てられた稲の若い苗。初夏の田園風景を象徴する。
青葉	あおば	aoba	Green Leaves	夏になり、青々と茂った木々の葉。目に鮮やかで、生命力を感じさせる。若葉よりも成長した状態。
早乙女	さおとめ	saotome	Rice-planting Maiden	田植えをする若い女性のこと。伝統的な衣装で田植えをする神事も各地で行われる。
柏餅	かしわもち	kashiwa-mochi	Kashiwa Mochi	端午の節句に食べる和菓子。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないため、子孫繁栄の縁起物とされる。
粽	ちまき	chimaki	Chimaki	もち米やうるち米を笹などの葉で包んで蒸したもの。端午の節句に食べる。中国の故事に由来。
初鰹	はつがつお	hatsu-gatsuo	First Bonito of the Season	春に黒潮に乗って北上してくる鰹。江戸時代から初夏の味覚として珍重された。
躑躅	つつじ	tsutsuji	Azalea	初夏に、赤、白、ピンクなど色とりどりの花を咲かせる。公園や庭木として親しまれている。
新緑	しんりょく	shinryoku	Fresh Greenery	初夏の、芽吹いたばかりの若葉の緑色。生命感あふれる言葉。
尚武	しょうぶ	shōbu	Martial Spirit	武道や武勇を重んじること。「菖蒲」と同じ音であることから、端午の節句は男の子の成長を願う節句となった。
葵祭	あおいまつり	aoimatsuri	Aoi Festival	京都の下鴨神社と上賀茂神社で5月15日に行われる例祭。平安時代の装束をまとった行列が有名。
田植	たうえ	taue	Rice Planting	水田に早苗を植え付けること。日本の初夏の原風景。
矢車	やぐるま	yaguruma	Pinwheel Arrow	鯉のぼりの竿の先につける、矢車が付いた風車。飾りの一部。
吹流し	ふきながし	fukinagashi	Streamer	鯉のぼりの一番上に飾られる、五色の長い吹き流し。魔除けの意味がある。
著莪	しゃが	shaga	Fringed Iris	初夏、林の中などの日陰に咲く、薄紫の文様がある白い花。
清水	しみず	shimizu	Pure Spring Water	地中から清らかな水が湧き出ているところ。若葉の季節の、冷たく澄んだ水のイメージ。
青楓	あおかえで	aokaede	Green Maple	秋に紅葉する楓の、初夏の青々とした葉。目にまぶしいほどの生命力。
武者人形	むしゃにんぎょう	musha ningyō	Warrior Doll	端午の節句に飾る人形。金太郎や神功皇后など、勇ましい伝説上の人物が多い。
一声	いっせい	issei	One Cry	杜鵑の、その年初めて聞く鳴き声。夏の訪れを感じる、印象的な一声。
茶摘	ちゃつみ	chatsumi	Tea Picking	八十八夜の頃、新茶の茶葉を摘むこと。初夏の風物詩。
桐の花	きりのはな	kiri no hana	Paulownia Flower	初夏、淡い紫色の釣鐘状の花を咲かせる。高貴な花とされ、家紋にも用いられる。
若緑	わかみどり	wakamidori	Young Green	芽吹いたばかりの草木のような、若々しい緑色。
早蕨	さわらび	sawarabi_gomei	Early Fern Shoots	春早くに芽を出すワラビ。4月にも使うが、5月には山菜として旬を迎える。源氏物語の巻名にもある。
青嵐	せいらん / あおあらし	seiran / aorashi	Storm in the Green Leaves	初夏の青葉を揺らして、やや強く吹く風。爽やかさと力強さを感じさせる。
水鶏	くいな	kuina	Water Rail	水辺の鳥。「くひな」という鳴き声から、戸を叩く音に見立てられ、恋の歌にも詠まれた。
聖母月	せいぼづき	seibozuki	Month of the Holy Mother	カトリック教会で、5月が聖母マリアをたたえる月であることから。
竹の子	たけのこ	takenoko	Bamboo Shoot	竹の若い芽。春から初夏にかけての味覚。成長が早く、生命力の象徴。
若鮎	わかあゆ	waka-ayu	Young Ayu Sweetfish	初夏に川を遡上する、鮎の稚魚。清流を泳ぐ姿は涼しげ。和菓子の銘にもなる。
五月晴れ	さつきばれ	satsukibare	Fine May Weather	本来は梅雨の合間の晴れのことだが、現在では5月のよく晴れた天気を指すことが多い。
落花	らっか	rakka	Falling Blossoms	桜などが散った後、他の花（牡丹など）が散る様。季節の移ろいを表す。
緑雨	りょくう	ryokuu	Green Rain	新緑の木々の上に静かに降る雨。
郭公	かっこう	kakkō	Cuckoo	ホトトギスと同じカッコウ科の鳥で、初夏の高原などで鳴く。托卵の習性で知られる。
清流	せいりゅう	seiryū	Clear Stream	雪解け水が流れ込み、澄みきった川の流れ。若葉が映り、涼しげな初夏の情景。
藤波	ふじなみ	fujinami	Wisteria Waves	藤の花が風に揺れる様を、打ち寄せる波に見立てた言葉。
初音	はつね	hatsune_gomei	First Song	その季節に初めて聞く鳥や虫の声。鶯で有名だが、杜鵑の初音も5月の風情。
小満	しょうまん	shōman	Lesser Ripening of Grain	二十四節気の一つ（5月21日頃）。草木が成長して天地に満ち始める頃。
岩つつじ	いわつつじ	iwatsutsuji	Rock Azalea	岩場に自生する躑躅。厳しい環境で咲く力強さ。
賀茂	かも	kamo	Kamo	京都の賀茂神社のこと。葵祭の中心となる神社。
卯月	うづき	uzuki	Fourth Lunar Month	旧暦4月のこと。「卯の花月」の略。現代の5月にあたり、多くの季語がこの時期に集中する。
風早	かざはや	kazahaya	Swift Wind	風が早く吹き抜けること。初夏の、爽やかで時に強く吹く風。
松の緑	まつのみどり	matsu no midori	Green of the Pine	常緑の松も、初夏には新しい芽（みどり）を出し、一年で最も色が鮮やかになる。
清和	せいわ	seiwa	Clear and Calm	空が晴れて、風が穏やかなこと。初夏の心地よい気候。
白牡丹	しろぼたん	shirobotan	White Peony	白い牡丹の花。豪華さの中に、清らかさや気品を感じさせる。
萍	うきくさ	ukigusa_gomei	Floating Weed	池や沼の水面に浮かぶ水草。5月になると活発に繁殖し、水面を緑に覆う。
常夏	とこなつ	tokonatsu	Everlasting Summer/Pinks	撫子（なでしこ）の別名。夏から秋にかけて咲き続けることから。また、常に夏のようであること。
駒鳥	こまどり	komadori	Japanese Robin	「ヒンカラカラ」と馬のいななきに似た声でさえずる夏鳥。
賤ヶ岳	しずがたけ	shizugatake	Shizugatake	天正11年（1583年）4月、羽柴秀吉と柴田勝家が戦った場所。新緑の古戦場を偲ぶ。
双葉葵	ふたばあおい	futaba-aoi	Asarum caulescens	ハート形の葉が特徴の植物。賀茂神社の神紋であり、葵祭で使われる。
早瀬	はやせ	hayase	Rapids	川の流れが速いところ。雪解け水で増水した川の、力強い流れ。
若武者	わかむしゃ	wakamusha	Young Warrior	若々しい武士。端午の節句の、勇ましく健やかな成長を願う心。
登竜門	とうりゅうもん	tōryūmon	Gateway to Success	鯉が竜門の滝を登ると龍になるという中国の伝説から。立身出世の関門。鯉のぼりに通じる。
閑坐	かんざ	kanza	Sitting Quietly	禅語。静かに坐ること。初夏の心地よい気候の中、静かに過ごす贅沢な時間。
深緑	ふかみどり	fukamidori	Deep Green	初夏、緑が深まってきた頃の濃い緑色。生命力が満ちあふれている様。
花菖蒲	はなしょうぶ	hanashōbu	Japanese Iris	アヤメ科の植物で、水辺で美しい花を咲かせる。端午の節句の菖蒲とは別種だが、季節が重なり混同される。
苔清水	こけしみず	koke-shimizu	Mossy Spring	苔むした岩の間から湧き出る清らかな水。ひんやりとした初夏の情景。
山吹	やまぶき	yamabuki_gomei	Kerria Japonica	春の終わりから初夏にかけ、鮮やかな黄色の花を咲かせる。八重咲きも有名。
真鯉	まごい	magoi	Black Carp	鯉のぼりの一番大きな黒い鯉。家族の大黒柱である父親を表す。
緋鯉	ひごい	higoi	Red Carp	鯉のぼりの二番目に大きな赤い鯉。母親を表す。
閑寂	かんじゃく	kanjaku	Quiet and Serene	静かで物寂しいこと。禅的な心の静けさ。薫風の吹く中での静かな茶席。
馬酔木	あせび	asebi_gomei	Japanese Andromeda	春に咲く花だが、新緑のころの青々とした葉も美しい。4月から引き続き使える。
万緑	ばんりょく	banryoku	Myriad Green / Verdure	見渡す限り緑一色の景色。初夏の生命力に満ちた様。
岩清水	いわしみず	iwashimizu	Rock Spring Water	岩の間から湧き出る清水。清涼感がある。
甘草	かんぞう	kanzō	Daylily	初夏に、橙色や黄色のユリに似た花を咲かせる。若葉は食用にもなる。
新茶	しんちゃ	shincha	New Tea	その年の最初に摘み取られて作られたお茶。八十八夜に摘まれたものが最高とされる。フレッシュな味わい。
葉桜	はざくら	hazakura_gomei	Leafy Cherry Tree	桜の花が散り、若葉が出始めた頃の桜の木。4月にも使うが、5月には完全に葉だけの姿となり、また異なる趣がある。
未央柳	びょうやなぎ	biyōyanagi	Hypericum Monogynum	初夏に梅に似た黄色の花を咲かせる。その美しさから、楊貴妃が「未だ央（なか）ばならず」と愛でたという故事。
渓流	けいりゅう	keiryū	Mountain Stream	谷川の速い流れ。新緑の中を流れる様子は、生命感と涼やかさをもたらす。
菖蒲湯	しょうぶゆ	shōbuyu	Iris Bath	端午の節句に、菖蒲の葉や根を湯船に入れて入る風呂。邪気を払い、健康を願う。
五月雨	さみだれ	samidare	Early Summer Rain	本来は旧暦5月に降る長雨、つまり梅雨のこと。現在では5月に降る雨を指すことも。
青梅	あおうめ	aoume_gomei	Green Plum	まだ熟していない青い梅の実。5月下旬から収穫が始まる。爽やかな酸味。
薬玉	くすだま	kusudama	Scented Ornamental Ball	端午の節句に邪気を払うために柱にかけられた、香料や薬草を錦の袋に入れ、造花や紐で飾ったもの。
泰山木	たいさんぼく	taisanboku	Southern Magnolia	初夏に、大きくて白い、香りの良い花を咲かせる。堂々とした風格がある。
蓬	よもぎ	yomogi	Mugwort	端午の節句に、菖蒲と共に軒に吊るして邪気を払う。草餅の材料としても知られる。
藤の雨	ふじのあめ	fuji no ame	Wisteria Rain	垂れ下がって咲く藤の花を、雨にたとえた言葉。または、雨に濡れる藤の花。
夏木立	なつこだち	natsu kodachi	Summer Grove	青々と葉が茂った夏の木立。5月下旬からこの言葉が似合うようになる。
紫陽花	あじさい	ajisai	Hydrangea	梅雨を代表する花だが、5月下旬には咲き始める。土壌によって花の色が変わる。
走り	はしり	hashiri	The Very First of the Season	旬の食材の中でも、ごく初期に出回るもの。初鰹などが代表例。
手鞠花	てまりばな	temaribana	Snowball Bush	紫陽花に似て、手毬のように丸く咲く花。オオデマリなど。
花筏	はないかだ	hanaikada	Flower Raft	散った桜の花びらが水面に帯状に浮かんで流れていく様。4月の銘だが、5月にもその名残として。また、葉の中央に花が咲く植物の名でもある。
風薫る	かぜかおる	kaze kaoru	The Wind is Fragrant	初夏の、若葉の匂いを運んでくる風が吹くこと。薫風と同義。
清夏	せいか	seika	Clear Summer	空が晴れ渡った、清々しい夏。まだ暑さが厳しくない初夏のこと。
青山	せいざん	seizan_gomei	Green Mountain	夏、木々の葉が生い茂って青々と見える山。
白雲	はくうん	hakuun_gomei	White Clouds	初夏の青空に浮かぶ白い雲。爽やかな情景。
夏浅し	なつあさし	natsu asashi	Summer is Young	夏になったばかりで、まだ本格的な夏の深さがない頃。立夏過ぎの季節感。
花橘	はなたちばな	hana tachibana	Orange Blossom	初夏に咲く橘の白い花。強い芳香があり、万葉集にも詠まれている。懐かしさを誘う香り。
立夏	りっか	rikka	Beginning of Summer	二十四節気の一つで、暦の上で夏が始まる日（5月5日頃）。
岩根	いわね	iwane	Rock Root	岩の根元。または大きな岩そのもの。杜若などが岩の間に咲く景色は「岩根の杜若」として好まれる。
せせらぎ		seseragi	Babbling Brook	浅い川のさらさらと流れる音や、その流れ。涼やかさを呼ぶ。
6月 June
水無月	みなづき	minazuki	Old lunar name of June (“month of water”)	旧暦六月の異称。田に水を引く頃とも。
夏越	なごし	nagoshi	Passing into summer (mid-year)	六月晦日に行う罪穢れ祓い。
夏越祓	なごしのはらえ	nagoshi-no-harae	Mid-year Great Purification	六月三十日の大祓。
茅の輪	ちのわ	chinowa	Ring of cogon grass	神前に据える茅草の大輪。
茅輪潜	ちのわくぐり	chinowa-kuguri	Passing through the grass ring	茅の輪を三度潜り無病息災を祈る。
水無月祓	みなづきばらえ	minazuki-barae	Alternative term for nagoshi-harae	“夏越祓”の別称。
蘇民将来	そみんしょうらい	somin-shōrai	Talisman word on nagoshi plaques	茅輪神事で授与される護符。
水無月菓子	みなづきかし	minazuki-kashi	Triangular rice-cake sweet	京都で夏越に食す氷を象った菓子。
氷室	ひむろ	himuro	Icehouse offering rite	六月朔日に氷を宮中へ献ずる儀。
氷	こおり	kōri	Ice (summer use)	暑気払いの膳に出す氷片。
氷菓	ひょうか	hyōka	Shaved-ice sweets	氷室行事にちなみ始まった夏菓。
氷柱	つらら	tsurara	Blocks of ice used as décor	茶席に据え涼味を添える氷の柱。
涼一味	りょういちみ	ryō-ichimi	“Single flavour of coolness”	利休茶書に見える夏の心得。
涼炉	りょうろ	ryōro	Portable brazier for summer	夏点前で用いる小形風炉。
涼風	りょうふう	ryōfū	Cool early-summer breeze	梅雨晴れの涼しい風。
風薫る	かぜかおる	kazekaoru	Scented wind	青葉の薫りを運ぶ風。
薫風	くんぷう	kunpū2	Balmy fragrant breeze	“風薫る”と同義。
風船葛	ふうせんかずら	fūsenkazu-ra	Bladder-vine	“涼”を呼ぶ鉢植え蔓。
夏至	げし	geshi	Summer solstice	昼が最も長い二十四節気。
半夏生	はんげしょう	hangeshō	Half-summer day (11 days after solstice)	農事区切りの日。
半夏生草	はんげしょうそう	hangeshō-sō	Saururus plant in bloom	白く葉が化粧する水辺草。
梅雨	つゆ	tsuyu	Rainy season	“露”が語源とも言われる長雨期。
入梅	にゅうばい	nyūbai	Official start of tsuyu	“雑節”の一つ 6 月 11 日ごろ。
梅雨入り	つゆいり	tsuyu-iri	Onset of rainy season	気象庁が発表する指標。
梅雨晴	つゆばれ	tsuyubare	Brief sunny spell in tsuyu	雨の合間に覗く青空。
梅雨空	つゆぞら	tsuyuzora	Overcast tsuyu sky	鉛色の梅雨雲。
梅雨雲	つゆぐも	tsuyugumo	Rainy-season clouds	低く垂れ込める雲。
梅雨寒	つゆざむ	tsuyuzamu	Chill felt during tsuyu	長雨で気温下がる肌寒さ。
長雨	ながあめ	naga-ame	Long continuous rain	梅雨を言い換える語。
雨後晴	あめのちはれ	amenochi-hare	Clear sky after rain	梅雨時の貴重な晴れ間。
雨蛙	あまがえる	amagaeru	Japanese tree-frog chirping	雨を呼ぶとされる鳴き声。
蛙	かわず/kawazu	kawazu	Frogs in chorus	“万葉集”にも歌われる夏の声。
蛙声	あわせい/かわせい	kawasei	Sound of frogs	夜田にこだまする合唱。
早苗月夜	さなえづきよ	sanae-zukiyo	Moonlit night over rice seedlings	植え終えた田に映る月。
田水鏡	たみずかがみ	tamizukagami	“Water-mirror” of flooded fields	水面が鏡状に空を映す田。
青田風	あおたかぜ	aotakaze2	Breeze over young rice	“五月”項と重複避け別表記なし。
早苗饗	さなえあえ	sanae-ae	Feast after rice planting	田植え労をねぎらう宴。
紫陽花	あじさい	ajisai	Hydrangea blossom	七変化する梅雨の花。
七変化	しちへんげ	shichi-henge	Hydrangea’s colour‐changing trait	“紫陽花”の別名。
手毬花	てまりばな	temaribana	Globe hydrangea	“手毬型”に咲く園芸種。
額紫陽花	がくあじさい	gaku-ajisai	Lace-cap hydrangea	周囲に装飾花が咲く種。
花菖蒲園	はなしょうぶえん	hanashōbu-en	Iris gardens at peak	“菖蒲園”公開が最盛期。
杜若田	かきつばたでん	kakitsubata-den	Pond thick with kakitsubata iris	水面を埋める燕子花。
水中花	すいちゅうか	suichūka	Flowers floating in glass bowl	涼を呼ぶ初夏飾り。
睡蓮	すいれん	suiren	Water-lily blossoms	朝に開き昼には閉じる花。
蓮始開	はすはじめてひらく	hasu-hajimete-hiraku	“Lotus begins to bloom” micro-season	夏至次候。
河骨	こうほね	kōhone	Yellow water-lily	“河骨川骨”と書く水生花。
花橘香	はなたちばなこう	hanatachibana-kō	Fragrance of citrus blossoms	橘の香が雨に濡れて漂う頃。
橘風	たちばなかぜ	tachibana-kaze	Wind carrying citrus scent	庭の橘を渡る薫風。
花橘	はなたちばな	hanatachibana	Tachibana blossoms	五月記事に重ならぬよう香を強調。
梔子	くちなし	kuchinashi	Cape jasmine bloom	白花が強く香る。
梔子香	くちなしこう	kuchinashi-kō	Fragrance of gardenia	夜気に漂う甘い香。
花橘夜	はなたちばなよる	hanatachibana-yoru	Nightly scent of tachibana	X
青梅雨	あおつゆ2	aotsuyu2	Deep-green tsuyu	“梅雨”中の緑が深まる景。
若葉雷	わかばらい	wakabarai	Thunder through fresh leaves	梅雨期に鳴る遠雷。
走り鰹	はしりがつお	hashirigatsuo	First bonito of summer	初鰹の後続く “走り”。
鰻	うなぎ	unagi	Eel (before midsummer)	土用前に取れる “梅雨鰻”。
鮎解禁	あゆかいきん	ayu-kaikin	Start of wild-ayu fishing	六月一日に解禁の河川多し。
若鮎餅	わかあゆもち	waka-ayu-mochi	Rolled sweet shaped like ayu	“求肥”をカステラで巻き鮎に見立てる菓子。
鮎香魚	あゆこうぎょ	ayu-kōgyo	Fragrant ayu sweet-fish	“香魚”の別表記。
蛍	ほたる	hotaru	Fireflies	水辺に群舞する光虫。
蛍狩	ほたるがり	hotarugari	Firefly viewing	“蛍狩り”として川辺に出る遊び。
蛍籠	ほたるかご	hotarukago	Bamboo cage for fireflies	蛍を入れ涼を楽しむ籠。
螢火	ほたるび	hotarubi	Firefly lights	“蛍の火”を指す雅称。
短夜	みじかよ	mijikayo	Short summer night	夜明けが早い頃。
宵短か	よいみじか	yoimijika	Brief evening twilight	“短夜”同義。宵がすぐ更ける。
夏灯	なつともし	natsu-tomoshi	Summer lamplight	薄衣の人影映す灯。
夕立	ゆうだち	yūdachi	Early-summer evening shower	激しい短時間の雨。
夕立雲	ゆうだちぐも	yūdachigumo2	Anvil clouds of showers	“入道雲”の初期形。
入道雲	にゅうどうぐも	nyūdōgumo	First summer thunder-clouds	僧形に湧く積乱雲。
雲の峰	くものみね	kumonomine	Summer cloud peaks	入道雲の峯を詠む語。
青嵐	あおあらし	aoarashi2	Green early-summer gale	若葉を揺らす強風。
水鶏	くいな	kuina	Water-rail bird	梅雨の夜に鳴く水鳥。
十薬	じゅうやく	jūyaku	Flowering Houttuynia	“ドクダミ”の白花。
雷草	かみなりぐさ	kaminari-gusa	Dayflower sprout	“露草”とも。雨期に青花。
青簾	あおすだれ	aosudare	Green bamboo blinds	“御簾”替わりに掛け涼をとる。
簾巻	すだれまき	sudaremaki	Rolling up blinds for breeze	室内に風を通す所作。
団扇	うちわ	uchiwa	Flat summer fan	竹骨に和紙張りの扇。
白南風	しらはえ	shirahae	South breeze after tsuyu	梅雨明けに吹く乾いた風。
黒南風	くろはえ	kurohae	Moist south wind before storm	雨雲を伴う暗い南風。
青田波	あおたなみ	aotanami	“Green-field waves” of rice	風で揺れる稲苗の波。
田水沸く	たみずわく	tamizu-waku	Water in paddies bubbling	強い日差しで気泡立つ水。
青楓雨	あおかえであめ	aokaede-ame	Rain glistening on green maples	青楓に滴る梅雨雨。
青紅葉	あおもみじ	aomomiji	Un-turned maple leaves	“早緑”の楓を愛でる語。
若鮎簗	わかあゆやな	waka-ayu-yana	Weir catching young ayu	涼味を呼ぶ川漁景。
川床	かわゆか/kawadoko	kawadoko	Riverside platform dining	鴨川などに設ける涼席。
水団	すいとん	suiton	Stone-weighted bed mat	夏用に敷く布団の類。
青竹茶杓	あおだけちゃしゃく	aodake-chashaku	Fresh-cut green-bamboo chashaku	涼味を重んじ六月に削る青竹杓。
竹鳴風	たけなるかぜ	takenaru-kaze	Wind soughing in bamboo	“笹鳴る風”とも。
青芒	あおすすき	aosusuki	Fresh-green pampas grass	穂立ち前の緑の薄。
夕涼	ゆうすずみ	yūsuzumi	Evening cooling pastime	縁側で涼を取る習慣。
涼干	すずみぼし	suzumiboshi	Night airing of clothes/bedding	夕涼み兼ね衣類を干す。
涼雨	りょうう	ryōu	Cool refreshing rain	暑気を鎮める夕立。
青簾影	あおすだれかげ	aosudarekage	Shadow cast by green blinds	簾越しの柔らかな影。
水雲	もずく	mozuku	Edible mozuku seaweed	初夏に旬迎える海藻。
若布干	わかめほし	wakame-hoshi	Drying wakame seaweed	浜辺に広げて干す景。
糸瓜苗	へちまなえ	hechima-nae	Luffa seedlings	“糸瓜”を畑に植える頃。
青瓜	あおうり	aouri	Young cucumber/gourd	みずみずしい初物瓜。
胡瓜揉	きゅうりもみ	kyūri-momi	Vinegared cucumber salad	梅雨時の涼味菜。
麦茶香	むぎちゃこう	mugicha-kō	Aroma of roasted barley tea	煎り立て麦茶の香気。
青梅酒	あおうめしゅ	aoume-shu	Liqueur of green plums	“梅酒”仕込み始める時期。
梅実黄	うめのみきばみ	umenomi-kibami2	Plum fruits turn yellow	“梅子黄”の表記違い。
芒種	ぼうしゅ	bōshu	Grain-in-ear solar term	稲の種蒔き適期。
腐草為蛍	くされたるくさほたるとなる	kusaretaru-kusa-hotaru-to-naru	“Rotten grass turns to fireflies” micro-season	芒種末候。
菜果青	さいかあおし	saika-aoshi	Vegetables all lush green	市場に青物豊かな頃。
水無月涼	みなづきりょう	minazuki-ryō	Coolness sought in Minazuki	“涼一味”を実践する六月の趣。
紫陽花	あじさい	ajisai	Hydrangea	梅雨の時期を代表する花。土の酸性度によって花の色が変化することから、「七変化」とも呼ばれる。雨に濡れた姿が美しい。
蛍	ほたる	hotaru	Firefly	清流のほとりを飛び交う、夏の夜の風物詩。その儚く美しい光は、古来より多くの人を魅了してきた。
五月雨	さみだれ	samidare	Early Summer Rain	旧暦5月（現在の6月頃）に降り続く長雨、つまり梅雨のこと。しっとりとした日本の風情を象徴する。
梅雨	つゆ / ばいう	tsuyu / baiu	Rainy Season	6月頃、日本が曇りや雨の多い時期に入ること。梅の実が熟す頃に降る雨であることから「梅雨」と書く。
鮎	あゆ	ayu	Ayu / Sweetfish	初夏から夏にかけての川魚の代表。清流を好み、その姿や味わいから夏の風物詩とされる。鵜飼の鮎も有名。
滝	たき	taki	Waterfall	夏、涼を求めて人々が訪れる場所。水が勢いよく流れ落ちる様は、涼やかさと力強さを感じさせる。
涼	りょう	ryō	Coolness	夏の暑さの中で感じる、心地よい涼しさ。木陰の涼しさや、風の涼しさなど。
杜若	かきつばた	kakitsubata	Rabbit-Ear Iris	水辺に咲く、紫色の優美な花。5月から引き続き、初夏の代表的な花として使われる。
青梅	あおうめ	aoume	Green Plum	まだ熟していない青い梅の実。梅酒や梅干し作りの季節。爽やかな酸味が特徴。
水無月	みなづき	minazuki	Minazuki (Poetic month name)	旧暦6月のこと。「水の月」という意味で、田んぼに水を引く月であることから。また、同名の和菓子もある。
夏至	げし	geshi	Summer Solstice	二十四節気の一つ。北半球で一年で最も昼の時間が長くなる日（6月21日頃）。
苔	こけ	koke	Moss	梅雨の湿気を含んで、青々と美しくなる苔。庭石や灯籠を覆う様は、わびさびの風情を感じさせる。
鵜飼	うかい	ukai	Cormorant Fishing	鵜（う）という鳥を使って鮎を獲る、伝統的な漁法。夏の夜、篝火を焚いて行われる。
氷室	ひむろ	himuro	Ice House	冬の氷を夏まで貯蔵しておくための室。昔は、夏の宮中での氷の利用のために重要だった。
夏木立	なつこだち	natsu-kodachi	Summer Grove	青々と葉が茂った夏の木々の集まり。涼しげな木陰を作る。
水の音	みずのおと	mizu no oto	Sound of Water	滝や川のせせらぎ、雨音など、涼を呼ぶ夏の水の音。
蝸牛	かたつむり	katatsumuri	Snail	雨の日に、紫陽花の上などによく見られる。梅雨の風物詩。
入梅	にゅうばい	nyūbai	Start of the Rainy Season	暦の上で梅雨の季節に入ること。雑節の一つ（6月11日頃）。
涼風	りょうふう	ryōfū	Cool Breeze	夏の暑い日に吹く、涼しい風。心地よさ。
水面	みなも	minamo	Water's Surface	池や湖の水の表面。雨粒が描く波紋や、夏の光を反射する様。
雨宿り	あまやどり	amayadori	Taking Shelter from Rain	急な雨を、軒下などでやり過ごすこと。梅雨の時期らしい情景。
短夜	みじかよ	mijikayo	Short Night	夏至の頃、夜の時間が一年で最も短くなること。
虹	にじ	niji	Rainbow	雨上がりの空にかかる七色の橋。梅雨の晴れ間に見られると、特に美しい。
夏草	なつくさ	natsukusa	Summer Grass	夏に勢いよく生い茂る草。生命力の象徴。
睡蓮	すいれん	suiren	Water Lily	夏、水面に美しい花を咲かせる。朝に咲き、夕方には閉じる（眠る）ことからこの名がある。
青葉風	あおばかぜ	aobakaze	Green Leaf Wind	青々と茂った葉を揺らして吹く、初夏の風。薫風よりも少し後の季節感。
雨蛙	あまがえる	amagaeru	Tree Frog	雨が降る前や降っている時に鳴く、小さな緑色の蛙。
篝火	かがりび	kagaribi	Bonfire / Watch Fire	鵜飼などで、魚を誘い、また手元を照らすために焚く火。夏の夜の情景。
夏衣	なつごろも	natsu-goromo	Summer Clothes	6月1日の「衣替え」で、夏用の薄手の衣服に変えること。
嘉祥	かじょう	kajō	Kajō (Sweet-eating Day)	6月16日、厄除けを願って和菓子を食べる、平安時代からの風習。
雨後の月	うごのつき	ugo no tsuki	Moon After Rain	雨が上がった後の、澄んだ空に輝く月。空気中の塵が洗われ、ひときわ美しい。
清流	せいりゅう	seiryū_june	Clear Stream	夏、涼を求めて訪れる、澄み切った川の流れ。鮎が棲む川。
岩清水	いわしみず	iwashimizu_june	Rock Spring Water	夏の暑い日に、岩の間から湧き出る冷たい清水は、一層清涼感を感じさせる。
七変化	しちへんげ	shichihenge	Seven Transformations	紫陽花の別名。花の色が様々に変化することから。
緑陰	りょくいん	ryokuin	Shade of Trees	夏の木々の、緑の濃い木陰。休憩や涼む場所。
時鳥	ほととぎす	hototogisu_june	Lesser Cuckoo	5月に渡来し、6月になっても盛んに鳴く。夏の訪れを告げる鳥として引き続き用いられる。
半夏生	はんげしょう	hangeshō	Lizard's Tail Plant	夏至から11日目頃（7月2日頃）の雑節。また、その時期に、葉の半分が白く化粧をしたように変化する植物。
梔子	くちなし	kuchinashi	Gardenia	初夏に、白く肉厚で、非常に香りの良い花を咲かせる。
夏椿	なつつばき	natsu-tsubaki	Japanese Stewartia	沙羅の木の和名。はかない美しさの象徴。
滴り	したたり	shitadari	Dripping	苔むした岩や木の葉から、水滴がしたたり落ちること。静かで涼しげな情景。
竹露	ちくろ	chikuro	Dew on Bamboo	竹の葉に宿る露。夏の朝の、清涼な気配。
白糸の滝	しらいとのたき	shiraito no taki	White Thread Waterfall	水が白い糸を垂らしたように、細く幾筋にもなって流れ落ちる滝の様。涼やかで美しい。
雨だれ	あまだれ	amadare	Raindrop	軒先などから滴り落ちる雨のしずく。梅雨の風情。
早瀬	はやせ	hayase_june	Rapids	夏の増水した川の、流れが速い部分。力強い水の動き。
青苔	せいたい	seitai	Green Moss	青々とした苔。苔の緑が最も美しくなる季節。
夏野	なつの	natsuno	Summer Field	緑の草が一面に生い茂った夏の野原。
若竹	わかたけ	wakatake	Young Bamboo	この時期に伸びる、若く青々とした竹。成長の早さが生命力を感じさせる。
夏雲	なつぐも	natsugumo	Summer Clouds	夏に見られる、もくもくと力強く湧き上がる入道雲など。
若楓	わかかえで	wakakaede	Young Maple	楓の若葉。春の芽吹きから、緑が深まるまでの時期。
衣替え	ころもがえ	koromogae	Changing of Clothes	6月1日に、夏服へと替える習慣。季節の節目。
さつき	さつき	satsuki	Satsuki Azalea	旧暦の5月（皐月）に咲くことから名付けられたツツジの一種。現代の6月頃に満開となる。
あやめ	あやめ	ayame_hana	Iris sanguinea	乾いた土地に咲く、網目模様が特徴のアヤメ科の花。花菖蒲や杜若としばしば混同されるが、別の種類。
玉紫陽花	たまあじさい	tama-ajisai	Hydrangea involucrata	紫陽花の一種。つぼみが球形（玉）であることから。
釣舟	つりぶね	tsuribune	Fishing Boat	川や湖で釣りをするための小舟。鮎釣りの情景。
夏山	なつやま	natsuyama	Summer Mountain	木々の緑が深まった夏の山。生命力に溢れる。
青時雨	あおしぐれ	aoshigure	Rain Falling on Green Leaves	青葉に降り注ぐ通り雨。夏の季語。
蛍火	ほたるび	hotarubi	Firefly's Light	蛍の放つ光。夏の夜の、儚くも美しい情景。
明月	めいげつ	meigetsu_june	Bright Moon	雨上がりの澄んだ空に輝く、明るい月。秋の銘として有名だが、梅雨の晴れ間の月を指しても使える。
せきれい	せきれい	sekirei	Wagtail	水辺を好む鳥。尾を上下に振る姿が特徴的。清流の情景と結びつく。
青流	せいりゅう	seiryū_aonagare	Green Stream	青葉を水面に映して、緑色に見える川の流れ。
水鶏	くいな	kuina_june	Water Rail	夏の水辺の鳥。戸を叩くような鳴き声が特徴。5月からの季語。
白雨	はくう	hakuu	White Rain / Squall	夏の午後に降る、明るい空から降るにわか雨。
風鈴	ふうりん	fūrin	Wind Chime	軒先に吊るし、風を受けて涼しげな音を立てる夏の飾り物。早い夏の涼として。
苔衣	こけごろも	kokegoromo	Moss Garb	苔が岩や木を覆っている様を、衣に見立てた言葉。わびた風情。
一滴	いってき	itteki	A Single Drop	雨や露の一滴。広大な自然の中に存在する、小さな一点に宇宙を見る禅的な思想。
岩燕	いわつばめ	iwatsubame	Crag Martin	ツバメの一種で、山地の岩場などに巣を作る。
夏場所	なつばしょ	natsu basho	Summer Grand Sumo Tournament	大相撲の五月場所のこと。実際は5月だが、夏の訪れを感じさせる行事として6月に使うこともある。
未草	ひつじぐさ	hitsujigusa	Pygmy Water-lily	睡蓮の一種。未の刻（午後2時）頃に花を咲かせることから。
青鷺	あおさぎ	aosagi	Grey Heron	水辺に棲む、大型のサギ。水田や川でじっと獲物を待つ姿が見られる。
水音	みずおと	mizuoto	Sound of Water	「水の音」と同じ。より直接的な表現。
竹の節	たけのふし	take no fushi	Bamboo Joint	若竹がぐんぐん伸びる様子。成長の節目。
五月闇	さつきやみ	satsukiyami	Darkness of the Fifth Month	梅雨の時期、厚い雲に覆われて月明かりもなく、真っ暗な夜。
落とし文	おとしぶみ	otoshibumi	Rolled-leaf Weevil's Cradle	オトシブミという昆虫が、卵を産み付けるために葉を巻いて作る「揺りかご」。落とした手紙のように見える。
夏暁	なつあけ	natsuake	Summer Dawn	夏の夜明け。すぐに明るくなり、一日が始まるのが早い。
泉	いずみ	izumi	Spring / Fountain	地下から水が湧き出ている所。夏の冷たい泉は命の源のよう。
水玉	みずたま	mizutama	Water Drop / Polka Dot	葉の上に乗った水滴。または、雨粒の模様。
洗心	せんしん	senshin	Cleansed Heart	滝や清流の音を聞き、心を洗い清めること。
雨晴	あまばれ	amabare	Clearing After Rain	雨がやんで晴れ間がのぞくこと。虹や、雨後の月を連想させる。
沙羅	さら / しゃら	sara / shara	Stewartia / Deciduous Camellia	初夏、椿に似た白い花を咲かせ、一日で散ってしまう儚い花。夏椿のこと。平家物語の冒頭で有名。
蛍狩	ほたるがり	hotarugari	Firefly Watching	夏の夜、蛍を観賞しに出かけること。かつては蛍を捕まえたが、今は観賞が主。
せせらぎ		seseragi	Babbling Brook	浅い川のさらさらと流れる音や、その流れ。夏には特に涼しさを感じさせる。
岩つつじ	いわつつじ	iwatsutsuji	Rock Azalea	5月に咲き始めるが、山地では6月に見頃を迎える場所もある。
7月 July
文月	ふみづき	fumizuki	Old lunar name of July	“書を贈りあう月”から転じた月名。
小暑	しょうしょ	shōsho	Minor‐Heat solar term	二十四節気で梅雨明け頃。
大暑	たいしょ	taisho	Major‐Heat solar term	一年で最も暑さ極まる頃。
盛夏	せいか	seika	High summer	“夏の盛り”を指す季語。
炎暑	えんしょ	ensho	Blazing heat	炎えるような暑さをいう。
猛暑	もうしょ	mōsho	Fierce heat	厳しい真夏日を表す語。
溽暑	じょくしょ	jokusho	Sultry damp heat	湿り気を帯びた蒸し暑さ。
土用	どよう	doyō	Dog-days before autumn	立秋前十八日間の暑期。
土用丑	どよううし	doyō-ushi	Day of the Ox in dog-days	鰻を食す習慣で知られる。
土用鰻	どよううなぎ	doyō-unagi	Eel eaten at doyō	土用丑の日の鰻料理。
土用干	どようぼし	doyōboshi	Sun-drying of books & clothes	梅雨明け後に虫干しする習慣。
星祭	ほしまつり	hoshimatsuri	Star Festival (Tanabata)	七月七日の行事名。
七夕	たなばた	tanabata	Evening of the Seventh	織姫と彦星の伝説から派生。
星合	ほしあい	hoshiai	“Meeting of stars”	七夕の古称。
織姫	おりひめ	orihime	Weaving Princess star	Vega に擬せられる女星。
彦星	ひこぼし	hikoboshi	Cowherd star	牽牛星アルタイルの和名。
牽牛星	けんぎゅうせい	kengyūsei	“Ox-herd” star (Altair)	七夕物語の男性星。
銀河	ぎんが	ginga	Milky Way	“天の川”の漢語表現。
天の川	あまのがわ	amanogawa	The Milky Way	夏の夜空に横たわる星河。
笹飾	ささかざり	sasakazari	Bamboo‐leaf decorations	短冊や紙細工を笹に飾る。
短冊	たんざく	tanzaku	Poem slips for wishes	願い事を書き笹に結ぶ紙。
笹舟	ささぶね	sasabune	Bamboo-leaf boats	笹の葉で作り川に流す遊び。
笹短冊	ささたんざく	sasatanzaku	Tanzaku on bamboo	短冊を結びつけた笹そのもの。
乞巧奠	きっこうでん	kikkōten	Ancient star-weaving rite	宮中で行われた七夕の儀式。
鵲橋	かささぎばし	kasasagibashi	Bridge of magpies	鵲が翼で架ける星の橋。
星の雫	ほしのしずく	hoshi-no-shizuku	“Drops of stars”	天の川の光滴を喩える雅称。
花火	はなび	hanabi	Fireworks	夏祭りの夜を彩る打上げ。
大花火	おおはなび	ōhanabi	Grand fireworks display	尺玉など大型花火。
打上花火	うちあげはなび	uchiage-hanabi	Sky-rocket fireworks	空高く打ち上げる種類。
隅田川花火	すみだがわはなび	sumidagawa-hanabi	Sumida-gawa Fireworks Festival	江戸中期から続く名物行事。
夜花火	よるはなび	yoruhanabi	Night fireworks	色とりどりの夜空の花。
朝顔	あさがお	asagao	Morning glory	早朝に開き昼に萎む花。
桔梗	ききょう	kikyō	Balloon-flower	秋の七草に先駆けて咲く。
合歓	ねむ	nemu	Silk-tree blossom	夜に葉を閉じる淡紅花。
木槿	むくげ	mukuge	Rose-of-Sharon	朝咲き夕方しぼむ花。
芙蓉	ふよう	fuyō	Cotton-rose mallow	盛夏に大輪を開く薄紅花。
百日紅	さるすべり	sarusuberi	Crape-myrtle	“百日咲き”の長花期。
向日葵	ひまわり	himawari	Sunflower	太陽を追う大輪黄花。
紅蓮	こうれん	kōren	Red lotus in full bloom	盛夏の深紅の蓮花。
荷風	かふう	kafū	“Lotus wind”	蓮池を渡る微風。
鵜飼	うかい	ukai	Cormorant fishing	篝火を焚き鵜で鮎を獲る漁。
鵜舟	うぶね	ubune	Cormorant-fishing boat	鵜匠が乗る細長い和船。
鵜篝	うかがり	ukagari	Torch for cormorant fishing	鵜を操るための松明。
祇園祭	ぎおんまつり	gion-matsuri	Gion Festival in Kyoto	七月いっぱい続く八坂神社例祭。
山鉾	やまほこ	yamahoko	Decorated festival floats	祇園祭で巡行する曳山。
宵山	よいやま	yoiyama	Eve of Gion parade	巡行前夜に鉾町が賑わう。
長刀鉾	なぎなたぼこ	naginata-hoko	Naginata Float	祇園祭先頭を行く名鉾。
鱧	はも	hamo	Pike-conger	“祇園祭の鱧”として名高い魚。
鱧落とし	はもおとし	hamo-otoshi	Par-boiled hamo slices	骨切りして湯引きする料理。
土用波	どようなみ	doyō-nami	Summer swell at beaches	土用頃に立つ大きなうねり。
浜風	はまかぜ	hamakaze	Seaside breeze	浜辺を吹く涼しい風。
渚	なぎさ	nagisa	Water’s edge	“波打ち際”を指す夏の語。
潮騒	しおさい	shiosai	Sound of surf	夜の浜に響く波音。
海水浴	かいすいよく	kaisuiyoku	Sea bathing	明治期に広まった夏の行楽。
金魚	きんぎょ	kingyo	Goldfish	“金魚売り”が町に来る頃。
金魚鉢	きんぎょばち	kingyobachi	Goldfish bowl	涼を誘う水鉢。
風鈴	ふうりん	fūrin	Glass & metal wind-bell	涼音で暑さを忘れさせる道具。
涼鈴	りょうりん	ryōrin	“Cool bell”	風鈴の雅称。
朝涼	あさすずみ	asasuzumi	Cool of early morning	日の出直後の爽やかさ。
昼涼	ひるすずみ	hirusuzumi	Mid-day cool spot	蔭に入って暑気を避ける。
夜涼	よりょう	yoryō	Night cool	夜風に涼を得ること。
打水	うちみず	uchimizu	Water sprinkling on ground	路面に水を打ち涼を呼ぶ。
ところてん	ところてん	tokoroten	Sea-weed gel noodles	冷やして酢を掛ける夏菓。
葛切り	くずきり	kuzukiri	Arrow-root starch noodles	蜜を添えて供す涼味。
水羊羹	みずようかん	mizuyōkan	Chilled bean-jelly	夏場限定の流し羊羹。
白玉	しらたま	shiratama	Rice-flour dumplings	冷やし蜜に浮かべる団子。
葛餅	くずもち	kuzumochi	Kuzu-starch cake	発酵小麦澱粉を蒸す江戸菓子。
冷茶	れいちゃ	reicha	Chilled green tea	湯を使わず水で淹れる茶。
麦湯	むぎゆ	mugiyu	Barley infusion served cold	麦茶の旧称。
熱帯夜	ねったいや	nettaiya	Tropical night	最低気温25℃超の夜。
星涼	ほしすず	hoshisuzu	“Coolness among stars”	星明りが涼感を与える夜。
南風	みなみかぜ	minamikaze	Southerly summer wind	梅雨明け後に吹く温風。
浜昼顔	はまひるがお	hamahirugao	Seaside bindweed	砂浜に咲く淡紅の花。
青蜻蛉	あおとんぼ	aotonbo	Green damselfly	水辺に群れる青い蜻蛉。
糸蜻蛉	いととんぼ	itotonbo	Needle damselfly	細身で糸の如き体形。
蜻蛉玉	とんぼだま	tonbodama	Glass “dragonfly” bead	江戸から伝わるガラス玉。
蝉	せみ	semi	Cicada in general	盛夏に鳴く昆虫の総称。
初蝉	はつぜみ	hatsuzemi	First cicada heard	その年の初鳴き。
油蝉	あぶらぜみ	aburazemi	Large “oil” cicada	ジリジリ鳴く日本最大種。
蜩	ひぐらし	higurashi	Evening cicada	涼感ある声で鳴く蝉。
法師蝉	ほうしぜみ	hōshizemi	Tree-top cicada	“ホーシーシー”と鳴く種。
蝉時雨	せみしぐれ	semishigure	Cicada rain	多数の蝉が一斉に鳴くさま。
早蝉	さっせみ	sassemi	Very early cicada	梅雨明けすぐ鳴く蝉。
氷水	こおりみず	kōrimizu	Glass of shaved ice water	氷と蜜のみの簡素涼味。
刨氷	かきごおり	kakigōri	Shaved ice dessert	純氷を刨いて蜜を掛ける。
涼朝	りょうちょう	ryōchō	Cool summer dawn	夜明けのひんやりした空気。
夏雲	なつぐも	natsugumo	Summer clouds	真白く湧き立つ雲。
水中月	すいちゅうげつ	suichūgetsu	The moon reflected on water	池に映る夏の月。
宵闇	よいやみ	yoiyami	Early evening darkness	日暮れ後すぐのほの暗さ。
星屑	ほしくず	hoshikuzu	Stardust	“銀河”を構成する無数の星。
星火	ほしか	hoshika	“Fire of stars”	瞬く星を火に喩えた語。
茄子花	なすばな	nasubana	Egg-plant blossoms	紫色の小花が一斉に咲く。
西瓜	すいか	suika	Water-melon	“夏の王様”果実。
冷瓜	ひやしうり	hiyashi-uri	Chilled melon	井戸水で冷やした瓜。
夕虹	ゆうにじ	yūniji	Evening rainbow	夕立後に現れる虹。
天気雨	てんきあめ	tenki-ame	Sun-shower	“狐の嫁入り”とも呼ぶにわか雨。
水風呂	みずぶろ	mizuburo	Cold bath	湯を張らず水で浸かる風呂。
涼星	りょうせい	ryōsei	“Cool star”	涼感を届ける星の光。
鬼灯	ほおずき	hōzuki	Chinese lantern plant	赤い袋状果実。浅草の市で有名。
鬼灯市	ほおずきいち	hōzuki-ichi	Ground-cherry fair	浅草寺の七月市。
迎火	むかえび	mukaebi	Welcoming bonfire	盆前に霊を迎える火。
水茄子	みずなす	mizunasu	Juicy pickling eggplant	大阪・泉州特産の浅漬用茄子。
心太	ところてん(こころてん)	shinsō/ tokoroten	Agar noodles (alt. kanji)	漢字表記“心太”。
朝凪	あさなぎ	asanagi	Calm morning sea	夜明けに風が止む凪。
夕凪	ゆうなぎ	yūnagi	Calm evening sea	日没後に風止む凪。
七夕	たなばた	tanabata	Tanabata (Star Festival)	7月7日の節句。織姫と彦星が、年に一度だけ天の川を渡って会えるという伝説に基づく。笹に短冊を飾って願掛けをする。
祇園祭	ぎおんまつり	gion matsuri	Gion Festival	京都市の八坂神社で7月1ヶ月にわたって行われる祭り。特に17日と24日の山鉾巡行が有名。夏の疫病退散を祈願する。
蓮	はす	hasu	Lotus	夏の早朝、泥の中から清らかな花を咲かせる。仏教では、悟りの象徴として神聖な花とされる。
天の川	あまのがわ	amanogawa	Milky Way	七夕の夜、織姫と彦星を隔てる川。夏の夜空を彩る、無数の星の集まり。
蝉	せみ	semi	Cicada	夏の到来を告げるように、一斉に鳴き始める。その声は夏の暑さを象徴する。
夕立	ゆうだち	yūdachi	Evening Shower	夏の午後から夕方にかけて、急に激しく降る雨。雷を伴うことが多い。雨の後は涼しくなる。
海開き	うみびらき	umibiraki	Opening of Beaches for the Season	夏の海水浴シーズンの始まりに行われる、安全を祈願する神事。本格的な夏の到来。
文月	ふみづき / ふづき	fumizuki / fuzuki	Fumizuki (Poetic month name)	旧暦7月のこと。七夕に、書道の上達を願って短冊に詩歌を書いたことから「文月」と呼ばれるようになったという説がある。
朝顔	あさがお	asagao	Morning Glory	夏の朝、涼しい時間帯に開花し、昼にはしぼんでしまう蔓性の一年草。江戸時代に大流行した。
雷	かみなり	kaminari	Thunder	夏の積乱雲によって起こる、激しい音と光。夕立と共によく発生する。
風鈴	ふうりん	fūrin	Wind Chime	軒先に吊るし、風を受けて涼しげな音を立てる夏の飾り物。その音色で涼を感じる。
団扇	うちわ	uchiwa	Uchiwa (flat fan)	夏の暑さをしのぐために、手で扇いで風を起こす道具。日本の夏の必需品。
氷	こおり	kōri	Ice	夏の暑さを和らげるための氷。かき氷や、飲み物を冷やすのに使われる。涼の象徴。
織姫	おりひめ	orihime	Orihime (Vega)	七夕伝説の主人公。機織りの上手な働き者。こと座のベガのこと。
彦星	ひこぼし	hikoboshi	Hikoboshi (Altair)	七夕伝説の主人公。牛飼いの働き者。わし座のアルタイルのこと。
短冊	たんざく	tanzaku	Tanzaku strips	七夕に、願い事を書いて笹に吊るす、五色の細長い紙。
宵山	よいやま	yoiyama	Eve of the Main Festival (Gion)	祇園祭の山鉾巡行の前夜祭。提灯に灯りがともされ、多くの人で賑わう。
冷奴	ひややっこ	hiyayakko	Chilled Tofu	冷やした豆腐に、薬味を乗せて醤油で食べる、夏の代表的な料理。
素麺	そうめん	sōmen	Sōmen Noodles	夏の暑い日に、冷たくして食べる、非常に細い小麦の麺。清涼感がある。
夕涼み	ゆうすずみ	yūsuzumi	Enjoying the Evening Cool	夏の夕方、縁側や川辺などに出て、涼むこと。日本の夏の風習。
納涼	のうりょう	nōryō	Enjoying the Cool	夏の暑さを避けるために、涼しい場所や方法で涼しさを味わうこと。
かき氷	かきごおり	kakigōri	Shaved Ice	氷を細かく削り、シロップなどをかけて食べる、夏の氷菓子。
夏休み	なつやすみ	natsuyasumi	Summer Vacation	7月下旬から8月にかけての、学校の長期休暇。
金魚	きんぎょ	kingyo	Goldfish	夏の風物詩。水の中を優雅に泳ぐ姿が、涼しさを感じさせる。
向日葵	ひまわり	himawari	Sunflower	夏、太陽の方を向いて大きな花を咲かせる。夏の太陽の象徴。
浜辺	はまべ	hamabe	Beach / Shore	海や湖の岸。夏の行楽地。
波	なみ	nami	Wave	海や湖の水面に立つ波。寄せては返す波音が、心地よい。
小暑	しょうしょ	shōsho	Lesser Heat	二十四節気の一つ（7月7日頃）。梅雨が明け、本格的な暑さが始まる頃。
大暑	たいしょ	taisho	Greater Heat	二十四節気の一つ（7月23日頃）。一年で最も暑さが厳しくなる頃。
乞巧奠	きっこうでん	kikkōden	Festival of Pleading for Skills	七夕の原型となった、古代中国の宮中行事。機織りや裁縫の上達を願った。
梶の葉	かじのは	kaji no ha	Kaji (Paper Mulberry) Leaf	七夕に、和歌などを書いて供えた葉。短冊が使われる前の風習。
笹飾り	ささかざり	sasa kazari	Bamboo Decorations	七夕に、願い事を書いた短冊や飾りを吊るした笹。
星合	ほしあい	hoshiai	Meeting of Stars	七夕に、織姫と彦星が出会うこと。
鵲の橋	かささぎのはし	kasasagi no hashi	Magpie Bridge	七夕の夜、カササギが翼を連ねて天の川に架けるという伝説の橋。
遠雷	えんらい	enrai	Distant Thunder	遠くで聞こえる雷の音。本格的な夕立の前の気配。
雲の峰	くものみね	kumo no mine	Peak of the Clouds	夏に発達する大きな積乱雲が、山の峰のように見える様。
打ち水	うちみず	uchimizu	Sprinkling Water	庭や道に水をまいて涼を得る、日本の夏の風習。気化熱で気温を下げる。
梅雨明け	つゆあけ	tsuyuake	End of the Rainy Season	梅雨が終わり、本格的な夏空が広がる頃。
白鷺	しらさぎ	shirasagi	White Egret	夏、水田などで見られる、全身が白いサギの総称。涼しげな姿。
砂浜	すなはま	sunahama	Sandy Beach	海の岸辺の、砂が一面に広がっている場所。
土用	どよう	doyō	Doyō (Midsummer period)	夏の土用のこと。立秋前の約18日間を指し、一年で最も暑い時期とされる。
鰻	うなぎ	unagi	Eel	夏の土用の丑の日に、夏バテ防止のために食べられる。
浴衣	ゆかた	yukata	Yukata	夏の湯上りや、夏祭りなどに着る、薄手の木綿の着物。
宵待草	よいまちぐさ	yoimatsugusa	Evening Primrose	夕方に咲き、朝にはしぼむ黄色い花。
銀河	ぎんが	ginga	Galaxy / Milky Way	天の川の漢語的表現。壮大な宇宙を感じさせる。
瀑布	ばくふ	bakufu	Great Waterfall	滝の漢語的表現。より力強く、壮大な滝。
青空	あおぞら	aozora	Blue Sky	梅雨明けの、すっきりと晴れ渡った夏の青空。
蝉時雨	せみしぐれ	semishigure	Cicada Chorus	多くの蝉が一斉に鳴く声を、時雨（通り雨）の音にたとえた言葉。
星月夜	ほしづきよ	hoshizukiyo	Starlit Night	月が出ていなくても、星の光で明るく感じる夜。夏の澄んだ夜空。
清涼	せいりょう	seiryō	Refreshing Coolness	夏の暑さの中での、すがすがしい涼しさ。
涼風	りょうふう	ryōfū_july	Cool Breeze	夏の暑い日に吹く、涼しい風。6月から引き続き使用。
水鏡	みずかがみ	mizukagami	Water Mirror	静かな水面に、景色が鏡のように映っている様。夏の緑が映る。
舟遊び	ふなあそび	funaasobi	Boating	川や湖に舟を浮かべて遊ぶこと。夏の納涼の一つ。
ガラス	がらす	garasu	Glass	夏の茶道具として、涼しげなガラスの器が好まれることから。
桔梗	ききょう	kikyō	Bellflower	夏から秋にかけて咲く、青紫色の星形の花。気品がある。
合歓	ねむ	nemu	Silk Tree	夏、夕方になると葉が閉じて眠るように見える木。夕方に、羽毛のような淡紅色の花を咲かせる。
西瓜	すいか	suika	Watermelon	夏の果物の代表。水分が多く、体を冷やす効果がある。
白蓮	びゃくれん	byakuren	White Lotus	白い蓮の花。泥に染まらず咲く姿から、特に清浄さの象徴。
露草	つゆくさ	tsuyukusa	Asiatic Dayflower	夏、朝露を帯びて咲き、昼にはしぼむ青い小花。その儚さから。
茅の輪	ちのわ	chinowa	Chinowa (reed hoop)	6月30日の夏越の祓で行われる、茅で編んだ大きな輪。これをくぐり、半年の穢れを祓う。7月になっても飾られる神社もある。
夏越の祓	なごしのはらえ	nagoshi no harae	Summer Passing Purification	6月30日に行われる神事。一年の前半の穢れを祓い、後半の無病息災を願う。7月初旬に銘として使われることがある。
浜木綿	はまゆう	hamayū	Crinum Lily	夏の海岸に咲く、白い花。「はまおもと」とも。夕方に開き、強い香りを放つ。
炎天	えんてん	enten	Scorching Sun / Blazing Sky	炎のように燃え立つ夏の空。厳しい暑さ。
常夏	とこなつ	tokonatsu_july	Everlasting Summer/Pinks	撫子の別名。夏から秋にかけ咲き続けることから。源氏物語の巻名でもある。
氷水	こおりみず	kōrimizu	Ice Water	氷を入れて冷たくした水。暑い夏の日の最高の御馳走。
海	うみ	umi	Sea / Ocean	夏の行楽地としての海。生命の源であり、広大さ。
昼顔	ひるがお	hirugao	Bindweed	昼間に咲く、朝顔に似た淡紅色の花。
水遊び	みずあそび	mizu-asobi	Playing in the Water	子供たちが、川や海で水に親しんで遊ぶこと。夏の楽しい思い出。
夜店	よみせ	yomise	Night Stall / Night Fair	夏祭りなどで、夜に開かれる屋台。金魚すくいなど。
玉簾	たますだれ	tamasudare	Zephyranthes	夏から秋に、白い清楚な花を咲かせる。雨の後に咲くことが多い。
清風	せいふう	seifū_july	Pure Breeze	夏の木々を渡る、清らかな風。禅語としても使われる。
深山	みやま	miyama	Deep Mountains	夏でも涼しい、奥深い山。俗世を離れた清浄な場所。
涼一味	りょういちみ	ryō ichimi	One Taste of Coolness	禅語。涼しさも暑さも、どちらも仏性の現れであり、その本質は一つであるということ。
月見草	つきみそう	tsukimisō	Evening Primrose (alternative)	宵待草の別名。月の出る頃に咲くことから。
山鉾	やまぼこ / やまほこ	yamaboko / yamahoko	Yamaboko Floats	祇園祭の巡行で曳かれる、豪華な飾りのついた山車。動く美術館とも呼ばれる。
百日紅	さるすべり	sarusuberi	Crape Myrtle	夏の間、長く（百日）紅色の花を咲かせ続ける木。幹が滑らかで、猿も滑るということから。
せせらぎ		seseragi	Babbling Brook	夏の川の、涼しげな浅い流れやその音。6月から引き続き使用。
清水	しみず	shimizu	Pure Spring Water	夏の暑い日に、地中から湧き出る冷たい清水は、格別の涼を感じさせる。
8月 August
葉月	はづき	hazuki	Old lunar name of the 8th month	旧暦八月の異称。「葉落ち月」が転じたとも。
立秋	りっしゅう	risshū	Beginning of autumn solar term	二十四節気。暦の上で秋に入る。
処暑	しょしょ	shosho	“Limit-of-Heat” solar term	暑さが落ち着き始める頃。
初秋	しょしゅう	shoshū	Early autumn	“立秋”直後の季語。
残暑	ざんしょ	zansho	Lingering summer heat	秋立っても残る暑さ。
新涼	しんりょう	shinryō	First touch of cool air	“初涼”とも。立秋後の涼気。
涼風	りょうふう	ryōfū	Cool breeze of early autumn	立秋の頃に吹く風。
秋風	あきかぜ	akikaze	Autumn wind	“涼しさを運ぶ風”の代表季語。
秋暑	あきあつし	akiatsushi	Hot day despite autumn	“秋暑し”の句に用いられる語。
夕涼	ゆうすずみ	yūsuzumi	Cooling oneself at dusk	夕刻に庭や縁側で涼をとる習慣。
盆	ぼん	bon	Bon festival period	先祖の霊を迎える期間。
盂蘭盆	うらぼん	urabon	Obon (Sanskrit origin name)	仏教語「ウランバナ」が転じた。
精霊	しょうりょう	shōryō	Ancestral spirits returning	“しょらい”とも読む盆の霊。
精霊棚	しょうりょうだな	shōryōdana	Bon altar for spirits	精霊をまつる盆棚。
精霊馬	しょうりょううま	shōryō-uma	Vegetable spirit-horses	胡瓜や茄子に脚を挿す精霊乗り物。
精霊流し	しょうりょうながし	shōryō-nagashi	Floating offerings for spirits	盆の終りに灯籠を川へ流す行事。
盆踊	ぼんおどり	bon-odori	Bon dance	先祖供養の輪踊り。
盆灯籠	ぼんとうろう	bontōrō	Paper lanterns for Bon	墓前や軒に飾る灯籠。
灯籠流し	とうろうながし	tōrō-nagashi	Floating lantern ceremony	川に灯籠を流し精霊を送る。
送り火	おくりび	okuribi	Bon fare-well bonfire	精霊を送り還す火。
五山	ござん	gozan	Five bonfire mountains in Kyoto	大文字など五つの送り火総称。
大文字	だいもんじ	daimonji	“Daimonji” bonfire	如意ヶ嶽に「大」の火文字。
妙法	みょうほう	myōhō	“Myōhō” twin-bonfires	“妙”“法”二字の送り火。
舟形	ふながた	funagata	Boat-shaped bonfire	西賀茂船山に灯す形。
鳥居形	とりいがた	toriigata	Torii-shaped bonfire	嵯峨曼荼羅山の鳥居火。
左大文字	ひだりだいもんじ	hidari-daimonji	Left “大” bonfire	大北山に灯す左右対の大文字。
秋蝉	あきぜみ	akizemi	Autumn cicada	“ツクツクボウシ”など立秋後の蝉。
鈴虫	すずむし	suzumushi	Bell-cricket	涼やかな鈴音で鳴く虫。
松虫	まつむし	matsumushi	Pine-cricket	高音で鳴く秋の虫。
蟋蟀	こおろぎ	kōrogi	Field cricket	夜長に鳴く代表的秋虫。
轡虫	くつわむし	kutsuwamushi	Great green katydid	“ギーッチョン”と鳴く大形蝗虫。
馬追	うまおい	umaoi	Long-horned grasshopper	「スイッチョン」と鳴く虫。
草雲雀	くさひばり	kusahibari	Ground cricket	“チリチリ”と草間に鳴く小虫。
赤蜻蛉	あかとんぼ	akatonbo	Red dragonfly	Bright red autumn darter.
鰯雲	いわしぐも	iwashigumo	Mackerel-sky clouds	小波状の高積雲。
鱗雲	うろこぐも	urokogumo	Scale clouds	魚の鱗の様に並ぶ雲。
秋雲	あきぐも	akigumo	Autumn clouds	夏雲とは対照の高く薄い雲。
夕焼	ゆうやけ	yūyake	Red evening sky	日没後西空を染める赤。
涼月	りょうづき	ryōzuki	Cool early-autumn moon	“新涼の月”を愛でる語。
夜長	よなが	yonaga	Lengthening autumn nights	日暮れ早く夜が長く感じ始める頃。
虫時雨	むししぐれ	mushishigure	Chorus of autumn insects	無数の虫が一斉に鳴くさま。
芒	すすき	susuki	Silver-grass before ears	“尾花”と共に秋を告げる草。
尾花	おばな	obana	Plumed pampas	“芒が花を開いた姿”を指す。
萩	はぎ	hagi	Bush clover	秋の七草の筆頭。
初萩	はつはぎ	hatsuhagi	Season’s first hagi bloom	咲き初めの萩を愛でる語。
萩露	はぎつゆ	hagitsuyu	Dew on bush clover	萩の葉に置く白露。
葛花	くずばな	kuzubana	Kudzu blossoms	甘い香を放つ紫花。
秋海棠	しゅうかいどう	shūkaidō	Japanese begonia	紅色の垂れ下がる花房。
鳳仙花	ほうせんか	hōsenka	Balsam flower	“爪紅”として染料にも。
無花果	いちじく	ichijiku	Fig fruit	夏の終わりに熟す果実。
梨	なし	nashi	Pear	“幸水”など早生が出回る頃。
葡萄	ぶどう	budō	Grapes in season	露地栽培の初物が並ぶ。
水蜜桃	すいみつとう	suimitsutō	Juicy white peach	“白桃”系の甘い桃。
枝豆	えだまめ	edamame	Green soybean pods	塩茹でが夏夕餉の定番。
玉蜀黍	とうもろこし	tōmorokoshi	Sweet corn	焼き・茹でで出回る夏野菜。
冬瓜	とうがん	tōgan	Wax-gourd	大きな実を冷製煮物に用いる。
苦瓜	にがうり	nigauri	Bitter melon	“ゴーヤ”として夏バテ防止。
割氷	かちわり	kachiwari	Cracked-ice refreshment	氷塊を割り蜜を掛けて売る涼味。
阿波踊	あわおどり	awa-odori	Awa dance festival	徳島で行う日本三大盆踊。
花笠	はながさ	hanagasa	Flower-hat parade	“山形花笠まつり”の笠踊り。
佞武多	ねぶた	nebuta	Nebuta float festival	青森で曳く巨大武者灯籠。
盆舟	ぼんぶね	bonbune	Boat offering for spirits	精霊送りに用いる小舟。
地蔵盆	じぞうぼん	jizōbon	Children’s Jizō festival	近畿で八月二十三日に行う地蔵尊祭。
虫聞き	むしきき	mushikiki	Evening insect-listening outing	野に出て秋虫の声を楽しむ。
夜風	よかぜ	yokaze	Night breeze	熱帯夜を和らげる風。
水鏡	みずかがみ	mizukagami	Water mirror	池や鉢に映る空月。
避暑	ひしょ	hisho	Heat-escape (summering)	高原や山へ暑気を避けること。
線香花火	せんこうはなび	senkō-hanabi	Sparkler fireworks	手持ちで楽しむ細長い火薬線。
海月	くらげ	kurage	Jellyfish drifting	“水母”とも。夏の海に漂う。
浜千鳥	はまちどり	hamachidori	Plover on the beach	波打ち際を走る小鳥。
残照	ざんしょう	zanshō2	Afterglow in west sky	夕焼け後も残る紅。
高嶺雲	たかねぐも	takanegumo	High mountain clouds	入道雲より高く薄い雲。
鳴子	なるこ	naruko	Bird-scare clappers	田を守る竹製鳴具。
稲波	いななみ	inanami	Waves in green rice	風で揺れる稲穂の波。
落鮎	おちあゆ	ochiayu	Downstream-running ayu	産卵のため川を下る鮎。
青栗	あおぐり	aoguri	Un-ripe green chestnut	早生の青い栗いが。
蓮葉雨	はすばあめ	hasuba-ame	Rain on lotus leaves	丸い葉に落ちる雨粒が踊る。
流星	りゅうせい	ryūsei	Shooting star (Perseids)	ペルセウス座流星群の頃。
星月夜	ほしづきよ	hoshizukiyo	Star-bright night	満天の星が照らす夜。
秋立つ	あきたつ	akitatsu	Autumn sets in	“立秋”を言い換えた季語。
糸瓜	へちま	hechima	Luffa gourd	“糸瓜”とも書く長い実。
糸瓜水	へちまみず	hechima-mizu	Luffa lotion	採れたて糸瓜の保湿水。
青稲	あおいね	aoinne	Green ripening rice	まだ青い稲田の景。
秋草	あきくさ	akikusa	Various autumn grasses	萩・尾花等七草の総称。
郡上踊	ぐじょうおどり	gujō-odori	Gujō Bon dance	岐阜県郡上で徹夜で踊る盆踊。
滝涼	たきすず	takisuzu	Coolness at a waterfall	飛沫で周囲が涼しい瀑布。
蚊帳	かや	kaya	Mosquito net	夜虫を防ぐ夏寝具。
帷子	かたびら	katabira	Unlined hemp kimono	盛夏から初秋に着る薄衣。
涼風至	すずかぜいたる	suzukaze-itaru	“Cool wind arrives” micro-season	七十二候・立秋初候。
寒蝉鳴	ひぐらしなく	higurashi-naku	“Cold-cicada sings” micro-season	七十二候・立秋次候。
蒙霧升降	ふかききりまとう	fukaki-kiri-matō	“Thick fog rises” micro-season	七十二候・立秋末候。
綿柎開	わたのはなしべひらく	wata-no-hanashibe-hiraku	“Cotton bolls first open” micro-season	七十二候・処暑初候。
天地始粛	てんちはじめてさむし	tenchi-hajimete-samushi	“Heaven & earth first grow cool” micro-season	七十二候・処暑次候。
禾乃登	こくものみのる	kokumono-minor	“Grains grow ripe” micro-season	七十二候・処暑末候。
立秋	りっしゅう	risshū	First Day of Autumn	二十四節気の一つ（8月7日頃）。暦の上で秋が始まる日。一年で最も暑い時期だが、かすかに秋の気配が感じられ始める。
盆	ぼん	bon	Bon Festival	「盂蘭盆会」の略。先祖の霊を迎え、供養する一連の行事。日本の夏を代表する風習。
残暑	ざんしょ	zansho	Lingering Summer Heat	立秋を過ぎてもなお残る、厳しい暑さ。
終戦記念日	しゅうせんきねんび	shūsen kinenbi	End of War Memorial Day	8月15日。第二次世界大戦の終結を記念し、戦没者を追悼し平和を祈念する日。
平和	へいわ	heiwa	Peace	争いがなく、穏やかであること。終戦記念日にちなみ、平和への願いを込めて。
灯籠	とうろう	tōrō	Lantern	盆に、先祖の霊が迷わないようにと灯す明かり。石灯籠や盆提灯など。
送り火	おくりび	okuribi	Sending-off Fire	盆の終わりに、帰っていく先祖の霊を見送るために焚く火。京都の五山送り火が有名。
迎え火	むかえび	mukaebi	Welcoming Fire	盆の初めに、先祖の霊を迎えるために、家の門口などで焚く火。
蜻蛉	とんぼ	tonbo	Dragonfly	盆の頃になるとよく見られるようになる。前にしか進まず退かないことから「勝ち虫」とも呼ばれ、武士に好まれた。
葉月	はづき	hazuki	Hazuki (Poetic month name)	旧暦8月のこと。葉が落ちる月「葉落ち月」が転じたという説がある。
秋立つ	あきたつ	aki tatsu	Autumn Begins	立秋のこと。暦の上で秋が始まることを詩的に表現した言葉。
盂蘭盆会	うらぼんえ	urabon-e	Urabon-e (Bon Festival)	先祖の霊を供養する仏教行事。サンスクリット語の「ウランバナ（逆さ吊りの苦しみ）」の音写。
大文字	だいもんじ	daimonji	Daimonji Bonfire	京都の五山送り火の一つ。8月16日に、東山の如意ヶ嶽に「大」の字が点火される。
帰省	きせい	kisei	Homecoming	盆や夏休みに、故郷へ帰ること。
遠花火	とおはなび	tōhanabi	Distant Fireworks	遠くで上がっている花火。音は聞こえず、光だけが見える。夏の夜の風情。
線香花火	せんこうはなび	senkō hanabi	Sparkler	手に持って楽しむ、小さな花火。その儚い火花の移ろいが、人生にたとえられる。
盆踊り	ぼんおどり	bon odori	Bon Dance	盆に、先祖の霊を慰めるために、また人々が集まって楽しむ踊り。
処暑	しょしょ	shosho	End of Heat	二十四節気の一つ（8月23日頃）。暑さが和らぎ、朝夕は涼しい風が吹くようになる頃。
流れ星	ながれぼし	nagareboshi	Shooting Star	夏の夜空に見られると、願いが叶うという。ペルセウス座流星群は8月のお盆頃に極大となる。
夏の果て	なつのはて	natsu no hate	End of Summer	夏の終わり。どこか寂しさを伴う言葉。
精霊馬	しょうりょううま	shōryō-uma	Spirit Horse	盆に、キュウリやナスで作る、先祖の霊が乗るための馬や牛。早く来て、ゆっくり帰ってほしいという願い。
台風	たいふう	taifū_august	Typhoon	夏から秋にかけて日本を襲う、暴風雨。8月にも多い。
油蝉	あぶらぜみ	aburazemi	Large Brown Cicada	夏に「ジージー」と鳴く、大型の蝉。その鳴き声が、油で揚げ物をしている音に似ていることから。
蜩	ひぐらし	higurashi	Evening Cicada	夏の早朝や夕暮れに「カナカナ」と物悲しく鳴く蝉。涼しさと共に、夏の終わりを思わせる。
夏祭り	なつまつり	natsumatsuri	Summer Festival	夏に行われる祭りの総称。盆踊りや縁日、花火大会など。
朝凪	あさなぎ	asanagi	Morning Calm	夏の朝、海風と陸風が入れ替わる時に、一時的に風が止むこと。静かな海辺の情景。
夕凪	ゆうなぎ	yūnagi	Evening Calm	夏の夕方、風が止んで、海が穏やかになること。蒸し暑いことが多い。
木槿	むくげ	mukuge	Rose of Sharon	芙蓉と同じく、夏を代表する花。次々と咲き続ける生命力。茶花としてもよく使われる。
稲光	いなびかり	inabikari	Flash of Lightning	遠くの空が、音もなく光ること。雷光。稲の稔りの時期に見られることから。
灯籠流し	とうろうながし	tōrōnagashi	Floating Lanterns	盆の終わりに、死者の魂を弔うため、灯りをともした灯籠を川や海に流す行事。
露	つゆ	tsuyu_august	Dew	立秋を過ぎると、朝晩の草葉の上に露が見られるようになる。秋の気配の象徴。
涼一味	りょういちみ	ryō ichimi	One Taste of Coolness	禅語。涼しさも暑さも、どちらも仏性の現れであり、その本質は一つであるということ。"
鎮魂	ちんこん	chinkon	Repose of Souls	死者の魂を鎮めること。終戦記念日や盆にちなんで。
感謝	かんしゃ	kansha_august	Gratitude	先祖や、平和な今があることへの感謝の気持ち。お盆の時期に。
赤蜻蛉	あかとんぼ	akatonbo	Red Dragonfly	秋の象徴だが、お盆を過ぎた頃から姿を見せ始める。秋への移ろい。
葛の花	くずのはな	kuzu no hana	Kuzu (Arrowroot) Flower	秋の七草の一つだが、8月頃から咲き始める。甘い香りがする。
無花果	いちじく	ichijiku	Fig	夏から秋にかけて旬を迎える果物。
晩夏	ばんか	banka	Late Summer	夏の終わり頃。
新涼	しんりょう	shinryō	First Coolness of Autumn	秋になって初めて感じる、すがすがしい涼しさ。
白露	はくろ	hakuro_august	White Dew	二十四節気の一つ（9月8日頃）だが、秋の気配として8月下旬から使われる。草の上の白い露。
無	む	mu	Nothingness	禅の根本的な概念。終戦を迎え、全てが無になったところからの再生を願う。
瓜	うり	uri	Gourd / Melon	夏に旬を迎えるウリ科の植物の総称。胡瓜や西瓜など。体を冷やす。
揚花火	あげはなび	agehanabi	Skyrocket Fireworks	打ち上げ花火のこと。
夏野の露	なつののつゆ	natsuno no tsuyu	Dew in the Summer Field	夏の野原の露。まだ暑いが、わずかに秋の気配を感じさせる。
秋風	あきかぜ	akikaze_august	Autumn Wind	立秋を過ぎて吹き始める、涼しい風。秋の訪れを告げる。
松明	たいまつ	taimatsu_august	Torch	送り火や迎え火で使われる。神聖な火。
不戦	ふせん	fusen	No War	戦争をしないという誓い。終戦記念日に。
夏の月	なつのつき	natsu no tsuki	Summer Moon	夏の夜空にかかる月。暑い夜に、涼を感じさせてくれる。
ご先祖様	ごせんぞさま	gosenzo-sama	Honorable Ancestors	お盆に帰ってくるとされる、先祖の霊。敬意を込めた言い方。
夏姿	なつすがた	natsusugata_august	Summer Appearance	夏の終わりの、浴衣など、夏らしい装い。
玉響	たまゆら	tamayura	Transient / Fleeting	ほんのわずかな時間。線香花火の光や、夏の終わりの儚さ。
八月	はちがつ	hachigatsu	August	そのまま。8月。
追憶	ついおく	tsuioku	Remembrance	過去をしのぶこと。戦没者や先祖を思う気持ち。
万灯会	まんどうえ	mandō-e	Ten Thousand Lantern Festival	盆の時期に、多くの灯籠を灯して先祖や仏を供養する法会。
女郎花	おみなえし	ominaeshi_august	Patrinia scabiosifolia	秋の七草の一つだが、8月頃から黄色い可憐な花を咲かせる。
桔梗	ききょう	kikyō_august	Bellflower	7月から引き続き、夏から秋の庭を彩る。
合歓	ねむ	nemu_august	Silk Tree	7月から引き続き、羽毛のような花を咲かせる。
向日葵	ひまわり	himawari_august	Sunflower	7月から引き続き、夏の太陽の象徴。
白鷺	しらさぎ	shirasagi_august	White Egret	7月から引き続き、夏の水辺の涼しげな姿。
秋隣	あきどなり	aki-donari	Autumn is Next Door	秋がすぐ隣まで来ている気配。夏の終わりを感じる言葉。
露けし	つゆけし	tsuyukeshi	Dewy	立秋を過ぎ、朝露が目立つようになってきた様子。秋の気配。
送り盆	おくりぼん	okuribon	Sending off for Bon	お盆の最終日。送り火を焚いて、ご先祖様の霊をお見送りすること。
戦なき世	いくさなきよ	ikusanaki yo	A World Without War	戦争のない世の中。平和への強い願いを込めて。
行合の空	ゆきあいのそら	yukiai no sora	Meeting Sky	夏と秋、二つの季節が行き交う空。入道雲と秋の雲が共存する様。
熱風	ねっぷう	neppū	Hot Wind	夏の盛りに吹く、熱い風。残暑の厳しさ。
後の涼	のちのすず	nochi no suzu	Later Coolness	日中の暑さが過ぎ去った、夜の涼しさ。または夕立の後の涼しさ。
鬼灯	ほおずき	hōzuki	Chinese Lantern Plant	盆に、先祖の霊を導く提灯に見立てて飾られる。
玉蝉	ぎょくせん	gyokusen	Jade Cicada	蝉の美称。玉のように美しい蝉。
月遅れ盆	つきおくれぼん	tsukiokure-bon	Delayed Bon	新暦の8月に行われるお盆のこと。7月の盆と区別して言う。
送り蜻蛉	おくりとんぼ	okuri-tonbo	Sending-off Dragonfly	お盆の終わりに、先祖の霊を送ってくれるかのように飛ぶトンボ。
盆の月	ぼんのつき	bon no tsuki	Bon Moon	お盆の時期の夜空にかかる月。
鷺草	さぎそう	sagisō	Egret Orchid	白鷺が翼を広げたような、白く可憐な花を咲かせる蘭。
鬼百合	おにゆり	oniyuri	Tiger Lily	夏に咲く、オレンジ色に黒い斑点のある、華やかなユリ。
花火	はなび	hanabi_august	Fireworks	夏の夜空を彩る、日本の夏の風物詩。疫病退散や慰霊のために打ち上げられたのが始まりとされる。特に8月は大会が多い。
芙蓉	ふよう	fuyō	Cotton Rose Hibiscus	夏から初秋にかけて咲く、優雅で美しい花。朝に咲き、夕方にはしぼむ一日花。
秋の気配	あきのけはい	aki no kehai	A Hint of Autumn	暑さの中にも、空の色や風、虫の声などに、ふと感じられる秋の兆し。
閑か	しずか	shizuka_august	Quiet / Still	夏の暑い盛り、蝉の声だけが響く静寂。芭蕉の句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」から。
月影	つきかげ	tsukikage	Moonlight	夏の夜、涼を運ぶ月の光。特に立秋以降の月の光。
法師蝉	ほうしぜみ	hōshizemi	Another name for Evening Cicada	ツクツクボウシのこと。夏の終わりに鳴く蝉。その鳴き声が「ツクツクボーシ」と聞こえることから。
沢瀉	おもだか	omodaka	Threeleaf Arrowhead	夏、水辺に白い三弁の清楚な花を咲かせる。涼しげな姿。
9月 September
長月	ながつき	nagatsuki	Old lunar name of September (“long night month”)	旧暦九月の異称。「夜長月」の略。
菊月	きくづき	kikuzuki	“Chrysanthemum month”	陰暦で重陽の菊を愛でる月。
玄月	げんげつ	gengetsu	Another classical name for September	「玄」は九を示す季秋の月名。
色取月	いろとりづき	irotorizuki	“Month of deepening colors”	山野が彩り始める頃の別称。
白露	はくろ	hakuro	“White Dew” solar term	二十四節気。草の露が白く光る頃。
秋分	しゅうぶん	shūbun	Autumn equinox solar term	昼夜がほぼ等分になる日。
秋彼岸	あきひがん	akihigan	Autumn Higan week	秋分を中心に先祖供養を行う七日。
彼岸入り	ひがんいり	higan-iri	First day of Higan	彼岸期間の初日。
彼岸明け	ひがんあけ	higan-ake	Last day of Higan	彼岸七日目をいう。
重陽	ちょうよう	chōyō	Double-Nine festival (9 Sep)	五節句の一つ「菊の節句」。
菊日和	きくびより	kikubiyori	Perfect weather for chrysanthemums	重陽前後の澄んだ晴天。
菊酒	きくざけ	kikuzake	Sake infused with chrysanthemum petals	重陽に邪気払いとして飲む酒。
菊花酒	きくかしゅ	kikukashu	Alternate name for kikuzake	“延寿酒”とも呼ばれる菊の酒。
菊慈童	きくじどう	kikujidō	Immortal of the chrysanthemum legend	能「菊慈童」に題材を得た語。
観菊	かんぎく	kangiku	Chrysanthemum viewing party	後水尾院も催した宮中遊興。
菊見	きくみ	kikumī	Informal chrysanthemum viewing	“梅見・花見”に準じる語。
菊花展	きっかてん	kikkaten	Chrysanthemum exhibition	各地で開催される盆栽菊の品評会。
菊人形	きくにんぎょう	kikuninngyō	Dolls made of chrysanthemum blooms	安土桃山期に起源を持つ飾り物。
千代見草	ちよみぐさ	chiyomigusa	Classical name for chrysanthemum	“千代を見通す”縁起から付く別名。
黄菊	きぎく	kigiku	Yellow chrysanthemums	代表的な酒盃飾りの色。
白菊	しらぎく	shiragiku	White chrysanthemum	b
野菊	のぎく	nogiku	Wild field chrysanthemum	野に自生する可憐な菊。
山菊	やまぎく	yamagiku	Mountain chrysanthemum	山道を彩る小菊。
紫苑	しおん	shion	Tatarian aster	“思ひ草”とも呼ばれる紫花。
女郎花	おみなえし	ominaeshi	Patrinia scabiosifolia	“秋七草”の一種。黄花を付ける。
女郎花露	おみなえしつゆ	ominaeshi-tsuyu	Dew on ominaeshi blossoms	花細かゆえ露が目立つ情景。
撫子	なでしこ	nadeshiko	Pink (Dianthus)	可憐さを象徴する秋の草花。
杜鵑草	ほととぎそう	hototogisō	Toad-lily	斑点模様が鳥の杜鵑に似る。
秋薔薇	あきばら	akibara	Autumn-blooming roses	返り咲きの薔薇を指す季語。
金木犀	きんもくせい	kinmokusei	Osmanthus fragrans aurantiacus	甘い香りが漂い始める木。
彼岸花	ひがんばな	higanbana	Red spider lily	彼岸の頃真紅に咲く花。
曼珠沙華	まんじゅしゃげ	manjushage	Sanskrit-style name for higanbana	“曼殊沙華”は吉祥花の意。
蕎麦花	そばばな	sobabana	Buck-wheat flowers	白い小花が畑を覆う景。
稲刈	いねかり	inekari	Rice harvesting	黄金色の稲を刈り取る作業。
稲穂	いなほ	inaho	Rice ears heavy with grain	垂れ下がる黄金の穂。
新米	しんまい	shinmai	Newly hulled rice	初収穫の新米を味わう頃。
刈田	かりた	karita	Just-harvested paddy	稲株だけ残る田の景。
稲掛	いねかけ	inekake	Sheaves hung on racks to dry	刈った稲をはざ木に掛ける作業。
稲妻	いなずま	inazuma	Lightning over rice fields	“稲の夫”が稲を実らす光と信仰。
稲穂光	いなほびかり	inaho-bikari	Glint on ripened rice ears	陽光が実穂に反射する輝き。
豊穣	ほうじょう	hōjō	Abundant harvest	“五穀成熟”を寿ぐ語。
新蕎麦	しんそば	shinsoba	First soba of the year	秋の新粉で打つ蕎麦。
秋刀魚	さんま	sanma	Pacific saury	“秋刀魚”の字は秋の到来を象徴。
松茸	まつたけ	matsutake	Matsutake mushroom	香り高い秋の味覚の王。
初茸	はつたけ	hatsutake	Season’s first mushrooms	最初に出る松茸を尊ぶ語。
銀杏	ぎんなん	ginnan	Ginkgo nuts	“爪皮”を割り香ばしく炒る。
栗飯	くりごはん	kurigohan	Rice cooked with chestnuts	新栗を加えた炊き込み飯。
早生柿	わせがき	wasegaki	Early-ripening persimmon	甘柿の走り品種。
柿紅	かきべに	kakibeni	Persimmon-red colour	“紅を引く柿実”の熟し色。
秋茄子	あきなす	akinasu	Autumn eggplant	種少なく味濃い秋の茄子。
名月	めいげつ	meigetsu	The Harvest Moon	“中秋の名月”を指す雅称。
中秋	ちゅうしゅう	chūshū	Mid-autumn night (15 Sep 旧暦)	旧暦八月十五夜を指示。
十五夜	じゅうごや	jūgoya	Fifteenth-night moon	満月を鑑賞する茶席の語。
月見	つきみ	tsukimi	Moon-viewing gathering	月を愛でる宴。
月見団子	つきみだんご	tsukimi-dango	Spherical rice cakes for moon-viewing	十五夜に供える団子。
芋名月	いもめいげつ	imomeigetsu	“Taro moon”	昔は里芋を供えた満月。
里芋	さといも	satoimo	Taro tuber	月見供物としての芋。
月兎	つきうさぎ	tsuki-usagi	Moon rabbit	“餅つき兎”の伝説。
月影	つきかげ	tsukikage	Silver moonlight	秋夜の澄んだ月光。
月涼	つきすず	tsukisuzu	“Coolness under the moon”	名月の涼感を詠む語。
月下香	げっかこう	gekkakō	Tuberose fragrance at night	“夜来香”とも。夜間に強香を放つ花。
星祭風	ほしまつりかぜ	hoshimatsuri-kaze	Breeze on star-fest nights (Seven-Three nights post-Tanabata)	後七日の式で七夕を延引して祝う頃の風。
初雁	はつかり	hatsukari	Season’s first wild goose	秋の渡りの第一陣。
雁渡	かりわたる	kari-wataru	Wild geese in flight	群れが列を成し渡る姿。
雁の声	かりのこえ	kari-no-koe	Honking of wild geese	夜空に響く雁の声。
鶺鴒鳴	せきれいなく	sekirei-naku	“Wagtails sing” micro-season	白露次候。
玄鳥去	つばめさる	tsubame-saru	“Swallows depart” micro-season	白露末候。
草露白	くさのつゆしろし	kusanotsuyu-shiroshi	“Dew whitens on grass” micro-season	白露初候。
雷収声	かみなりこえをおさむ	kaminari-koe-wo-osamu	“Thunder ceases its voice” micro-season	秋分初候。
蟄虫坏戸	むしかくれてとをふさぐ	mushi-kakurete-to-fusagu	“Insects close their doors” micro-season	秋分次候。
水始涸	みずはじめてかるる	mizu-hajimete-karuru	“Paddy water first dries” micro-season	秋分末候。
天高	てんたかし	ten-takashi	“Sky lofty and clear”	秋晴れの蒼天を讃える語。
秋晴	あきばれ	akibare	Crystal autumn fine weather	抜けるような青空の日。
高秋	こうしゅう	kōshū	“Lofty autumn”	気候が澄む季節を言う雅語。
秋空	あきぞら	akizora	Autumn sky	高く澄んだ青空。
天高馬肥	てんたかくうまこゆ	ten-takaku-uma-koyu	“Sky high	horses grow fat”
白露草	しらつゆぐさ	shiratsuyugusa	Grass beaded with white dew	早朝露をまとった草の総称。
露けし	つゆけし	tsuyukeshi	“Heavy with dew”	露が多く物湿るさま。
露寒	つゆざむ	tsuyuzamu	Chill felt in dawn dew	白露期の冷え込み。
朝霧	あさぎり	asagiri	Morning mist	川面に立つ薄霧。
野分	のわき	nowaki	Typhoon-type autumn storm	古名で台風を指す語。
台風一過	たいふういっか	taifū-ikka	Clear sky after a typhoon	大型台風通過後の快晴。
鰡雲	ぼらぐも	boragumo	“Mullet clouds” (altocumulus)	鰯雲より粒が大きい雲形。
雁行	がんこう	gankō	Geese lined in flight	雁が“一文字”に列を成す景。
虫籠	むしかご	mushikago	Bamboo insect cage	鈴虫などを飼い声を楽しむ籠。
虫売	むしい	mushii	Insect vendors	“虫売り”が町に来る頃。
虫合	むしあわせ	mushiawase	Cricket-chirp contest	虫の鳴き比べを楽しむ遊び。
虫籠窓影	むしかごまどかげ	mushikagomado-kage	Shadow of insect cage on shōji	茶室に置く虫籠が障子に映す影。
金風	きんぷう	kinpū	“Golden wind”	稲穂を揺らす実りの風。
稲穂波	いなほなみ	inahonami	“Rice-ear waves”	風でうねる稲穂。
瑞穂	みずほ	mizuho	“Auspicious ears of rice”	日本国を象徴する豊穣の称。
秋思	しゅうし	shūshi	Autumnal wistfulness	秋になると増す物思い。
夜長月	よながづき	yonagazuki	“Long-night month”	長月の語源を強調した雅称。
虫送り火	むしおくりび	mushi-okuribi	Fire ceremony to chase crop pests	松明を田に巡らせ虫を払う。
観月湯	かんげつゆ	kangetsuyu	Bath taken before moon-viewing	月見前に身を潔める湯。
月待塔	つきまちとう	tsukimachitō	Rural moon-waiting stone stupa	満月を拝む講中が建てた塔。
新走水	にいばしりみず	niibashirimizu	Fresh spring water for moon tea	月見点前で汲む湧水。
稲架影	はさかげ	hasakage	Shadow of rice racks at sunset	稲掛け用の架が夕陽で長い影を落とす。
竹簀月	たけすだれづき	takesudare-zuki	Moonlight through bamboo blinds	月光が簀子を透過する景。
菊炭	きくずみ	kikuzumi	“Chrysanthemum charcoal”	断面が菊模様の高級炭。
月輪石	つきのわいし	tsukinowa-ishi	“Moon-ring stone” used in roji	露地に据える白い円石。
観月橋	かんげつばし	kangetsubashi	“Moon-viewing bridge”	池に架け月を映す茶庭橋。
月待舟	つきまちぶね	tsukimachibune	Boat from which to await the moon	川面で名月を待つ雅遊。
月見	つきみ	tsukimi	Moon Viewing	旧暦8月15日の夜（十五夜）に月を観賞する風習。ススキを飾り、月見団子や里芋を供える。
重陽	ちょうよう	chōyō	Chōyō (Chrysanthemum Festival)	9月9日の節句。菊の花を飾り、菊酒を飲んで長寿を願う。奇数の最大値である9が重なる、めでたい日。
鈴虫	すずむし	suzumushi	Bell Cricket	秋の夜に「リーン、リーン」と鈴のような美しい声で鳴く虫。秋の訪れを感じさせる。
菊	きく	kiku_september	Chrysanthemum	秋を代表する高貴な花。重陽の節句で重要な役割を果たす。長寿の象徴。
長月	ながつき	nagatsuki	Nagatsuki (Poetic month name)	旧暦9月のこと。夜が長くなる月「夜長月（よながづき）」が転じたとされる。
薄	すすき	susuki	Pampas Grass	秋の七草の一つ。月見には欠かせない飾り。穂が動物の尻尾に似ていることから「尾花」ともいう。
中秋の名月	ちゅうしゅうのめいげつ	chūshū no meigetsu	Mid-Autumn Harvest Moon	旧暦8月15日の夜の月。一年で最も美しいとされる月。
秋分	しゅうぶん	shūbun	Autumnal Equinox	二十四節気の一つ（9月23日頃）。昼と夜の長さがほぼ同じになる日。この日を境に夜が長くなる。
秋の七草	あきのななくさ	aki no nanakusa	Seven Flowers of Autumn	秋を代表する七種の草花（萩、薄、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗）。万葉集で山上憶良が詠んだ歌に由来。
着せ綿	きせわた	kisewata	Cotton on Chrysanthemums	重陽の前夜、菊の花に真綿を被せ、夜露と花の香りを移し取り、翌朝その綿で体を拭って長寿を願う風習。
菊酒	きくざけ	kikuzake	Chrysanthemum Sake	重陽の節句に、菊の花びらを浮かべて飲む酒。邪気を払い、長寿を保つとされる。
月兎	つきうさぎ	tsuki usagi	Moon Rabbit	月の模様が、兎が餅をついているように見えるという伝説から。
撫子	なでしこ	nadeshiko	Fringed Pink (Dianthus)	秋の七草の一つ。可憐で優しい雰囲気の花。「大和撫子」の語源。
藤袴	ふじばかま	fujibakama	Thoroughwort	秋の七草の一つ。淡い紫色の小花が集まって咲き、良い香りがする。
葛	くず	kuzu_plant	Kuzu / Arrowroot Plant	秋の七草の一つ。繁殖力が強い。花は8月から咲き、秋に深まる。
雁	かり	kari	Wild Goose	秋になると、北から渡ってくる渡り鳥。夕空を列をなして飛ぶ姿は、秋の訪れを告げる。
芋名月	いもめいげつ	imo meigetsu	Taro Moon	旧暦8月15日の十五夜のこと。里芋を供えることから。
後の月	のちのつき	nochi no tsuki	Later Moon	旧暦9月13日の「十三夜」のこと。十五夜の月見をしたなら、必ず十三夜の月見もしなければ片月見として嫌われた。
豆名月	まめめいげつ	mame meigetsu	Bean Moon	十三夜のこと。枝豆や栗を供えることから。
敬老の日	けいろうのひ	keirō no hi	Respect for the Aged Day	長年社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う国民の祝日。
竜胆	りんどう	rindō	Gentian	秋の野山に咲く、鮮やかな青紫色の釣鐘形の花。
吾亦紅	われもこう	waremokō	Great Burnet	秋の野原に咲く、暗紅色の丸い花。派手さはないが、秋らしい風情がある。
初風	はつかぜ	hatsukaze	First Wind of Autumn	秋になって最初に吹く、やや冷たい風。
秋の色	あきのいろ	aki no iro	Colors of Autumn	草木の紅葉や、澄んだ空の色など、秋を感じさせる色彩全般。
虫の音	むしのね	mushi no ne	Sound of Insects	秋の夜に聞こえる、鈴虫やこおろぎなどの鳴き声。
秋の空	あきのそら	aki no sora	Autumn Sky	高く澄み渡り、うろこ雲などが浮かぶ、変わりやすい秋の空。
鹿の音	しかのね	shika no ne	Cry of the Deer	雄鹿が雌鹿を求めて鳴く、物悲しい声。秋の寂寥感を表す。
十五夜	じゅうごや	jūgoya	Fifteenth Night	旧暦8月15日の夜のこと。中秋の名月。
十三夜	じゅうさんや	jūsan'ya	Thirteenth Night	旧暦9月13日の夜のこと。後の月。
初雁	はつかり	hatsukari	First Geese of the Season	その秋、最初に渡ってきた雁。
白菊	しらぎく	shiragiku	White Chrysanthemum	白い菊の花。特に高貴で、清らかさの象徴。
黄菊	きぎく	kigiku	Yellow Chrysanthemum	黄色い菊の花。不老長寿の色とされる。
うろこ雲	うろこぐも	urokogumo	Mackerel Sky (Cirrocumulus)	小さな雲片が集まり、魚の鱗のように見える雲。秋の空によく現れる。
秋の山	あきのやま	aki no yama	Autumn Mountain	紅葉が始まる前の、澄んだ空気の中の静かな山。
初紅葉	はつもみじ	hatsu momiji	First Autumn Colors	その秋初めて色づいた葉。季節の変わり目。
秋の水	あきのみず	aki no mizu	Autumn Water	秋の、澄みきった冷たい水。川や湖の水。
名残の夏	なごりのなつ	nagori no natsu	Lingering Remnants of Summer	秋に入ってもまだ感じられる、夏の気配や暑さ。
秋の夜	あきのよ	aki no yo	Autumn Night	長く静かで、物思いにふけるのに良い夜。
望月	もちづき	mochidzuki	Full Moon	満月のこと。特に十五夜の月を指す。
無月	むげつ	mugetsu	Moonless (on a moon-viewing night)	月見の夜に、曇っていて月が見えないこと。月を心で観るという風流。
雨月	うげつ	ugetsu	Rainy Moon (on a moon-viewing night)	月見の夜に、雨が降っていること。雨の音を聞きながら月を思う。
真如の月	しんにょのつき	shinnyo no tsuki	Moon of Truth	禅語。悟りの境地を、曇りなく澄み渡る中秋の名月にたとえた言葉。
初露	はつつゆ	hatsutsuyu	First Dew of the Season	秋になって初めて草葉におりる露。
白露	はくろ	hakuro_sept	White Dew	二十四節気の一つ（9月8日頃）。草の上の露が白く光って見える頃。
長寿	ちょうじゅ	chōju	Longevity	長生きすること。重陽の節句や敬老の日にちなんで。
桂	かつら	katsura_september	Katsura Tree/Cinnamon Tree (in moon context)	中国の伝説で、月に生えているとされる香りの良い木。月宮殿。
稲穂	いなほ	inaho	Ear of Rice	実った稲の穂。収穫の秋を象徴する。
秋の声	あきのこえ	aki no koe	Voice of Autumn	風の音や虫の鳴き声など、秋を感じさせる様々な音。
菊慈童	きくじどう	kikujidō_gomei	Kikujidō (Chrysanthemum Boy)	菊の露を飲んで不老不死になったという、能の演目にもある少年。長寿の象徴。
水引	みずひき	mizuhiki_plant	Mizuhiki (Persicaria filiformis)	タデ科の植物。赤く小さな花が、細い茎に点々とつき、水引のように見える。
月草	つきくさ	tsukikusa	Moon Plant	ツユクサの別名。
雁渡し	かりわたし	kariwatashi	Goose-Herding Wind	秋、雁が渡ってくる頃に吹く北風。
二百十日	にひゃくとおか	nihyaku-tōka	210th Day	立春から数えて210日目（9月1日頃）。台風が来襲し、稲に被害が出やすいとされる厄日。
砧	きぬた	kinuta	Fulling Block	昔、衣の艶出しや、柔らかくするために、湿らせた布を打った木や石の台。秋の夜長の手仕事。
野分	のわき	nowaki_sept	Autumn Gale / Typhoon	秋の野の草を分けて吹く、強い風。台風の古語。
後朝の菊	のちのあしたのきく	nochinoashitanokiku	Chrysanthemum the Morning After	重陽の節句の翌朝（9月10日）、まだ美しく咲いている菊。宴の後の余韻。
観月	かんげつ	kangetsu	Moon Contemplation	月を静かに眺め、楽しむこと。月見のより内省的な表現。
弓張月	ゆみはりづき	yumiharizuki	Waxing/Waning Moon (Bow Moon)	半月のこと。弓を張った形に見えることから。
露寒	つゆさむ	tsuyuzamu	Dewy Cold	露が降りる頃の、ひんやりとした寒さ。
花野	はなの	hanano	Field of Autumn Flowers	秋の草花が一面に咲いている野原。
萩の露	はぎのつゆ	hagi no tsuyu	Dew on the Bush Clover	萩の花や葉に置いた露。美しく、はかないものの象徴。
待宵	まつよい	matsuyoi	Waiting for the Evening/Moon	十五夜の前夜（旧暦8月14日）のこと。月を待ちわびる気持ち。
雁来紅	がんらいこう	ganraikō	Amaranth	雁が渡ってくる頃に、葉が赤く色づくことから。葉鶏頭のこと。
水澄む	みずすむ	mizu sumu	Water Clears	秋になり、水が澄んでくること。
葉鶏頭	はげいとう	hageitō	Joseph's Coat Amaranth	秋に、葉が赤や黄色に鮮やかに色づく植物。
爽籟	そうらい	sōrai	Refreshing Sound of the Wind	秋の爽やかな風の音。
清か	さやか	sayaka	Clear	空や月、光、音などが、澄みきっている様。
稲妻	いなずま	inazuma	Lightning	稲が実る頃によく見られるので、稲の「夫（つま）」と考えられた。秋の季語。
二百二十日	にひゃくはつか	nihyaku-hatsuka	220th Day	立春から数えて220日目（9月11日頃）。二百十日と並ぶ、台風の厄日。
秋光	しゅうこう	shūkō	Autumn Light	秋の澄んだ、穏やかな日差し。
実り	みのり	minori_sept	Ripening / Bearing Fruit	稲や果物が実ること。収穫の始まり。
虫時雨	むししぐれ	mushishigure	Insect Shower	たくさんの虫が、時雨（通り雨）の音のように一斉に鳴く様。
菊枕	きくまくら	kikumakura	Chrysanthemum Pillow	乾燥させた菊の花びらを詰めた枕。菊の香りで、安眠と長寿をもたらすとされた。重陽の節句の風習。
猿猴捉月	えんこうそくげつ	enkō sorugetsu	Monkey Trying to Catch the Moon's Reflection	禅語。猿が水面に映った月を捕ろうとして溺れる寓話。実体のないものを追い求める愚かさを説く。月見にちなむ。
萩	はぎ	hagi	Bush Clover	秋の七草の一つ。秋を代表する花で、しなやかな枝に赤紫の小さな花をたくさん咲かせる。
夜長	よなが	yonaga	Long Nights	秋分を過ぎ、昼より夜の時間が長くなること。秋の夜の静かな時間を楽しむ。
こおろぎ	こおろぎ	kōrogi	Cricket	秋の夜に鳴く虫の代表。その鳴き声は、秋の深まりと静けさを感じさせる。
菊の節句	きくのせっく	kiku no sekku	Chrysanthemum Festival	重陽の節句の別名。
秋晴	あきばれ	akibare_sept	Clear Autumn Weather	秋の、空気が澄んで青く晴れ渡った天気。
月影	つきかげ	tsukikage	Moonlight	秋の澄んだ空気の中の、清らかな月の光。
秋桜	こすもす	kosumosu_sept	Cosmos	秋の野に咲く、風にそよぐ可憐な花。「秋桜」と書く。
秋麗	しゅうれい	shūrei	Clear and Beautiful Autumn Day	秋晴れの、うららかな日。「あきうらら」とも読む。
露草	つゆくさ	tsuyukusa	Asiatic Dayflower	夏から秋にかけて見られる青い小花。朝露を帯びて咲くことから。
豊年	ほうねん	hounen	Bountiful Year	穀物が豊かに実ること。秋の収穫への期待。
いわし雲	いわしぐも	iwashigumo	Cirrocumulus Clouds	巻積雲の俗称。鰯の群れのように見えることから。
茱萸	ぐみ	gumi_sept	Oleaster / Dogwood Berry	小さな赤い実。重陽の節句に、邪気を払うとして飾られることがある。
鵙	もず	mozu	Shrike	秋になると鳴き声が高くなる鳥。「百舌」とも書く。
天の川	あまのがわ	amanogawa	Milky Way	七夕の時期だけでなく、秋の澄んだ夜空にもはっきりと見える天の川。
女郎花	おみなえし	ominaeshi	Patrinia scabiosifolia (re-contextualized)	秋の七草の一つとして。8月から咲き始め、9月が見頃。
桔梗	ききょう	kikyou	Bellflower (re-contextualized)	秋の七草の一つとして。夏から咲き続けるが、秋の風情の中で見る桔梗。
10月 October
神無月	かんなづき	kannazuki	Old lunar name “month with no gods” (all gods leave for Izumo)	旧暦十月の異称。諸神が出雲に集うと伝わる。
神在月	かみありづき	kamiarizuki	“Month when the gods are present” (Izumo only)	出雲地方では逆に神々が集う月と称す。
良月	りょうげつ	ryōgetsu	“Good month”	秋晴れが続く好月の意。
時雨月	しぐれづき	shigurezuki	Old nickname “month of passing showers”	晩秋に降る通り雨が多いことから。
後の月	のちのつき	nochinotsuki	The after-harvest moon (second moon-viewing)	旧暦九月十三夜の名月を指す。
十三夜	じゅうさんや	jūsanya	Thirteenth-night moon	十五夜に次ぐ名月を賞する夜。
栗名月	くりめいげつ	kurimeigetsu	“Chestnut moon” (popular name for Jūsanya)	十三夜に栗を供える習俗より。
寒露	かんろ	kanro	“Cold-Dew” solar term	二十四節気で露が冷たくなる頃。
霜降	そうこう	sōkō	“Frost-Descent” solar term	初霜が降り始める頃。
鴻雁来	こうがんきたる	kōgan-kitaru	“Wild geese arrive” micro-season	七十二候・寒露初候。
菊花開	きくのはなひらく	kiku-no-hana-hiraku	“Chrysanthemums bloom” micro-season	七十二候・寒露次候。
蟋蟀在戸	きりぎりすとにあり	kirigirisu-to-ni-ari	“Crickets sing at the door” micro-season	七十二候・寒露末候。
豺乃祭獸	さいすなわちけものをまつる	sai-sunawachi-kemono-wo-matsuru	“Jackals store prey” micro-season	七十二候・霜降初候。
霜始降	しもはじめてふる	shimo-hajimete-furu	“First frost falls” micro-season	七十二候・霜降次候。
霎時施	こさめときどきふる	kosame-tokidoki-furu	“Occasional light rains” micro-season	七十二候・霜降末候。
楓蔦黄	もみじつたきばむ	momiji-tsuta-kibamu	“Maple & ivy turn yellow” micro-season	七十二候・霜降末候翌候。
錦秋	きんしゅう	kinshū	“Brocade autumn”	紅葉が錦の如く美しい季。
紅葉	もみじ	momiji	Coloured maple leaves	山野が赤黄に染まる代表的季語。
初紅葉	はつもみじ	hatsumomiji	First leaves turning red	山の端に真っ先に色付く葉。
照紅葉	てりもみじ	terimomiji	Sun-lit scarlet leaves	陽を受け鮮やかに輝く紅葉。
錦繍谷	きんしゅうだに	kinshūdani	“Brocade valley” dense coloured woods	谷一面が錦に織る景。
木の葉	このは	konoha	Tree leaves in general	散り際の葉をも含む総称。
落葉	おちば	ochiba	Fallen leaves	地を敷き詰める色葉。
落葉掃	おちばはき	ochibahaki	Sweeping fallen leaves	寺社や茶庭での風情ある作業。
木守柿	きもりがき	kimorigaki	Persimmon left on the tree for birds	来年の豊作を祈り一本残す実。
熟柿	じゅくし	jukushi	Soft-ripe persimmon	とろりと熟した甘柿。
干柿	ほしがき	hoshigaki	Persimmon being sun-dried	軒先で串に掛けて乾す光景。
林檎狩	りんごがり	ringo-gari	Apple-picking outing	観光農園で林檎を摘む行楽。
新酒	しんしゅ	shinshu	First sake of the brewing year	“ひやおろし”として出荷。
冷や卸	ひやおろし	hiyaoroshi	Autumn-released sake	夏越し熟成させた生詰酒。
新蕎麦粉	しんそばこ	shinsobako	Fresh buckwheat flour	秋収穫の新粉。
大豆打	だいずうち	daizuuhi	Threshing soybeans	乾燥させた莢を打ち脱穀。
里芋煮	さといもに	satoimoni	Simmered taro autumn dish	味噌や出汁で煮る郷土料理。
鱈場蟹	たらばがに	tarabagani	Red king crab in season	北海道で漁が解禁となる頃。
鮭遡上	さけそじょう	sake-sojō	Salmon running upstream	母川へ帰る銀鱗の群。
初鰤	はつぶり	hatsuburi	Season’s first yellowtail	寒鰤に先立つ走り。
木枯	こがらし	kogarashi	First wintry gale	木の葉を吹き散らす冷たい北風。
木枯一号	こがらしいちごう	kogarashi-ichigō	“First official kogarashi” announced	気象庁が発表する初木枯。
朝寒	あさざむ	asazamu	Morning chill	夜明けの身にしみる冷え。
夜寒	よざむ	yozamu	Night chill	秋の深まりを告げる夜の冷え。
露寒夜	つゆざむよ	tsuyuzamu-yo	Chilly dewy night	露が冷たく肌寒い夜。
初霜	はつしも	hatsushimo	First frost	“霜降”頃に地を白く覆う霜。
霜夜	しもよ	shimoyo	Frosty night	霜の降りる冷え込んだ夜。
霜見草	しもみぐさ	shimomigusa	“Frost-viewing grasses”	霜で白く縁取られた草。
時雨	しぐれ	shigure	Passing autumn shower	細かい雨が急に降ってすぐ止む。
朝時雨	あさしぐれ	asashigure	Morning shigure	朝方に通り過ぎる時雨。
木の葉時雨	このはしぐれ	konoha-shigure	“Leaf-shower” (leaves falling like rain)	木の葉が雨の如く舞い散る様。
小鳥来	ことりきたる	kotorikitari	“Little birds arrive”	山野に冬鳥が渡来する候。
鶫	つぐみ	tsugumi	Dusky thrush	冬鳥として畑に姿を見せ始める。
白鶺鴒	しろせきれい	shirosekirei	White wagtail by streams	清流の石上で尾を振る鳥。
山粧	やまよそおう	yamayosoō	“Mountains deck themselves”	紅葉で山肌が装う景。
里紅葉	さともみじ	satomomiji	Red leaves in village precincts	山より遅れて色付く里の楓。
黄落	こうらく	kōraku	Yellow leaves falling	黄葉がはらはら散るさま。
銀杏黄葉	いちょうもみじ	ichōmomiji	Ginkgo leaves turning gold	街路樹が黄金に染まる景。
七竈	ななかまど	nanakamado	Japanese rowan berries	真紅の果実が秋空に映える。
蔦紅葉	つたもみじ	tsutamomiji	Crimson ivy leaves	石垣を覆う蔦が色付く。
照葉峡	てりはきょう	terihakyo	Shining-leaf gorge (famous scenic spot)	関東屈指の紅葉渓谷名。
錦鯉	にしきごい	nishikigoi	Multi-coloured carp seen in clear ponds	澄んだ水に錦鯉が映える季節。
川紅葉	かわもみじ	kawamomiji	Floating leaves colouring a stream	川面に流れる紅葉を愛でる語。
紅葉狩	もみじがり	momijigari	Outing to view coloured leaves	平安時代より続く行楽。
照紅	てりくれない	terikurenai	Bright glowing crimson	陽射しで輝く深紅の色名。
秋灯	しゅうとう	shūtō	Autumn lamplight	長い夜に灯す行灯。
栗拾	くりひろい	kuri-hiroi	Chestnut gathering	山野で栗を拾う行楽。
焼栗	やきぐり	yakiguri	Roasted chestnuts	香ばしい路上菓子。
松手入	まつていれ	matsuteire	Pine needle pruning in gardens	冬前に松を手入れする作業。
観楓台	かんぷうだい	kanpūdai	“Maple-viewing platform” in tea-garden	紅葉観賞のため高所に設けた腰掛。
時代祭	じだいまつり	jidai-matsuri	Kyoto “Festival of the Ages” (22 Oct)	平安遷都を記念する行列祭。
神嘗祭	かんなめさい	kanname-sai	Ise Grand Harvest Festival (17 Oct)	新米を天照大神に奉る宮中祭。
亥の子餅	いのこもち	inokomochi	Rice-cakes for the “Day of the Boar”	十月初亥の日に厄払いで食す。
亥の子祭	いのこまつり	inoko-matsuri	Boar-day pounding festival	子供が石を突きながら家々を祝う。
炭取り虫	すみとりむし	sumitorimushi	Cricket kept to foresee charcoal quality	炉開き前に音で炭を占う虫。
爐塞	ろふさぎ	rosasagi	Closing the summer brazier space	冬の炉開きに備え風炉を片付ける点前。
秋籠	あきごもり	akigomori	Season of retreat indoors to read	“夜長”を利用して書を読む隠棲。
文香	ふみこう	fumikō	Sachet for seasonal letters	紅葉柄の匂い袋を添える便り。
桂月	けいげつ	keigetsu	“Cinnabar moon” (bright clear moon)	桂の木影映す澄んだ月。
有明月	ありあけづき	ariakezuki	Dawn-hanging waning moon	夜明け空に残る細月。
星月夜	ほしづきよ	hoshizukiyo2	Star-filled night after frost	夜空が澄み星が冴え渡る夜。
銀河澄	ぎんがすむ	gingasumu	“Milky Way clear”	乾いた大気で天の川が澄む。
寒蝉尾	かんぜみのおわり	kanzemi-no-owari	Last cries of cicadas	残る蝉がか細く鳴く頃。
松茸狩	まつたけがり	matsutake-gari	Hunting matsutake mushrooms	山に分け入り香茸を探す行楽。
蓑虫	みのむし	mino-mushi	Bagworm’s plaintive cry	秋夜に糸を引くような声で鳴く虫。
貝寄風	かいよせ	kaiose	Wind that washes shells ashore	秋の強風で浜に貝が寄る。
鰯雲	いわしぐも2	iwashigumo2	Mackerel-sky after cold dew	高空に波状雲が広がる景。
鯖雲	さばぐも	sabagumo	“Mackerel-clouds” variant	鰯雲より大きめの斑雲。
野焼	のやき	noyaki	Autumn grassland burning	来春の芽吹き促す山焼き。
稲架日和	はさびより	hasabiyori	Fine day ideal for drying sheaves	稲架掛けに適した乾燥日。
晩稲	おくて	okute	Late-ripening rice	収穫が十月にずれ込む品種。
霜月待	しもつきまち	shimotsukimachi	Awaiting the Frost-Month (Nov)	炉開き目前で次月を待つ心。
露座	ろざ	roza	Sitting in open dew at dawn	露の芝に直に坐して聴香。
秋深	あきふかし	akifukashi	“Autumn deepens”	晩秋の気配が濃くなる頃。
秋惜	あきおしむ	aki-oshimu	Reluctance at autumn’s dying	過ぎゆく秋を惜しむ心情。
夜長茶	よながちゃ	yonagacha	Tea enjoyed on long nights	夜咄の稽古で点てる濃茶。
夜咄	よばなし	yobanashi	Night-time tea gathering by hearth	提灯で客を迎え宵に点茶。
炬燵開	こたつびらき	kotatsubiraki	First setting up of the kotatsu	夜寒をしのぐため炉を据える。
里神楽	さとかぐら	satokagura	Village Shintō music & dance	収穫感謝の夜神楽が各地で奉納。
豊年踊	ほうねんおどり	hōnen-odori	Harvest-thanksgiving dance	稲刈り後に行う念仏踊り。
千歳飴	ちとせあめ	chitose-ame	Long candy for Shichi-Go-San prep	11月行事に向け菓子屋に並び始める。
菊被綿	きくきせわた	kikukisewata	Custom of placing cotton on kiku	重陽未済の家で十月に行う遅延行事。
橡実	どんぐり	donguri	Acorn	“椎の実”とも。童遊びや菓子に。
笙の音	しょうのね	shō-no-ne	Sound of shō mouth-organ at autumn rites	秋祭りの雅楽に響く笙。
鹿鳴	しかなく	shikanaku	Stags bellowing	“牡鹿が雌を呼ぶ声”を聞く季。
紅葉鹿	もみじじか	momijijika	Deer framed by coloured leaves	奈良公園で見られる風情。
霜見月	しもみづき	shimomizuki	“Month of viewing frost”	霜を愛でる頃の異名。
紅葉	こうよう / もみじ	kōyō / momiji	Autumn Leaves	秋、木々の葉が赤や黄色に色づくこと。10月は紅葉狩りの季節。
栗	くり	kuri	Chestnut	秋の味覚の代表。「栗名月」は十三夜の別名であり、10月の十三夜で供えられる。
柿	かき	kaki	Persimmon	秋に実る、橙色の果物。日本の秋の風景によく似合う。
松茸	まつたけ	matsutake	Matsutake Mushroom	秋に赤松の林に生える、香りの高い高級きのこ。秋の味覚の王様。
秋祭り	あきまつり	akimatsuri	Autumn Festival	秋の収穫を祝い、感謝するために行われる祭りの総称。
錦秋	きんしゅう	kinshū	Brocade Autumn	紅葉が錦の織物のように美しい秋のこと。
紅葉狩	もみじがり	momijigari	Maple Leaf Viewing	紅葉の美しい山野に出かけて、景色を観賞すること。
稲刈り	いねかり	inekari	Rice Reaping	秋、黄金色に実った稲を刈り取ること。収穫の季節の象徴的な作業。
竜田姫	たつたひめ	tatsutahime	Goddess of Autumn	秋を司る女神。紅葉の美しさは、この女神が錦を織りなすからとされる。春の佐保姫と対になる。
山粧う	やまよそおう	yama yoso'u	The Mountains Adorn Themselves	秋、山が紅葉で美しく彩られる様子を、化粧にたとえた言葉。
初霜	はつしも	hatsu shimo	First Frost	その秋、初めておりる霜。冬の訪れが近いことを知らせる。
寒露	かんろ	kanro	Cold Dew	二十四節気の一つ（10月8日頃）。草木に冷たい露が宿る頃。
霜降	そうこう	sōkō	Frost Descends	二十四節気の一つ（10月23日頃）。北国から霜が降り始める頃。
名残	なごり	nagori	Parting Traces / Relics	過ぎゆく秋や、風炉の季節の終わりを惜しむこと。茶の湯で10月を象徴する言葉。
木の実	このみ	konomi	Nuts / Berries	秋に実る、木の実の総称。栗、くるみ、椎の実など。
秋の暮	あきのくれ	aki no kure	Autumn Dusk	秋の日の暮れ方。つるべ落としと言われるように、日が短く、寂しさを感じさせる。
新米	しんまい	shinmai	New Rice	その年に収穫された新しい米。収穫の喜び。
茸	きのこ	kinoko	Mushroom	秋の山野に生えるキノコの総称。松茸やしめじなど。
灯火親しむ	とうかしたしむ	tōka shitashimu	Befriending the Lamplight	秋の夜長は涼しく、灯りの下で読書をするのに最適であるということ。
落穂	おちぼ	ochibo_oct	Gleanings / Fallen Grain	稲刈りの後に、田に落ちている稲穂。
竜田川	たつたがわ	tatsutagawa	Tatsuta River	奈良県を流れる川。古くから紅葉の名所として知られ、和歌にも多く詠まれる。
豊穣	ほうじょう	hōjō	Rich Harvest	穀物が豊かに実ること。豊年。
照葉	てりは	teriha_oct	Shining Leaves	秋、日に照らされて美しく輝く紅葉。
山路	やまじ	yamaji_oct	Mountain Path	秋の、落ち葉が積もった静かな山道。
蔦	つた	tsuta	Ivy	秋になると、美しく紅葉する。壁や木を這う姿に風情がある。
時雨	しぐれ	shigure_oct	First Autumn/Winter Showers	秋の終わりから冬の初めにかけての、通り雨。10月は初時雨の季節。
秋思	しゅうし	shūshi	Autumn Melancholy	秋に物思いにふけること。秋のもの寂しい気分。
秋晴れ	あきばれ	akibare_oct	Clear Autumn Weather	9月から引き続き、秋の澄み切った晴天。
紅葉葉	もみじば	momijiba	Maple Leaf	紅葉した楓の葉、一枚一枚。
みのむし	みのむし	minomushi	Bagworm	冬に備えて、蓑（みの）のような巣を作る虫。秋の風情。
読書	どくしょ	dokusho	Reading	「読書の秋」。秋の夜長に静かに本を読むこと。
芸術の秋	げいじゅつのあき	geijutsu no aki	Autumn for the Arts	気候が良く、芸術活動に集中しやすいことから言われる。
玄猪	げんちょ	gencho	Gencho (Day of the Boar)	亥の子の漢語的表現。宮中の儀式。
亥の子餅	いのこもち	inoko-mochi_oct	Boar Child Mochi	亥の子の日に食べられる和菓子。紫式部の源氏物語にも登場する。
落葉	おちば	ochiba_oct	Fallen Leaves	木から落ちた葉。10月から本格的に始まる。
林檎	りんご	ringo	Apple	秋に旬を迎える果物。
錦	にしき	nishiki	Brocade	紅葉が、美しく豪華な錦の織物のようであることのたとえ。
秋茜	あきあかね	akiakane	Autumn Darter Dragonfly	体が赤く染まった、アキアカネという種類のトンボ。
去ぬる夏	いぬるなつ	inuru natsu	The Summer That Has Passed	過ぎ去った夏を惜しむ気持ち。古語的な表現。
釣瓶落とし	つるべおとし	tsurube-otoshi	Like a Falling Well Bucket	秋の太陽が、井戸の釣瓶が落ちるように、急に沈んで暗くなること。
月待ち	つきまち	tsukimachi	Waiting for the Moon	人々が集まって、月の出を待つこと。特に十三夜などの月を待つ。
開炉	かいろ	kairo	Opening the Hearth (in spirit)	茶の湯で、11月の炉開きに先立ち、その準備をする時期。待望の気持ち。
金木犀	きんもくせい	kinmokusei	Fragrant Olive	秋に、小さな橙色の花を咲かせ、強い甘い香りを放つ。香りで秋の訪れを知る。
時代祭	じだいまつり	jidai matsuri	Festival of the Ages	10月22日に、京都の平安神宮で行われる祭り。日本の各時代の衣装をまとった行列が都大路を練り歩く。
梢の秋	こずえのあき	kozue no aki	Autumn on the Treetops	梢のあたりから色づき始める、紅葉の初期の様子。
収穫	しゅうかく	shukaku	Harvest	実った穀物や果物をとりいれること。秋の収穫。
残菊	ざんぎく	zangiku_oct	Lingering Chrysanthemums	菊の季節が過ぎても、まだ咲き残っている菊。名残を惜しむ。
菊の香	きくのか	kiku no ka	Scent of Chrysanthemums	秋の澄んだ空気の中に漂う、菊の香り。
秋の雲	あきのくも	aki no kumo_oct	Autumn Clouds	うろこ雲やいわし雲など、秋らしい雲の総称。
ハロウィン	はろうぃん	harowin	Halloween	10月31日の夜に行われる、西洋由来の祭り。かぼちゃがシンボル。
武蔵野	むさしの	musashino_oct	Musashino Plain	月や秋草の名所として、古くから和歌に詠まれた。ススキ野原が広がる様。
紫式部	むらさきしきぶ	murasakishikibu_plant	Japanese beautyberry	秋に、つややかな紫色の小さな実をたくさんつける。その名は源氏物語の作者にちなむ。
通草	あけび	akebi	Akebia	秋に熟すと、実がぱっくりと割れる。中の甘い果肉を食べる。
初時雨	はつしぐれ	hatsu shigure	First Autumn Shower	その年の秋、初めて降る時雨。
秋気	しゅうき	shūki	Autumn Air/Atmosphere	秋の気配、秋らしい感じ。ひんやりとした空気。
松風	しょうふう	shōfū_oct	Wind in the Pines / Kettle Sound	風炉から炉へ切り替わり、釜の煮える音が松林を渡る風の音「松風」として、より静かに心に響く季節。
名残の茶	なごりのちゃ	nagori no cha	Tea of Parting	風炉の季節の終わりを惜しみ、最後の風炉でいただくお茶。
有明の月	ありあけのつき	ariake no tsuki_oct	Dawn Moon	秋の夜長、夜が明けてもまだ空に残っている月。
櫨	はぜ	haze	Wax Tree	秋に、燃えるように赤く紅葉する。紅葉の代表的な木の一つ。
秋日和	あきびより	akibiyori	Fine Autumn Day	移動性高気圧に覆われた、穏やかな秋晴れの日。
真弓	まゆみ	mayumi	Spindle Tree	秋に、可愛らしい実と、美しい紅葉が楽しめる。
銀木犀	ぎんもくせい	ginmokusei	Silver Osmanthus	金木犀に似た白い花をつけ、上品な香りを放つ。
名残の月	なごりのつき	nagori no tsuki	Parting Moon	過ぎゆく秋を惜しむ月。十三夜の後の、物寂しい月。
花野	はなの	hanano_oct	Field of Autumn Flowers	秋の草花が一面に咲き乱れる野原。特に10月はコスモスや萩が美しい。
胡桃	くるみ	kurumi	Walnut	秋に収穫される木の実の一つ。
零余子	むかご	mukago	Yam Bulbils	山芋のつるにできる、小さな芋。炊き込みご飯などで食べられる秋の味覚。
秋桜	こすもす	kosumosu_oct	Cosmos	秋の野に咲く代表的な花。10月に見頃を迎える場所が多い。
石榴	ざくろ	zakuro	Pomegranate	秋に熟し、赤い実が割れて宝石のような粒が現れる。
名残の風炉	なごりのふろ	nagori no furo	Parting Brazier	10月で最後となる風炉のこと。来年まで見られない風炉を惜しむ。
恵比寿講	えびすこう	ebisukō	Ebisu Festival	商売繁盛の神、恵比寿様を祀る祭り。10月20日または11月20日に行われることが多い。
十日夜	とおかんや	tōkan'ya	Tenth Night	旧暦10月10日の夜に行われる収穫祭。稲藁で「わら鉄砲」を作り地面を叩き、もぐらを追い払う風習がある。
葡萄	ぶどう	budō	Grapes	秋の収穫の代表的な果物。
薩摩芋	さつまいも	satsumaimo	Sweet Potato	秋に旬を迎える、甘くて美味しい芋。
侘	わび	wabi_oct	Wabi aesthetic	質素の中に見出す、静かで清澄な美。名残の季節の心境。
寂	さび	sabi_oct	Sabi aesthetic	時間の経過によって現れる、内面的な深みや豊かさ。枯れたものの美しさ。
夜寒	よさむ	yosamu	Night Cold	秋の夜の、肌寒さ。
朝寒	あささむ	asazamu	Morning Cold	秋の朝の、ひんやりとした寒さ。
楓	かえで	kaede	Maple Tree	紅葉の代表的な木そのもの。
柿紅葉	かきもみじ	kaki momiji	Persimmon Leaves	柿の葉が美しく紅葉するさま。
秋冷	しゅうれい	shūrei_cold	Autumn Chill	秋の、ひんやりとした空気。「秋気」とほぼ同義。
菊日和	きくびより	kikubiyori	Perfect Chrysanthemum Weather	菊の花が咲く頃の、穏やかな晴天。
中置	なかじょき	nakajoki	Mid-hearth placement	風炉の名残の季節（10月）に行われる、特殊な点前。風炉を畳の中央に置く。
実りの秋	みのりのあき	minori no aki	Autumn of Harvest	様々な作物が実る、豊かな秋を称える言葉。
烏瓜	からすうり	karasuuri	Snake Gourd	秋に、朱色の実をつける。その実が夜になると裂ける様も趣がある。
食欲の秋	しょくよくのあき	shokuyoku no aki	Autumn for Appetite	美味しいものがたくさん実り、食欲が増す秋を表現する言葉。
神無月	かんなづき	kannazuki	Kannazuki (Godless Month)	旧暦10月のこと。全国の八百万の神々が出雲大社に集まり、他の土地では神が不在になるという伝説から。
案山子	かかし	kakashi	Scarecrow	田畑を鳥から守るために立てられる人形。収穫期の田園風景。
秋深し	あきふかし	aki fukashi	Autumn Deepens	秋が深まっていく様。芭蕉の句「秋深き隣は何をする人ぞ」から。
神在月	かみありづき	kamiarizuki	Kamiarizuki (God-present Month)	出雲地方での10月の呼び名。全国の神々が集まるため。
天高し	てんたかし	ten takashi	The Heavens are High	秋の空が、空気が澄んでいるため高く感じられること。天高く馬肥ゆる秋。
体育の日	たいいくのひ	taiiku no hi	Health and Sports Day	伝統的に10月10日だった国民の祝日。秋の運動会のイメージ。
亥の子	いのこ	inoko_oct	Day of the Boar	旧暦10月の亥の日に行われる行事。亥の子餅を食べ、無病息災や子孫繁栄を祈る。「炉開き」と関連が深い。
鞍馬の火祭	くらまのひまつり	kurama no himatsuri	Kurama Fire Festival	10月22日の夜、京都の鞍馬にある由岐神社で行われる勇壮な火祭り。
秋の声	あきのこえ	akinokoe	Voice of Autumn	風の音、鹿の声、虫の声など、秋を感じさせる様々な音。
秋色	しゅうしょく	shūshoku	Autumn Colors/Scenery	秋の景色、秋の気配。「あきのいろ」と同義。
杜鵑草	ほととぎす	hototogisu_plant	Toad Lily	鳥のホトトギスの胸の模様に似た斑点を持つ花。秋に咲く。
暮れの秋	くれのあき	kure no aki	The End of Autumn	深まっていく秋の、終わりの頃。晩秋。
茸狩り	きのこがり	kinokogari	Mushroom Hunting	秋の山野に、きのこを採りに行くこと。
秋の田	あきのた	aki no ta	Autumn Rice Paddy	稲刈りが終わった後の、静かな田んぼの風景。
11月 November
霜月	しもつき	shimotsuki	Old lunar name “month of frost”	旧暦十一月の異称。
神帰月	かみきづき	kamikizuki	“Month when gods return”	全国の神々が出雲から戻る月とする別称。
立冬	りっとう	rittō	Beginning of winter solar term	二十四節気の一つ。
小雪	しょうせつ	shōsetsu	“Light-Snow” solar term	僅かな雪が舞い始める頃。
初冬	しょとう	shotō	Early winter	“冬に入りたて”の季語。
冬隣	ふゆとなり	fuyutonari	“Winter at the neighbour”	冬が間近に迫る気配を詠む語。
霜柱	しもばしら	shimobashira	Frost columns	地面の水分が凍って柱状になる。
霜枯	しもがれ	shimogare	Frost-withered plants	霜で黒ずみ枯れる草木。
霜紅葉	しももみじ	shimomomiji	Leaves coloured deeper by frost	霜を受けて一層冴える紅葉。
朝霜	あさしも	asashimo	Morning frost	夜明けに降りた白霜。
白霜	しらしも	shirashimo	Glittering white frost	銀白色に輝く霜。
霜夜空	しもよぞら	shimoyozora	Frost-chilled night sky	凍てつく夜空の澄明。
霜畑	しもばたけ	shimobatake	Farmland whitened by frost	畑一面が霜で白く覆われる景。
凍雫	いてしずく	iteshizuku	Beads of frozen drip	軒雫が凍って玉となる。
氷雨	ひさめ	hisame	Chilly sleet	“氷混じりの雨”を指す冬の語。
薄氷	うすらい	usurai	Paper-thin first ice	水面に薄く張る氷。
氷池	こおりいけ	kōriike	Pond beginning to freeze	池の端から結氷し始める景。
山茶花	さざんか	sazanka	Sasanqua camellia	冬初めに咲く淡紅/白の花。
山茶始開	さざんかはじめてひらく	sazanka-hajimete-hiraku	“Sasanqua first open” micro-season	立冬初候七十二候。
地始凍	ちはじめてこおる	chi-hajimete-kōru	“Earth first freezes” micro-season	立冬次候。
金盞香	きんせんかさく	kinsenka-saku	“Narcissus gives scent” micro-season	立冬末候。
虎始交	とらはじめてつるむ	tora-hajimete-tsurumu	“Tigers first mate” micro-season	小雪初候。
朔風払葉	さくふうこのはをはらう	sakufū-konoha-wo-harau	“North wind strips leaves” micro-season	小雪次候。
橘始黄	たちばなはじめてきばむ	tachibana-hajimete-kibamu	“Mandarin fruit turn yellow” micro-season	小雪末候。
朔北風	さくほくふう	sakuhokufū	Biting north wind	木枯らしの古語。
木枯声	こがらしごえ	kogarashigoe	Sough of the kogarashi gale	枯葉を揺らす木枯らしの音。
冬霞	ふゆがすみ	fuyugasumi	Winter haze	“春霞”に対し冬の霞を指す語。
冬日和	ふゆびより	fuyubiyori	Bright calm winter day	風なく陽の暖かい一日。
寒暁	かんぎょう	kangyō	Chilly dawn	凍気の漂う夜明け。
寒月	かんげつ	kangetsu	Cold-season moon	澄み切った冬の月。
寒星	かんせい	kansei	Winter-time bright stars	空気澄み冴えわたる星々。
葱鮮	ねぎあざやか	negiazayaka	Fresh-green winter scallions	冬に甘味増す葱の色。
大根干	だいこんぼし	daikonboshi	Sun-drying daikon radish	軒先に大根を干す光景。
大根焚	だいこんたき	daikontaki	Temple daikon stew offering	京都鳴滝などの年中行事。
蕪蒸	かぶむし	kabumushi	Steamed turnip stuffed dish	冬の椀向きとして定番。
白菜漬	はくさいづけ	hakusai-zuke	Pickled Chinese cabbage	初冬に漬け込む家庭保存食。
野沢菜	のざわな	nozawana	Nozawa turnip greens	信州特産の冬菜。
寒蕎麦	かんそば	kansoba	New winter buckwheat noodles	寒気で甘味増す粉を用いる。
新嘗祭	にいなめさい	niiname-sai	Imperial harvest thanksgiving (23 Nov)	新米を天皇が神前で供え食する祭。
新嘗御飯	にいなめごはん	niiname-gohan	Rice offered at Niiname	神前供御の新米ご飯。
神楽鈴	かぐらすず	kagurasuzu	Ritual bells in autumn kagura	新嘗祭の夜神楽で鳴る鈴。
口切	くちきり	kuchikiri	Opening the sealed tea-jar	茶壺の封を切り新茶を出す儀。
壺切	つぼきり	tsubokiri	Alternative term for kuchikiri	“口切”と同義の古語。
初炉	はつろ	hatsuro	First use of sunken hearth	冬点前の象徴。炉開き。
炉開	ろびらき	robiraki	Hearth-opening tea gathering	旧暦十月の風炉→炉切替行事。
初炭	はつずみ	hatsuzumi	Season’s first charcoal	炉用の炭を初めて組む手前。
雪輪炭	ゆきわずみ	yukiwa-zumi	“Snow-ring charcoal”	切口が雪輪形の風炉用炭。
槇炭	まきずみ	makizumi	High-grade pine charcoal for hearth	炉開きに用いる香高い炭。
茶壺開	ちゃつぼびらき	chatsubo-biraki	General term for tea-jar opening	口切の別称として地方で使用。
冬茶碗	ふゆちゃわん	fuyuchawan	Thick-walled winter chawan	炉用に重みある茶碗。
冬薔薇	ふゆそうび	fuyusōbi	Winter-blooming roses	“返り咲き”する晩秋の薔薇。
寒椿	かんつばき	kantsubaki	Winter camellia	十一月に開花する椿系統。
寒菊	かんぎく	kangiku	Late-blooming hardy chrysanthemum	霜にも耐える小菊。
寒蘭	かんらん	kanran	Fragrant winter orchid	長生蘭とも呼ばれる冬咲き蘭。
初椿	はつつばき	hatsutsubaki	Season’s first camellia	炉開き茶花として珍重。
椿落葉	つばきおちば	tsubaki-ochiba	Fallen camellia leaves	常緑ゆえ少量ずつ落ちる葉。
枯野	かれの	kareno	Withered autumn fields	草が枯れ一面茶褐色となる原。
枯木立	かれこだち	karekodachi	Bare winter trees	葉を落とし骨組みだけの樹々。
落葉松	からまつ	karamatsu	Larch needles turning gold	“落葉松黄葉”とも。
冬桜	ふゆざくら	fuyuzakura	Prunus subhirtella blooming now	晩秋に清楚な花を付ける桜。
残菊	ざんぎく	zangiku	Late surviving chrysanthemums	季節の名残を留める菊。
菊枯	きくかれ	kikukare	Withered chrysanthemum	花終わり黒変した茎葉。
冬牡丹	ふゆぼたん	fuyubotan	Forcing-grown peonies	藁囲いの下で咲かせる観賞用。
侘助	わびすけ	wabisuke	Simple single-petal camellia	侘茶好みとされる早咲き椿。
鴛鴦	おしどり	oshidori	Mandarin duck pair	番いで越冬する美麗な鴨。
合鴨	あいがも	aigamo	Domestic-wild cross ducks	田に放し越冬させる鴨。
冬鴎	ふゆかもめ	fuyukamome	Gulls wintering inside bays	内湾に群れるユリカモメ。
白鳥来	はくちょうきたる	hakuchō-kitaru	Swans arrive from Siberia	越冬の白鳥が湖沼に飛来。
初鴨	はつがも	hatsugamo	First wild duck sighted	鴨猟解禁期の初飛来。
群鴨	むらがも	muragamo	Flocks of ducks on water	湖面を覆う多数の鴨。
冬鶫	ふゆつぐみ	fuyutsugumi	Wintering dusky thrush	畑で餌をついばむ渡り鳥。
百舌鳴	もずなく	mozu-naku	Shrike’s piercing autumn call	高木の梢で鋭く啼く声。
鰤起	ぶりおこし	buriokoshi	“Buri-awakening” thunder	雷鳴で寒鰤の漁期が始まる俗語。
鮟鱇	あんこう	ankō	Anglerfish landed in cold seas	“冬の味覚”を代表する深海魚。
鱈	たら	tara	Pacific cod in season	寒海で脂の乗る白身魚。
鰰	はたはた	hatahata	Sandfish arriving with surf	“鰰雷”と呼ばれる雷と共に接岸。
牡蠣鍋	かきなべ	kakinabe	Oyster hot-pot	初冬の鍋物代表。
河豚初	ふぐはつ	fuguhatsu	First pufferfish of the season	解禁間もない天然トラフグ。
冬蜜柑	ふゆみかん	fuyumikan	Satsuma mandarin ripening	皮薄く甘味増す有田みかん。
柚子初	ゆずはつ	yuzuhatsu	Season’s first yuzu harvested	冬至前に黄色く色付く柚子。
初雪	はつゆき	hatsuyuki	First snowfall	山頂や北国で観測される初雪。
雪催	ゆきもよい	yukimoyoi	Air heavy with promise of snow	今にも雪になりそうな空模様。
冬銀河	ふゆぎんが	fuyuginga	Brilliant winter Milky Way	澄んだ空気で銀河が冴える。
冬日向	ふゆひなた	fuyuhinata	Patch of warm winter sun	庭の一隅に差す柔光。
枯芒	かれすすき	karesusuki	Withered pampas grass	穂が茶色く枯れた薄。
落鮭	おちざけ	ochizake	Spent salmon drifting downstream	産卵を終え力尽きる鮭。
冬霞灯	ふゆがすみび	fuyugasumibi	Lantern gleaming through winter haze	行灯の灯が霧に滲む景。
炉香	ろこう	rokō	Fragrance of hearth charcoal	炉開き後の炭の香を愛でる語。
夜長茶	よながちゃ	yonagacha	Tea enjoyed on lengthened nights	炉辺でゆったり味わう濃茶。
夜咄	よばなし	yobanashi	Evening hearth-side tea gathering	提灯で迎える宵の茶事。
炬燵開	こたつびらき	kotatsu-biraki	First setting-out of the kotatsu	冬支度として卓を据える日。
里神楽夜	さとかぐらよ	satokagurayo	Night of village kagura	新嘗祭に奉納される夜神楽。
豊年踊	ほうねんおどり	hōnen-odori	Good-harvest thanksgiving dance	収穫を祝う念仏踊り。
千歳詣	ちとせもうで	chitose-mōde	Preparatory shrine visit for Shichi-Go-San	七五三前に行う家族参詣。
亥の子餅	いのこもち	inokomochi2	Rice cakes for “Boar-day” in mid-Nov	刃物厄を祓う縁起菓子。
炭取り虫	すみとりむし	sumitorimushi	Cricket kept to judge charcoal	炉用炭の乾きを虫の声で占う。
炉塞	ろふさぎ	rofusagi	Putting away the portable brazier	風炉を収め炉の季へ移る作業。
秋惜	あきおしむ	akioshimu	Reluctance at autumn’s end	去りゆく秋を名残る心。
冬深	ふゆふかし	fuyufukashi	“Winter deepens”	冬気が次第に強まる頃。
星冴	ほしさえ	hoshisae	Crystal-clear starlight	寒気で星光が冴え渡るさま。
冬麗	ふゆうらら	fuyuurara	Beautiful mild winter day	“冬日和”より暖かさ感じさせる語。
松明鮭	たいまつざけ	taimatsuzake	Torch-light salmon fishing	松明を掲げて夜に取る鮭。
貝寄風	かいよせ	kaiose2	Wind that piles shells ashore	初冬の季節風で浜に貝殻寄る。
野焼跡	のやけあと	noyakeato	Scorched field after autumn burn	黒く焦げた斜面が冬日を吸う。
稲架日和	はさびより	hasabiyori2	Ideal sunny day for rice-rack work	乾いた北風と日照が続く日。
晩稲	おくて	okute2	Late-ripening rice harvested now	十月に刈り遅れた品種の収穫。
霜夜茶	しもよちゃ	shimoyocha	Tea shared on a frosty night	炉辺で温かい薄茶を楽しむ席。
霜月	しもつき	shimotsuki	Shimotsuki (Frost Month)	旧暦11月のこと。霜が降りる月であることから。
七五三	しちごさん	shichi-go-san	7-5-3 Festival	11月15日に、数え年で三歳・五歳の男の子、三歳・七歳の女の子の成長を祝い、神社に詣でる行事。
晩秋	ばんしゅう	banshū	Late Autumn	秋の終わり頃。紅葉も深まり、冬の気配が濃くなる季節。
落ち葉	おちば	ochiba_november	Fallen Leaves	木から落ちた葉。11月には、地面を埋め尽くすように落ち葉が積もり、晩秋の情景を彩る。
時雨	しぐれ	shigure_november	Autumn/Winter Shower	秋の終わりから冬の初めにかけて、降っては止み、また降る通り雨。冷たさが冬の到来を告げる。
千歳飴	ちとせあめ	chitose-ame	Thousand-Year Candy	七五三で、子供の長寿を願って食べられる、紅白の細長い飴。
立冬	りっとう	rittō	First Day of Winter	二十四節気の一つ（11月7日頃）。暦の上で冬が始まる日。
口切	くちきり	kuchikiri	Cutting the Seal (of a tea jar)	炉開きの時期に行われる、最も格式の高い茶事。その年の春に摘まれた新茶を詰めた茶壺の封を切り、初めて使う。
亥の子餅	いのこもち	inoko-mochi_november	Boar Child Mochi	炉開きの日に食べられる和菓子。亥の日に炉開きを行う習慣から。無病息災を願う。
小雪	しょうせつ	shōsetsu	Lesser Snow	二十四節気の一つ（11月22日頃）。雪が降り始めるが、まだ積もるほどではない頃。
帰り花	かえりばな	kaeribana	Unseasonal Bloom	晩秋から初冬の暖かい日に、季節外れに咲く花。狂い咲き。
冬隣	ふゆどなり	fuyu-donari	Winter is Next Door	秋が終わり、冬がすぐそこまで来ているという季節感。
山茶花	さざんか	sazanka	Sasanqua Camellia	晩秋から冬にかけて、椿に似た花を咲かせる。花びらが一枚一枚散るのが特徴。
照り葉	てりは	teriha_november	Shining Leaves	日に照らされて美しく輝く紅葉。10月よりも、西日を受けて一層深く輝く様。
落葉焚	おちばたき	ochibataki	Burning Fallen Leaves	集めた落ち葉を焚くこと。その匂いや煙が、晩秋の風物詩。
神楽	かぐら	kagura_november	Kagura (Sacred Dance)	霜月神楽など、秋の収穫を感謝し、神に奉納される神楽。
酉の市	とりのいち	tori no ichi	Rooster Fair	11月の酉の日に関東各地の神社で開かれる市。商売繁盛を願う、縁起物の熊手が売られる。
熊手	くまで	kumade	Decorative Rake	酉の市で売られる、福や金運を「かき集める」とされる縁起物。
朽葉	くちば	kuchiba	Decaying Leaves	色褪せ、朽ちていく落ち葉の色。「朽葉色」は日本の伝統色。
埋火	うずみび	uzumibi	Buried Embers	炉の火を、灰をかけて埋めておき、火持ちをさせること。静かな暖かさ。
小春日和	こはるびより	koharubiyori	Indian Summer	晩秋から初冬にかけての、春のように穏やかで暖かい日。
冬支度	ふゆじたく	fuyujitaku	Winter Preparations	冬に備えて、暖房器具や冬服を出すなど、準備をすること。
鴨	かも	kamo	Wild Duck	冬になると、日本に飛来する渡り鳥。この時期から狩猟が解禁される。
亥の子	いのこ	inoko_november	Day of the Boar	炉開きが、旧暦10月（現在の11月頃）の亥の日に行われたことから。
冬構え	ふゆがまえ	fuyugamae	Preparing for Winter	雪国で、雪の重みから家や庭木を守るために、囲いや雪吊りを施すこと。
末広	すえひろ	suehiro_november	Folding Fan / Ever-widening Fortune	扇子のこと。七五三の祝い事で、千歳飴と共に子供に持たせる縁起物。末広がりの繁栄を願う。
石蕗	つわぶき	tsuwabuki	Leopard Plant	晩秋、庭の片隅などで、菊に似た黄色い花を咲かせる。
錦木	にしきぎ	nishikigi	Winged Euonymus	秋の紅葉が、錦のように美しいことから名付けられた木。
豊年	ほうねん	hōnen_november	Bountiful Year	新嘗祭などで、秋の豊かな収穫に感謝する気持ち。
深まりゆく秋	ふかまりゆくあき	fukamariyuku aki	Ever-deepening Autumn	日々、秋が深まっていく様。
柴	しば	shiba_november	Brushwood / Firewood	冬の暖をとるための、細い雑木。炉の季節の始まりに。
勤労感謝の日	きんろうかんしゃのひ	kinrō kansha no hi	Labor Thanksgiving Day	11月23日。勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日。元は新嘗祭。
新嘗祭	にいなめさい	niinamesai	Harvest Festival	天皇が、その年に収穫された新穀を神々に供え、自らも食す宮中祭祀。
残紅	ざんこう	zankō	Lingering Crimson	紅葉の盛りを過ぎても、まだ赤く残っている葉。
冬萌	ふゆもえ	fuyumoe_november	Winter Sprouting	草木が春に備えて、冬の間にひっそりと芽を準備している様。帰り花に近い。
敷松葉	しきまつば	shikimatsuba	Pine Needle Mulch	霜から苔を守り、また庭の景色として、松の葉を敷き詰めること。
紅葉重ね	もみじがさね	momijigasane	Layered Maple Leaves	紅葉の葉が幾重にも重なっている様。または、襲の色目（かさねのいろめ）の一つ。
吹き寄せ	ふきよせ	fukiyose	Wind-swept Gathering	風で、色とりどりの落ち葉が一箇所に吹き寄せられた様。
冬の月	ふゆのつき	fuyu no tsuki_november	Winter Moon (Early)	冬の、澄み切った空に凍てつくように輝く月。11月は初冬の月として。
冬ざれ	ふゆざれ	fuyuzare	Wintry Desolation	草木が枯れ、荒涼とした冬景色になっていく様。
翁	おきな	okina_november	Old Man	能の「翁」から。神聖な老人。長寿の象徴であり、また新嘗祭などと関連付けて。
寒菊	かんぎく	kangiku	Winter Chrysanthemum	晩秋から冬にかけて咲く、小ぶりの菊。
冬桜	ふゆざくら	fuyuzakura	Winter Cherry Blossom	秋から冬にかけて、ちらほらと花を咲かせる桜の品種。
木守	きまもり	kimamori	Tree Guardian	来年も豊かに実るようにと、収穫後も一つだけ木に残しておく果実。柿などで見られる。
侘助	わびすけ	wabisuke_november	Wabisuke Camellia	茶人に好まれる、小ぶりで一重咲きの椿の品種。晩秋から咲き始める。
銀杏	いちょう	ichō_november	Ginkgo	秋に葉が鮮やかな黄色に色づく。11月は落葉の時期。
立冬の候	りっとうのこう	rittō no kō	Season of the Beginning of Winter	時候の挨拶。暦の上で冬が始まったこの頃。
野分	のわき	nowaki_november	Autumn Gale / Typhoon	秋の野の草を分けて吹く、強い風。台風の古語。9月が主だが、11月上旬まで使うことがある。
色無き風	いろなきかぜ	ironaki kaze	Colorless Wind	秋の終わり、紅葉を散らし、冬の到来を告げる風。華やかさがなく、寂しい。
枯野	かれの	kareno	Withered Field	草木が枯れて、荒涼とした冬の野原。
落葉松	からまつ	karamatsu	Larch	日本の松では唯一、秋に葉が黄色く色づいて落葉する。
柴垣	しばがき	shibagaki	Brushwood Fence	柴を粗く編んで作った垣根。侘びた風情がある。
黄落	こうらく	kōraku	Yellow Falling	銀杏など、黄色く色づいた葉が散ること。
神送り	かみおくり	kamiokuri	Sending off the Gods	出雲へ旅立った神々を見送るという、10月の神無月に続く心持ち。
神渡し	かみわたし	kamiwatashi	God-sending Wind	神々が出雲へ向かう頃に吹くという、西風。
笹鳴き	ささなき	sasanaki	Bush Warbler's Winter Cry	うぐいすの、春とは違う地味な鳴き声。「チャッ、チャッ」という地鳴き。
十夜	じゅうや	jūya	Ten Nights (Jūya-e)	浄土宗の寺院で、10月（または11月）に行われる、十日十夜の法要。
冬紅葉	ふゆもみじ	fuyu momiji	Winter Maple Leaves	冬になっても、まだ枝に残っている紅葉。
口切の祝	くちきりのいわい	kuchikiri no iwai	Celebration of the Tea Jar Opening	口切の茶事を、祝いの言葉で表現したもの。
御茶壺道中	おちゃつぼどうちゅう	ochatsubo dōchū	Honorable Tea Jar Procession	江戸時代、宇治から江戸城へ新茶を運んだ行列。口切の茶事にちなむ。
熱燗	あつかん	atsukan	Hot Sake	寒くなり、温めて飲む日本酒が恋しくなる季節。
お火焚き	おひたき	ohitaki	Sacred Bonfire Festival	秋の収穫に感謝し、火の神の神徳をたたえる神事。京都の神社で11月に行われる。
顔見世	かおみせ	kaomise	Kaomise (Face-Showing Performance)	江戸時代、11月に、翌年一年間の芝居の出演者を観客に披露する歌舞伎の興行。京都南座が有名。
初氷	はつごおり	hatsugōri	First Ice	その冬、初めて氷が張ること。水たまりや池などに薄く氷が見られる。
木の葉雨	このはあめ	konoha-ame	Rain of Tree Leaves	落ち葉が、雨のように、はらはらと一斉に散りかかる様。
山眠る	やまねむる	yama nemuru_november	The Mountains Sleep	冬の、静まりかえった山の様子を、眠っているように見立てた言葉。初冬から使われる。
雪吊	ゆきつり	yukitsuri	Snow Ropes	冬の重い雪から木の枝を守るため、縄で枝を吊り上げること。冬構えの一つ。
神帰	かみかえり	kamikaeri	Return of the Gods	出雲に集まっていた神々が、それぞれの土地へ帰ってくること。神迎。
神迎	かみむかえ	kamimukae_november	Welcoming the Gods	出雲から帰ってきた神々を迎えること。
霜柱	しもばしら	shimobashira	Frost Columns	地中の水分が凍って、土を持ち上げながら柱状に伸びた氷。
懐紙	かいし	kaishi_november	Pocket Paper	七五三で、筥迫（はこせこ）に入れる小道具の一つ。
茶壺	ちゃつぼ	chatsubo	Tea Jar	口切の茶事で主役となる、抹茶を保管する壺。
短日	たんじつ	tanjitsu	Short Day	冬に向かい、昼間の時間が短くなること。
冬構	ふゆごしらえ	fuyugoshirae	Winter Preparations (alt. reading)	冬支度と同じ。冬を迎えるための準備。
風花	かざはな	kazahana	Wind Flower (Snow Flurries)	晴れた日に、風に乗ってちらちらと舞う雪。
冬日向	ふゆひなた	fuyuhinata	Winter Sunshine	冬の、弱々しいが、暖かく感じられる日差し。
霜楓	しももみじ	shimo momiji	Frosted Maple Leaves	霜が降りて、一層美しく色づいた紅葉。
枯葉	かれは	kareha	Withered Leaves	水分が抜け、枯れた葉。侘びた風情。
返り咲き	かえりざき	kaerizaki	Blooming Again	帰り花と同じ。一度咲いた花が季節外れに再び咲くこと。
炉開き	ろびらき	robiraki	Opening the Hearth	茶の湯で、11月に風炉をしまい、畳に切った炉を初めて使うこと。茶人にとっては「茶人の正月」ともいわれる、一年の始まりのような大切な行事。
木枯らし	こがらし	kogarashi	Wintry Wind	晩秋から初冬にかけて吹く、冷たく強い北風。木の葉を吹き散らす。
残菊	ざんぎく	zangiku_november	Lingering Chrysanthemums	菊の季節が完全に終わっても、まだ咲き残っている菊。もののあはれ。
文化の日	ぶんかのひ	bunka no hi	Culture Day	11月3日。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」国民の祝日。
一の酉	いちのとり	ichi no tori	First Rooster Day	11月の最初の酉の日、またはその日に行われる酉の市。
二の酉	にのとり	ni no tori	Second Rooster Day	11月の2回目の酉の日、またはその日の酉の市。
三の酉	さんのとり	san no tori	Third Rooster Day	11月の3回目の酉の日、またはその日の酉の市。
亥の日	いのひ	i no hi	Day of the Boar	炉開きが行われる日取り。
12月 December
師走	しわす	shiwasu	Old lunar name “priests run month”	旧暦十二月の異称。師が東西奔走する意。
極月	ごくげつ/gokuzuki	gokuzuki	“Ultimate month”	年の果てを示す雅称。
臘月	ろうげつ	rogetsu	Classical Sino-Japanese “waxing month”	陰暦十二月の漢語的表現。
暮古月	くれこづき	kurekozuki	“Month of ancient dusk”	年の暮れを強調した異名。
春待月	はるまちづき	harumachizuki	“Month waiting for spring”	春を待望する意の別称。
晩冬	ばんとう	bantō	Deep late-winter period	冬も末期に入った頃を指す。
大雪	たいせつ	taisetsu	“Great-Snow” solar term	二十四節気。雪が深まる頃。
冬至	とうじ	tōji	Winter solstice	日照時間が最短となる日。
閉塞成冬	へいそくしてふゆとなる	heisokushite-fuyu-to-naru	“Heaven & earth close; winter is born” micro-season	大雪初候・七十二候。
熊蟄穴	くまあなにこもる	kuma-ana-ni-komoru	“Bears enter dens” micro-season	大雪次候。
鱖魚群	さけのうおむらがる	sake-no-uo-muragaru	“Salmon crowd in rivers” micro-season	大雪末候。
冬至粥	とうじがゆ	tōjigayu	Azuki-rice gruel for solstice	邪気払いとして冬至朝に食す。
冬至南瓜	とうじかぼちゃ	tōji-kabocha	Pumpkin stewed on solstice	保存南瓜を甘煮にして食べる習俗。
柚子湯	ゆずゆ	yuzuyu	Hot bath with floating yuzu	冬至夜に入る薬湯。
柚子香	ゆずこう	yuzukō	Fragrance of ripe yuzu	“冬至七日の香”と称す芳香。
柚子籠	ゆずかご	yuzukago	Bamboo basket of yuzu offered at hearth	炉辺に置き香を楽しむ籠。
深雪	みゆき	miyuki	Deep settled snow	積もり積もった厚い雪。
粉雪	こなゆき	konayuki	Powder snow	粉のように細かく乾いた雪。
細雪	ささめゆき	sasameyuki	Very light flurries	糸のように細い雪片。
牡丹雪	ぼたんゆき	botanyuki	Large fluffy flakes	牡丹の花弁ほどの綿雪。
淡雪	あわゆき	awayuki	Transient light snow	“泡の如く消えやすい雪”。
新雪	しんせつ	shinsetsu	Fresh-fallen snow	まだ誰も踏んでいない雪。
根雪	ねゆき	neyuki	Snow that lasts all winter	地に根を張るよう残る雪。
霰	あられ	arare	Wintry hail pellets	直径5mm未満の氷粒。
霙	みぞれ	mizore	Sleet	雪と雨が混じる降水。
吹雪	ふぶき	fubuki	Blizzard	強風を伴う激しい降雪。
雪嵐	ゆきあらし	yukiarashi	Snow squall	“地吹雪”とも呼ばれる荒天。
雪明り	ゆきあかり	yukiakari	Soft light reflected by snow	降雪で夜が仄白く明るいさま。
雪晴	ゆきばれ	yukibare	Clear sky after snowstorm	雪後の快晴。
雪夜	ゆきよ	yukiyo	Snowy night	雪の降りしきる夜。
雪月	ゆきづき	yukidzuki	Full moon shining on snow	“雪に映える月光”を愛でる語。
氷柱	つらら	tsurara	Long icicles	軒先から下がる氷の柱。
氷花	ひょうか	hyōka	“Ice-flowers” on glass	結晶が花模様に広がる霜。
氷面鏡	こおりのおもかがみ	kōri-no-omokagami	“Ice-mirror surface”	凍った水面が鏡状に光る。
氷渡り	こおりわたり	kōri-watari	Walking over frozen lake	湖面全面結氷の景。
寒波	かんぱ	kanpa	Cold wave	大陸から南下する強烈寒気。
厳寒	げんかん	genkan	Intense mid-winter cold	身を切るような寒さ。
冬凪	ふゆなぎ	fuyunagi	Calm sea in winter	寒気の中で風の止む凪。
冬木立	ふゆこだち	fuyukodachi	Leafless winter grove	裸木の立ち並ぶ景。
寒夜	かんや	kan'ya	Cold night	底冷えのする夜。
冬暁	ふゆぎょう	fuyugyō	Winter dawn	寒中のかすかな夜明け。
霜深	しもふか	shimofuka	Very heavy frost	草木が真白に凍る景。
年の暮	としのくれ	toshinokure	Year-end	“歳晩”と同義の季語。
歳晩	さいばん	saiban	Year’s last days	年末の慌ただしい頃。
行く年	ゆくとし	yukutoshi	“The departing year”	年の過ぎ行く感慨を詠む語。
年忘	としわすれ	toshiwasure	Year-forgetting gathering	一年の憂さを晴らす宴。
忘年	ぼうねん	bōnen	“Forget-the-year”	語源は宋詩「忘年之交」。
煤払	すすはらい	susuharai	Soot-sweeping ceremony	江戸城・寺社で行う大掃除。
大掃除	おおそうじ	ōsōji	Thorough year-end cleaning	家庭で行う総仕上げ掃除。
歳の市	としのいち	toshinoichi	Year-end street market	正月用品を商う市。
終い天神	しまいてんじん	shimai-tenjin	Last monthly Tenjin fair (25 Dec)	北野天満宮の納め市。
終い弘法	しまいこうぼう	shimai-kōbō	Year-last Kōbō fair (21 Dec)	東寺弘法市の納め。
針供養	はりくよう	harikuyō	Memorial for broken needles (8 Dec)	裁縫道具を豆腐に刺し供養。
事納	ことおさめ	koto-osame	Last farm or household work day	旧の12/8 に一年の仕事納め。
納め湯	おさめゆ	osameyu	Final communal bath of the year	年内最後に湯屋に入る習俗。
成道会	じょうどうえ	jōdō-e	Buddha’s enlightenment ceremony (8 Dec)	臘八とも称し粥を供す。
臘八粥	ろうはちがゆ	rōhachi-gayu	Barley-rice gruel served at Jōdō-e	成道会で参禅者に供す粥。
歳暮詣	せいぼもうで	seibomōde	Year-end shrine visit	正月前に無事を感謝する参拝。
南天実	なんてんみ	nantenmi	Red berries of heavenly-bamboo	“難を転ずる”吉兆実。
雪椿	ゆきつばき	yukitsubaki	Wild camellia blooming in snow	越後地方特産の耐寒椿。
冬木瓜	ふゆぼけ	fuyuboke	Winter quince bloom	寒中に朱花を付ける木瓜。
寒梅	かんばい	kanbai	First buds of winter plum	十二月下旬に咲き始める梅。
寒桜	かんざくら	kanzakura	Cold-season cherry	冬咲きの早咲き桜の総称。
万両実	まんりょうみ	manryō-mi	Scarlet berries of Ardisia	“千両”より実大で正月飾りに用いる。
冬青	そよご	soyogo	Japanese holly leaves & red fruit	“冬青”と書き常緑の意。
柊挿	ひいらぎさし	hīragisashi	Holly sprig stuck in eaves	魔除けとして年末に挿す。
餅搗	もちつき	mochitsuki	Rice-cake pounding	年の瀬に行う餅搗き行事。
餅花	もちばな	mochibana	Decorative mochi blossoms	柳枝に紅白餅を付けた飾り。
切山椒	きりざんしょう	kirizanshō	Year-end rice-flour sweet with pepper	江戸の歳の市名物菓子。
粕汁	かすじる	kasujiru	Sake-lees winter soup	寒夜に温まる郷土汁。
炭納め	すみおさめ	sumi-osame	Last charcoal delivery for year	歳暮に窯を閉じる行事。
終い茶事	しまいちゃじ	shimaichaji	Year-final formal tea gathering	歳暮の点前で一年を締める茶事。
釜鳴	かまなり	kamanari	Humming of kettle on hearth	寒に響く湯釜の鳴音。
湯気香	ゆげこう	yugekō	Fragrance of rising steam	炉の湯気に漂う抹茶の香。
風花	かざはな	kazahana	Sparkling wind-borne snow dust	晴天に舞う細雪。
雪時雨	ゆきしぐれ	yukishigure	Passing flurry of snow	にわか雪の通り雨ならぬ雪。
凍滝	いてたき	itetaki	Frozen waterfall	瀑布全体が氷結した景。
氷壁	ひょうへき	hyōheki	Sheet of vertical ice	岩肌を覆う青い氷壁。
雪華	せっか	secca	Snow crystals	“六花”とも呼ぶ結晶。
雪兎	ゆきうさぎ	yuki-usagi	Small snow rabbit made by children	南天葉と赤実で耳目を飾る。
雪見灯	ゆきみとう	yukimitō	Stone lantern for snow viewing	雪に映える下窓付き石灯籠。
銀世界	ぎんせかい	gins sekai	“Silver world”	一面銀白に覆われた景。
雪達磨	ゆきだるま	yukidaruma	Snowman	子供が作る丸雪の人形。
雪見障子	ゆきみしょうじ	yukimi-shōji	Low-sill paper screen for viewing snow	座敷から雪景色を望む建具。
雪見舟	ゆきみぶね	yukimibune	Boat outing among falling snow	川湖で雪景を愛でる舟遊び。
除夜	じょや	joya	New-Year’s-eve night	“除夜の鐘”を撞く夜。
除夜鐘	じょやのかね	joya-no-kane	108-stroke temple bell	煩悩を払う除夜の鐘。
三十日月	みそかづき	misokazuki	Very slim waning moon on 30th night	月籠り直前の細月。
月籠	つきごもり	tsukigomori	“Moon hiding” (month ends)	月が籠り年が改まる意。
塒雁	とやがり	toyagari	Geese settling in night roost	“塒”はねぐらの意。
寒鴉	かんがらす	kangarasu	Crow in bleak cold	黒羽が冷気に冴える鴉。
冬鷹	ふゆたか	fuyutaka	Hawk hunting in winter fields	寒田を旋回する鷹。
炬燵猫	こたつねこ	kotatsu-neko	Cat curled in the kotatsu	暖卓から離れない猫。
炬燵守	こたつもり	kotatsumori	“Kotatsu guardian”	冬籠りで動かぬ人を戯称。
炭火暖	すみびだん	sumibidan	Warmth from charcoal brazier	炉端の熾きに両手をかざす。
火鉢	ひばち	hibachi	Charcoal hand-brazier	座敷で手足を温める道具。
雪見酒	ゆきみざけ	yukimizake	Sake enjoyed while watching snow	雪夜に燗酒を傾ける風情。
霜夜鍋	しもよなべ	shimoyonabe	Hot-pot on a frosty night	霜降る夜に囲む鍋料理。
冬星座	ふゆせいざ	fuyuseiza	Brilliant winter constellations	オリオン等が高く輝く空。
波の花	なみのはな	naminohana	Foamy “flowers” on winter waves	寒風で海水が泡となり飛ぶ現象。
鏡餅	かがみもち	kagamimochi	Stacked New-Year rice cakes	28 日ごろに作り床の間へ供す。
注連飾	しめかざり	shimekazari	New-Year straw festoon	注連縄に紙垂を下げた飾り。
門松	かどまつ	kadomatsu	Paired pine New-Year gate decoration	松を立て歳神を迎える標。
恵方	えほう	ehō	Lucky compass direction for coming year	歳徳神の在する方角。
師走	しわす	shiwasu	Shiwasu (Poetic month name)	旧暦12月のこと。師（僧侶）が、お経をあげるために東西を馳せるほど忙しい月「師馳す」が語源とされる。
冬至	とうじ	tōji	Winter Solstice	二十四節気の一つ（12月22日頃）。一年で最も昼が短く、夜が長い日。この日を境に再び日が長くなることから「一陽来復」ともいう。
大雪	たいせつ	taisetsu	Greater Snow	二十四節気の一つ（12月7日頃）。雪が激しく降り、積もり始める頃。
雪	ゆき	yuki	Snow	冬を象徴する天候。12月は本格的な雪の季節の始まり。
聖夜	せいや	seiya	Holy Night (Christmas Eve)	クリスマス・イブ（12月24日）の夜のこと。
年の瀬	としのせ	toshi no se	Year's End	年末の差し迫った時期。何かと忙しい頃。
大掃除	おおそうじ	ōsōji	Big Cleaning	年末に、一年の汚れを払い、新年を清らかに迎えるために行う大掛かりな掃除。
無事	ぶじ	buji	No Incident / Safe and Sound	一年間、無事に過ごせたことへの感謝の気持ち。禅語でもある。
柚子	ゆず	yuzu	Yuzu Citrus	冬至の日に、柚子湯に入る習慣がある。香りが良く、冬の味覚。
除夜の鐘	じょやのかね	joya no kane	New Year's Eve Bell	大晦日の夜、寺院で108回突かれる鐘。人間の108の煩悩を祓うとされる。
煤払い	すすはらい	susuharai	Soot Sweeping	大掃除の古称。昔の家屋の、囲炉裏などで溜まった煤を払い清めることから。
寒椿	かんつばき	kantsubaki	Winter Camellia	冬に赤い花を咲かせるツバキの一種。雪景色によく映える。
水仙	すいせん	suisen	Narcissus	冬の寒さの中に、凛として咲く白い花。清らかな香りがする。別名「雪中花」。
鴛鴦	おしどり	oshidori	Mandarin Duck	冬に日本に飛来する、美しい鳥。雄雌が仲睦まじいことから、夫婦円満の象徴。
氷	こおり	kōri	Ice	冬の寒さで水が凍ったもの。12月には本格的に池や湖に氷が張り始める。
初雪	はつゆき	hatsuyuki	First Snow	その冬、初めて降る雪。
冬ごもり	ふゆごもり	fuyugomori	Winter Confinement	冬の間、家に閉じこもって静かに過ごすこと。
餅つき	もちつき	mochitsuki	Mochi Pounding	年末に、新年のための餅をつくこと。日本の年末の風物詩。
年の暮	としのくれ	toshi no kure	End of the Year	年末。年の瀬とほぼ同義。
柊	ひいらぎ	hiiragi	Holly	葉の棘が邪鬼を払うとされ、節分やクリスマスの飾りに使われる。
冬の夜	ふゆのよ	fuyu no yo	Winter Night	静かで、長く、冷え冷えとした冬の夜。
一陽来復	いちようらいふく	ichiyō raifuku	Return of the Sun	冬至を境に、再び太陽の力が甦り、運が上向いてくること。
夜咄	よばなし	yobanashi	Night Conversation	冬の夜長を楽しむ、灯りの下で行う茶事。
暁の茶事	あかつきのちゃじ	akatsuki no chaji	Dawn Tea Gathering	冬の寒い時期、夜明け前の暗いうちから始まり、夜の明けていく様を楽しむ茶事。
歳暮	せいぼ	seibo	Year-end Gift	年末に、日頃お世話になっている人へ感謝を込めて贈る品物。
冬木立	ふゆこだち	fuyukodachi	Wintry Grove of Trees	葉をすべて落とし、枝だけになった木々の立ち並ぶ様子。
千両	せんりょう	senryō	Sarcandra glabra	冬に、葉の下に赤い実をつける縁起の良い植物。万両と共に正月の飾りに。
万両	まんりょう	manryō	Ardisia crenata	冬に、葉の下に垂れ下がるように赤い実をつける縁起の良い植物。
枯山水	かれさんすい	karesansui	Dry Landscape Garden	水を使わずに、石や砂で山水の風景を表現した庭園。冬の静寂さに通じる。
雪だるま	ゆきだるま	yukidaruma	Snowman	雪を丸めて作るだるま形の人形。西洋の文化としてクリスマスと関連づけられることもある。
冬景色	ふゆげしき	fuyugeshiki	Winter Scenery	雪が積もったり、草木が枯れたりした、冬の風景全般。
山眠る	やまねむる	yama nemuru_december	The Mountains Sleep	冬の、静まりかえった山の様子を、眠っているように見立てた言葉。
寒月	かんげつ	kangetsu_dec	Winter Moon	冬の夜空に、凍てつくように冷たく澄んで見える月。
ポインセチア	ぽいんせちあ	poinsechia	Poinsettia	クリスマスを象徴する、赤と緑のコントラストが美しい植物。
銀世界	ぎんせかい	ginsekai	Silver World	一面に雪が降り積もり、あたり一面が銀色に輝いている景色。
年越しそば	としこしそば	toshikoshi soba	Year-crossing Noodles	大晦日に、長寿や一年の災厄を断ち切ることを願って食べるそば。
行く年	ゆくとし	yuku toshi	The Passing Year	過ぎ去っていく一年。
寒気	かんき	kanki	Winter Cold / Cold Air	冬の、厳しい寒さ。または冷たい空気。
雪明り	ゆきあかり	yukiakari	Snow Light	積もった雪の反射で、夜でもあたりがほのかに明るく見えること。
霜枯れ	しもがれ	shimogare	Withered by Frost	草木が霜にあって枯れてしまうこと。
冬の川	ふゆのかわ	fuyu no kawa	Winter River	水量が減り、流れも静かで、寒々とした冬の川。
かぼちゃ	かぼちゃ	kabocha_december	Pumpkin / Squash	冬至にかぼちゃを食べて無病息災を願う風習から。
氷柱	つらら	tsurara	Icicle	軒下などから、水のしずくが凍って、棒状に垂れ下がったもの。
サンタクロース	さんたくろーす	santa kurōsu	Santa Claus	クリスマスイブに、良い子に贈り物を届けてくれるとされる伝説の人物。
雪吊	ゆきつり	yukitsuri_december	Snow Ropes	冬の重い雪から木の枝を守るため、縄で枝を吊り上げること。12月には雪国での準備が本格化する。
閑寂	かんじゃく	kanjaku	Tranquil Silence	物音もせず、静かで寂しいこと。冬の情景。
炉火	ろか	roka	Hearth Fire	炉に燃える火。冬の茶室の中心となる暖かさ。
トナカイ	となかい	tonakai	Reindeer	サンタクロースのそりを引く、クリスマスの象徴的な動物。
蠟梅	ろうばい	rōbai	Wintersweet	12月頃から、葉が落ちた枝に、蝋細工のような黄色い花を咲かせ、甘い香りを放つ。
福寿草	ふくじゅそう	fukujusō_december	Amur Adonis	新春を告げる縁起の良い花だが、早いものは12月から咲き始める。「元日草」の別名。
寒林	かんりん	kanrin	Wintry Forest	冬の、葉が落ちて寒々とした林。
霜夜	しもよ	shimoyo	Frosty Night	霜が降りる、寒く、澄み切った夜。
プレゼント	ぷれぜんと	purezento	Present	贈り物。特にクリスマスの贈り物を指す。
深雪	みゆき	miyuki	Deep Snow	深く降り積もった雪。
大晦日	おおみそか	ōmisoka	New Year's Eve	12月31日。一年の最後の日。
歳月	さいげつ	saigetsu	Time / Years	過ぎ去っていく年月。一年を振り返る思い。
雪華	せっか	sekka_crystal	Snow Blossom / Snowflake	雪の結晶。その美しい六角形の形を花に見立てた言葉。
雪見	ゆきみ	yukimi	Snow Viewing	雪の降る景色や、雪景色を眺めて楽しむこと。
白銀	しろがね	shirogane_december	Silver	雪が一面に広がった様子を、銀にたとえた言葉。
冬の星	ふゆのほし	fuyu no hoshi	Winter Stars	冬の、空気が澄んで、ひときわ明るく輝いて見える星。
飾り	かざり	kazari	Decoration	クリスマスや正月のための飾りつけ。
ベル	べる	beru	Bell	教会の鐘や、クリスマスの飾りとしてのベル。
落葉松	からまつ	karamatsu_december	Larch	日本の松では唯一、秋に葉が黄色く色づいて落葉する。12月には完全に葉を落とした姿となる。
寒梅	かんばい	kanbai_dec	Winter Plum	寒い時期に、他の花に先駆けて咲く梅。早咲きの品種は12月から咲き始める。
雪国	ゆきぐに	yukiguni	Snow Country	雪が多く降る地方。冬の本格的な訪れ。
根雪	ねゆき	neyuki	Lingering Snow	春まで解けずに残る、深く積もった雪。
ホワイトクリスマス	ほわいとくりすます	howaito kurisumasu	White Christmas	クリスマスイブやクリスマスに雪が降ること。
霜柱	しもばしら	shimobashira_december	Frost Columns	地中の水分が凍って、土を持ち上げながら柱状に伸びた氷。
冬萌	ふゆもえ	fuyumoe_december	Winter Sprouting	草木が春に備えて、冬の間にひっそりと芽を準備している様。
年用意	としようい	toshiyōi	New Year Preparations	新年を迎えるための、様々な準備。
年忘れ	としわすれ	toshiwasure	Forgetting the Year	忘年会。その一年の苦労を忘れるために、年末に開く宴会。
冬霞	ふゆがすみ	fuyugasumi	Winter Haze	冬の、白っぽく、ぼんやりと霞がかかったような空。
冬晴	ふゆばれ	fuyubare	Clear Winter Day	冬の、空気が澄んで、よく晴れ渡った天気。
寒雀	かんすずめ	kansuzume	Winter Sparrow	冬の、寒さで羽毛を膨らませた雀。
雪兎	ゆきうさぎ	yuki usagi_december	Snow Rabbit	南天の実などで作った、雪のうさぎ。冬の子供の遊び。
暖炉	だんろ	danro	Fireplace / Hearth	西洋式の、部屋を暖めるための炉。クリスマスなどの団らんの象徴。
凍て空	いてぞら	itezora	Frozen Sky	凍るように寒く、澄み渡った冬の空。
キャンドル	きゃんどる	kyandoru	Candle	ろうそく。夜咄やクリスマスの夜を照らす、温かい光。
除夜	じょや	joya	New Year's Eve	12月31日の夜。一年の最後の日。「除」は古いものを捨てて新しいものを迎えるという意味。
クリスマス	くりすます	kurisumasu	Christmas	イエス・キリストの降誕を祝う祭り（12月25日）。
年の市	としのいち	toshi no ichi	Year-end Market	年末に、正月用品などを売るために開かれる市。
冬椿	ふゆつばき	fuyutsubaki	Winter Camellia	寒椿の別名。冬に咲く椿の総称。
歳末	さいまつ	saimatsu	End of the Year (formal)	年末のこと。「年の暮れ」よりも改まった言い方。
寒の水	かんのみず	kan no mizu	Winter Water	冬の、冷たく澄みきった水。
冬の梅	ふゆのうめ	fuyu no ume	Winter Plum	寒梅の別名。

御銘 Gomei